お薬、ちゃんと飲めてる?高齢の親に家族ができるサポートと工夫

お薬

執筆者・監修者:薬剤師

「最近、親のお薬の種類が増えてきたけど、ちゃんと飲めているのか心配」
「一緒に住んでいないから、お薬の管理ができていないかも…」

そんな不安を感じている方も多いのではないでしょうか。高齢になると、複数の病気で通院したり、処方されるお薬の種類が増えますが、服薬の管理がうまくいかないと、健康リスクを高めてしまうことにもつながりかねません。今回は、服薬管理に伴うリスクを解説し、家族ができるサポート方法をご紹介します。

高齢の親に多い服薬管理のリスク

高齢になると複数の疾患を抱えることが増え、それに伴い服用するお薬の種類も増加します。高齢者の服薬管理には様々なリスクが潜んでいます。これらのリスクをあらかじめ把握することで、適切なサポートを考えるきっかけになるでしょう。

お薬の使用期限の管理が難しい

高齢者の自宅には、以前処方されたお薬が残ってしまっていることがあります。使用期限が切れたお薬は効果が減弱するだけでなく、成分が変質して体に悪影響を及ぼす可能性もあります。特に、視力が落ちて小さな文字が見えにくくなると使用期限の確認が難しくなり、古いお薬と新しいお薬を区別できなくなることもあります。定期的にお薬の整理をサポートすることが大切です。

記憶力や認知力の低下による服薬過誤

「今日薬を飲んだかな?」と迷い、「まだ飲んでいないはず」と考えて重複して服用してしまったり、「もう飲んだはず」として服用しなかったりするケースは珍しくありません。認知機能の低下に伴い、お薬の飲み忘れや二重服用のリスクが高まるのです。また、お薬が複数ありそれぞれに違う服用指示(食前・食後・就寝前など)があると混乱しやすく、正しいタイミングで服用できないことも多くなります。

副作用や体調変化への気づきの遅れ

高齢者は新たな症状が現れても、「年齢のせい」と思い込んで見過ごしてしまうことがあります。しかし、実はお薬の副作用であることも少なくありません。また、複数のお薬を服用している場合、お薬同士の相互作用により体調変化があってもなかなか気づきにくいものです。定期的な体調確認と、変化があった場合の専門家への早めの相談が重要です。

自己判断でお薬の量を変えてしまう

「良くなったから」「副作用がつらいから」という理由で、医師に相談せずに服用量を減らしたり、中止したりしてしまうことが考えられます。これは症状の悪化や治療効果の低下を招く恐れがあります。逆に「効き目が足りない」と自己判断で増量してしまうケースがあった場合、過剰摂取のリスクにつながります。

服薬管理ができていないことによる健康トラブル

高齢者の服薬管理が適切でないと、様々な健康被害を引き起こす可能性があります。お薬は正しく使用することで効果を発揮するものです。以下のようなトラブルを未然に防ぐためにも、適切な服薬サポートが欠かせません。

飲み忘れの継続による症状再発や悪化

高血圧や糖尿病などの慢性疾患のお薬は、継続的に服用することで症状をコントロールします。飲み忘れが続くと、気づかないうちに血圧や血糖値が上昇し、重篤な合併症を引き起こすこともあります。特に血圧の薬や心臓の薬は、急に中断すると危険な場合もあるため注意が必要です。

重複服用による過剰摂取や副作用

「飲んだかどうか分からない」と考え再度服用すると、過剰摂取につながります。また、複数の医療機関を受診している場合、同じ成分のお薬が重複して処方されることもあります。これにより副作用のリスクが高まったり、予期せぬ相互作用が生じたりする可能性があります。高齢者の服薬チェックでは、すべての処方薬を薬剤師等に確認してもらうことが重要です。

新たな症状や健康被害の発生

お薬の飲み間違いや不適切な服用が続くと、新たな健康問題を引き起こすことがあります。例えば、睡眠薬の過剰摂取による転倒リスクの増加や、消炎鎮痛剤の長期服用による胃腸障害などです。また、お薬によっては急に中止すると離脱症状が出ることもあります。こうした健康被害を防ぐためにも、適切な服薬管理が欠かせません。

