「薬局によって調剤の値段が違うのはなぜ?」
「調剤の値段はどのように決まるの?」
「調剤の値段を安くするにはどうしたらよい?」
上記のように、薬局でかかる調剤の値段に疑問を持ったことはないでしょうか。調剤されたお薬自体の価格は全国一律ですが、調剤の値段は薬局によって異なるのが特徴です。
この記事では、調剤の値段が決まる仕組みを薬価制度・調剤報酬・保険制度の観点から解説します。さらに、ジェネリック医薬品の選択・お薬手帳の活用・かかりつけ薬剤師の利用といった、調剤の料金を抑える方法も紹介します。最後まで読めば、調剤の値段に関する仕組みが理解でき、薬局をよりお得に賢く利用できるようになるでしょう。
薬局で調剤されたお薬の値段が決まる仕組み
処方箋で提供されるお薬の価格は、どこの薬局でも同じです。しかし、調剤で支払う料金はお薬の値段だけでなく、処方箋をもとにさまざまな要素を考慮して計算されるため、どこでも同じとは限りません。ここでは、調剤の値段がどのように決まるのかについて、薬価制度・調剤報酬・保険制度の観点から解説します。
薬価制度|お薬の値段を決める仕組み
薬価制度とは、医療用医薬品の価格を国が定める仕組みです。この制度は、国民皆保険制度のもと、公平な医療を提供するために設けられています。厚生労働省が製薬企業の資料をもとに改定し、2年に1度、薬価基準として告示されます。しかし、近年では物価高騰や円安の影響で毎年改定されており、2025年度にも中間年改定がおこなわれ、全医薬品の約50%以上が対象となりました。なお、薬価自体は統一価格のため、薬局により値段が変わることはありません。
調剤報酬|お薬以外の値段を決める仕組み
調剤報酬とは、薬剤師の調剤や服薬指導に対して支払われる報酬です。患者さんごとに適切な医療を提供するための仕組みとして設けられています。調剤報酬の仕組みは2年に1度改定されるため、薬局の利用時期によって値段が変わることがあります。
また、薬局の規模や実績によって点数が異なるのも特徴です。そのため、店舗数が多い大手チェーン薬局と個人経営の薬局では、処方箋の受付件数や在宅医療提供状況などの実績に差があり、支払う金額が変わることがあります。
保険制度|自己負担割合を決める仕組み
保険制度における自己負担割合は、医療費の支払い額を直接左右する重要な要素です。日本の公的医療保険制度では、年齢や所得に応じて自己負担割合が設定されます。たとえば、70歳未満の方は3割負担、70歳以上75歳未満の方は2割負担、75歳以上の方は1割負担が一般的です。
ただし、現役並みの所得がある高齢者は3割負担となります。 2022年10月より、75歳以上で一定以上の所得がある方の窓口負担割合が1割から2割に引き上げられました。また、1968年には国民健康保険の自己負担割合が5割から3割に引き下げられ、1973年には被用者保険の被扶養者も3割負担となった事例もあります。 このように、保険制度の見直しにより自己負担割合が変動することがあり、医療費の負担額にも影響をおよぼします。
薬局での調剤にかかる料金の内訳
調剤には、お薬の料金だけでなく、さまざまな費用が含まれています。処方されたお薬の価格だけを見ていると、値段の違いに関する内訳がわかりにくいこともあります。どのような費用が発生するのかを知ることで納得して薬局を利用できるようになるため、調剤にかかる料金の内訳について、詳しく見ていきましょう。
薬剤料
薬剤料は、調剤されたお薬代を決める重要な要素です。薬価は国が定め、10円を1点として点数化され、自己負担割合を掛けて支払額が決まります。点数の計算では、小数点以下の処理に「五捨五超入」が適用されるのが特徴です。
たとえば、薬価が95.2円の場合は9.52点となり、五捨五超入で10点として計算されます。薬剤料の仕組みや計算方法を理解することで、お薬代の適正な把握が可能になり、薬局での支払い額の理由を明確にできます。
薬学管理料
薬剤師がおこなう服薬指導や、患者さんの情報を記録する薬歴の管理に対する報酬です。初めての薬局を利用する際や処方箋の内容によって、点数が変わる場合もあります。なお、以下の点数が会計に影響を与える可能性があります。
● 服薬管理指導料:お薬の飲み方や副作用に関して説明した場合の点数
● かかりつけ薬剤師指導料:指名した薬剤師が服薬指導した場合の点数
● 在宅患者訪問薬剤管理指導料:在宅療養中の患者さん宅を訪問して指導した場合の点数
特に、服薬管理指導料は、3か月以内にお薬手帳を持参して再調剤を受ければ14点低くなるのが特徴です。これらの要素により、薬学管理料が異なり、支払額が変動する場合もあります。
