執筆者・監修者:薬剤師
「5月に入って紫外線が強くなり、子どもの日焼けが心配」
このように5月の紫外線が強くなってきて、お子さんの肌が赤くなったり日焼けしやすくなって心配していませんか?特に外遊びが増えるこの季節、子どもの紫外線対策に頭を悩ませているご家族も多いのではないでしょうか。大人でさえ油断すると日焼けしてしまう5月の紫外線は、肌の薄い子どもにとってはなおさら脅威ですよね。日焼け止めを塗ってもすぐに汗で流れてしまったり、帽子を嫌がったりと、子どもの紫外線対策は本当に大変です。
この記事では、5月の紫外線の特徴や、子どもの肌を守るための効果的な日焼け止めの選び方、正しい塗り方、外出時の工夫など、具体的かつ実践的な対策をご紹介しています。これからの季節を安心して楽しく過ごすために、ぜひ参考にしてください。
5月の紫外線、なぜ要注意?
春から初夏にかけての紫外線は、私たちが思っている以上に強力です。暑さはまだそれほどでなくても、実は紫外線量は夏と変わらないか、場合によってはそれ以上になることもあります。なぜ5月の紫外線に特に注意が必要なのか、その理由を解説します。
紫外線量が急増し、5月に最も多い
気象庁のデータによると、紫外線量は3月から急激に増加し始め、5月頃にピークを迎えることがあります。これは太陽高度が上がり、紫外線が大気中を通過する距離が短くなるためです。また、梅雨前の晴天続きも紫外線量を増加させる要因となっています。5月の紫外線量は、真夏である8月とほぼ同等か、場合によってはそれを上回ることもあるのです。
初夏に紫外線対策を怠る人が多い
5月はまだ真夏ほどの暑さではないため、紫外線対策を怠りがちです。「まだ5月だから」と日焼け止めを塗らなかったり、帽子やサングラスの着用を忘れたりする人が多いのが現状です。また、春から夏への移行期間であるため、皮膚がまだ紫外線に慣れておらず、日焼けしやすい状態になっています。こうした理由から、5月こそ意識的な紫外線対策が必要なのです。
子どもだからこそ大切な紫外線対策
子どもの肌は大人の肌と比べて非常にデリケートです。紫外線に対する防御機能も十分に発達していないため、特別な配慮が必要になります。子どもの紫外線対策がなぜ重要なのか、その理由について詳しく見ていきましょう。
大人よりも肌が弱く肌トラブル、皮膚がんリスクが高い
子どもの肌は大人の肌に比べて約半分の厚さしかなく、バリア機能も未発達です。また、メラニン色素の生成能力も低いため、紫外線から自身を守る力が弱いのが特徴です。そのため、子どもは日焼けしやすく、炎症を起こしやすい傾向があります。さらに、幼少期に強い紫外線を浴びると、皮膚の細胞にダメージが蓄積し、将来的な皮膚がんのリスクが高まると言われています。WHO(世界保健機関)の報告によれば、18歳までに浴びる紫外線量が多いほど、皮膚がんの発症リスクが上昇するとされています。
将来的にシミやシワができやすくなる
子どもの頃に紫外線をたくさん浴びると、将来的な肌の老化にも影響します。紫外線によって肌の深層部にあるコラーゲンやエラスチンが破壊されると、20代後半から30代になったときにシミやシワとして現れることがあります。つまり、子どものうちからしっかりと紫外線対策をすることは、将来の美肌のためにも重要なのです。
子どもの紫外線対策法
子どもの肌を紫外線から守るためには、日々の生活の中で実践できる対策が重要です。効果的な日焼け止めの使用方法から、屋外活動の工夫まで、具体的な対策方法をご紹介します。
日焼け止めを正しく利用する
子どもの肌に日焼け止めを塗る際は、いくつかのポイントを押さえることが大切です。まず、日焼け止めはムラなく十分な量を肌に伸ばすことが重要です。大人の場合、顔には500円玉大、腕や脚には1円玉大の量が目安と言われていますが、子どもの場合はその半分程度の量でよいでしょう。また、汗や水で流れやすいため、2〜3時間おきに塗り直すことが効果的です。特に、プールや海で遊んだ後、汗をかいた後は必ず塗り直しましょう。