なお、薬局での支払いを低く抑えたいなら、お薬手帳忘れを防止できるLINEの「つながる薬局」の利用がおすすめです。電子お薬手帳の機能を備えた「つながる薬局」は、LINEで友だち登録をするとサービスが利用開始できるため、スマホがあればお薬手帳を忘れることがありません。お薬手帳を忘れることなく薬局の値段を抑えたい方は、「つながる薬局」の利用を検討してみてください。
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調剤技術料
調剤技術料は、薬剤師が処方箋に基づきお薬を調製する際の技術や手間に対する手数料です。薬局ごとに異なる設定がされている点数もあるため、薬局の規模や実績によって支払い金額が違うことがあります。調剤技術料の点数に影響を与える主な要素は以下のとおりです。
● 調剤基本料:処方箋の受付回数が少ない薬局では点数が高い傾向あり
● 地域支援体制加算:夜間・休日対応や在宅訪問をおこなう薬局に加算
● 医療DX推進体制整備加算:電子処方箋やオンライン資格確認導入薬局に加算
これらを含む諸要素により、薬局ごとに調剤技術料の点数が異なり、支払い金額が違う場合があります。
薬局で調剤にかかる値段を抑える3つのポイント
調剤の値段には、安くする方法があります。薬局を賢く利用するためにも、どのような安くする選択肢があるのかを知ることが重要です。適切な方法を取り入れることで、無駄な出費を防ぎながら、必要な治療を継続しやすくなるでしょう。ここでは、調剤の値段を抑えるポイントについて解説します。
ジェネリック医薬品を選択する
ジェネリック医薬品を選択することで、調剤の値段を抑えられます。ジェネリック医薬品は、先発医薬品(新薬)の特許が切れた後に製造・販売されるもので、有効成分や効き目、安全性は先発医薬品と同等です。開発費用が抑えられるため、先発医薬品に比べて価格が低く設定されています。
たとえば、1錠40円で1日1回服用する高血圧の先発医薬品であれば、後発医薬品だと12円程度まで安くなるため、3割負担で年3,000円程度自己負担を抑えられます。このように、ジェネリック医薬品を適切に選択することで、医療費の負担をお得に減らすことが可能です。
お薬手帳を提示する
お薬手帳を薬局で提示することで、調剤の値段を抑えられます。お薬手帳は、過去の処方履歴やアレルギー情報を記録し、薬剤師が適切なお薬の提供や重複投与の防止に役立てます。
現時点ではお薬手帳の持参は服薬管理指導料に関わり、3か月以内にお薬手帳を持参して再調剤を受ければ59点が45点になるため、自己負担3割であれば40円程度抑えられお得です。お薬手帳を活用することで医療費の負担軽減につながるため、お薬手帳を忘れず持参するのがおすすめです。
なお、「つながる薬局」であれば、LINEの友だち登録をして、お好きな薬局をかかりつけ薬局として登録するとすぐに電子お薬手帳機能が利用できます。お薬手帳をスマホで管理すれば、お薬手帳を忘れることなく薬局での自己負担を少なくできるため、「つながる薬局」の利用を検討してみてください。
かかりつけ薬剤師を持つ
かかりつけ薬剤師指導料は、患者さんが特定の薬剤師を指名し、継続的な服薬指導を受ける際に発生する費用です。通常算定されることが多い服薬管理指導料よりも点数が高く設定されているため、調剤の値段は一時的に高くなります。 しかし、かかりつけ薬剤師を持つことで、以下のような医療費削減効果が期待できます。
● 残薬の確認と調整:患者さんの服薬状況を一元的に把握し、飲み残しや重複投薬を防ぐことで、無駄な薬剤費を削減
● 処方日数の適正化:残薬状況に応じて処方日数を調整し、不要なお薬の処方を削減
これらの取り組みにより、患者さんの総合的な医療費負担の軽減が期待できます。
まとめ
処方されたお薬の価格は全国共通ですが、調剤の値段は薬価制度・調剤報酬・保険制度によって変動します。薬局の規模や実績、処方箋の受付状況、保険の自己負担割合などが影響し、支払い額に違いが生じます。また、ジェネリック医薬品の選択・お薬手帳の提示・かかりつけ薬剤師の活用によって、調剤の値段を抑えることも可能です。本記事を参考に、調剤に関する値段の仕組みを理解し、賢く薬局を利用して医療費負担の軽減に役立ててください。
なお、お薬手帳を忘れず持参して薬局で支払う金額を抑えたいなら、スマホとともに常に持参できる「つながる薬局」がおすすめです。
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