子ども用の日焼け止めは、刺激の少ない成分で作られているものを選ぶことをおすすめします。「SPF15〜30、PA++〜+++」程度のものが日常使いには適しています。敏感肌のお子さんには、紫外線散乱剤(ノンケミカル)タイプの日焼け止めが良いでしょう。
日光を浴びすぎない工夫
肌を紫外線から守ることは重要ですが、適度に日光を浴びることは子どもの健康に不可欠です。ビタミンDの合成を促し、骨の発達や免疫機能の強化につながります。一般的には、朝9時までと夕方4時以降の紫外線が比較的弱い時間帯に、15〜20分程度の日光浴が推奨されています。紫外線が最も強い時間帯(午前10時〜午後2時頃)の外出は控え、早朝や夕方に外遊びの時間を設定するのがよいでしょう。公園などでは、木陰や日陰を上手に利用しながら遊ぶように促すことも効果的です。
また、外出する際には、日傘や日よけつき帽子、サンシェードなどを活用して、直射日光を避ける工夫も大切です。
服装を工夫
衣服による紫外線対策も非常に効果的です。UV加工が施された服や帽子は、紫外線をカットする効果が高いので積極的に活用しましょう。特に帽子は、つばが広いものを選ぶと顔や首の日焼け防止に役立ちます。サングラスも目の保護には重要です。子ども用のUVカットサングラスを選び、目の周りの繊細な皮膚と目自体を紫外線から守りましょう。
また、濃い色の衣服は薄い色の衣服よりも紫外線を通しにくい傾向があります。長袖、長ズボンが理想的ですが、暑い季節には通気性の良い素材を選ぶことが大切です。
日焼けをしてしまった際のアフターケア
どんなに注意していても、子どもが日焼けをしてしまうことはあります。そんなときのために、適切なアフターケアの方法を知っておきましょう。
冷やして炎症を抑える
日焼けによる赤みや熱感がある場合は、まず冷やすことが重要です。冷たいシャワーや冷たいタオルで肌を冷やし、炎症を抑えましょう。市販の日焼け後用ジェルやローションにも、冷却効果のあるものがあります。ただし、氷を直接肌に当てると刺激が強すぎるので避けてください。
入念な保湿ケア
日焼けした肌は水分が失われ、乾燥しやすい状態になっています。保湿成分がたっぷり含まれたローションやクリームで、こまめに保湿ケアを行いましょう。アロエベラジェルなど、抗炎症効果のある製品も効果的です。入浴後は特に肌が乾燥しやすいので、すぐに保湿剤を塗ることをお忘れなく。また、刺激の強い石鹸や入浴剤は避け、ぬるめのお湯でやさしく体を洗いましょう。
ひどい炎症が出た時はかかりつけの医師や薬剤師に相談を
水ぶくれができたり痛みや熱がある場合は、日焼けが重度の可能性があります。このような症状が見られたら、自己判断せずに早めにかかりつけの医師や薬剤師に相談しましょう。特に小さなお子さんの場合、重度の日焼けは脱水症状や熱中症のリスクも高まります。ぐったりしている、吐き気がある、頭痛を訴えるなどの症状があれば、すぐに医療機関を受診してください。
お子さんの肌を守るために
5月の強い紫外線から子どもの肌を守るためには、日頃からの意識と適切な対策が重要です。紫外線は怖いものではありますが、適度な日光浴は健康な成長に欠かせません。バランスの取れた紫外線との付き合い方を実践し、お子さんが元気に外で遊びながらも、肌へのダメージを最小限に抑えられるようサポートしていきましょう。
紫外線対策や日焼け後のケア、おすすめの日焼け止めなどについてさらに詳しく知りたい方は、薬剤師に相談してみるとよいでしょう。お子さんの肌質や生活スタイルに合わせた、最適な製品選びや対策方法をアドバイスしてくれるはずです。
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