離れて暮らす家族ができるサポート

遠方に住んでいても、高齢の親の服薬管理をサポートする方法はあります。直接お薬の確認をすることができなくても、以下のような方法で服薬管理をバックアップし、安心して暮らせる環境づくりをサポートしましょう。

会話の中で健康状態をさりげなくチェック

電話やビデオ通話の際に、「今日はどんなお薬を飲んだの?」「調子はどう?」と自然に尋ねてみましょう。服薬状況や体調変化を会話の中でさりげなく確認することで、問題の早期発見につながります。また、お薬の名前や効果を一緒に確認することで、親自身のお薬への理解も深まります。押し付けがましくならないよう、日常会話の中に組み込むことがポイントです。

服薬アプリや見守りサービスの活用

スマートフォンを使える方なら、服薬リマインダーアプリの利用も有効です。服用時間になるとアラームで知らせてくれるほか、服用記録も残せます。また、専用の服薬管理デバイスや見守りサービスも増えています。服薬したことを離れて暮らす家族にも通知できるサービスもあり、高齢者の服薬管理と家族の安心につながります。

ケアマネージャーや地域包括支援センターと連携

高齢者の服薬に不安がある場合は、地域の支援サービスを活用しましょう。ケアマネージャーや地域包括支援センターに相談すれば、服薬サポートを含む適切な支援プランを提案してもらえます。訪問看護サービスを利用すれば、看護師が定期的に訪問して服薬状況を確認し、健康管理をサポートしてくれます。

薬剤師による訪問薬剤管理指導を受ける

最近では、薬剤師が自宅を訪問してお薬の管理や指導を行う「訪問薬剤管理指導」というサービスがあります。通院や薬の管理が困難な患者さんの服薬サポートに特化したこのサービスでは、お薬の整理や一包化、服用方法の指導などを行ってくれます。

訪問薬剤管理指導に対応している薬局を探す際には、「つながる薬局検索サイト」を利用してみてはいかがでしょうか。つながる薬局検索サイトでは、訪問薬剤管理指導を行っている薬局に「在宅対応」という表示があるので、「在宅対応」にチェックをつけて検索すると対応している薬局を簡単に探すことができます。また「つながる薬局」のサービスでは、LINEを活用して気軽に薬局の薬剤師に健康・お薬相談ができる機能や、家族間で共有できる電子お薬手帳の機能も提供しています。遠方に住む家族を安心して見守ることができるためおすすめです。

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薬剤師と連携するメリット

高齢者の服薬管理において、薬剤師との連携は大きな安心につながります。お薬の専門家である薬剤師は、医師とは異なる視点からお薬の管理や最適化をサポートしてくれます。積極的に薬剤師を活用することで、より安全で効果的な服薬管理が実現します。

高齢者に合わせた服薬サポートが受けられる

薬剤師は高齢者の状態に合わせた服薬サポートを提案してくれます。例えばお薬の種類が多い場合は、一包化(同じタイミングで服用する数種類の薬を1回分ずつまとめて小分けにする)して飲み間違いを防いだり、飲みやすい剤形(錠剤が飲みにくければ粉薬や液剤など)に変更したりすることも可能です。また、服薬カレンダーの活用方法や、高齢者でも使いやすい服薬管理グッズの紹介など、実践的なアドバイスも受けられます。

薬局で服薬サポートを受ける方法の一つとして、LINEの「つながる薬局」というサービスを活用してみませんか。処方箋を受け取った後、お薬をもらう場合や、薬局で服薬方法の相談をしたい場合は、「つながる薬局」のサービスを活用するのがおすすめです。お薬を受け取りたい薬局に事前に処方箋の画像を送っておくと、実際に薬局を訪れる前に一包化など、お薬の準備を始めてくれるので、お薬をスムーズに受け取ることができます。ご自身のスケジュールに合わせて受け取り希望日時を設定することも可能です。

また、お薬の飲み忘れを防ぐために、服用する時刻を予め設定しておくとその時刻にLINEの通知が届く「服薬スケジュール機能」も備わっています。この機能は通知が届くことに加えて、服用したという記録も簡単に残せるので便利です。さらに、LINEを利用してお薬や健康について薬局の薬剤師に気軽に相談したり、家族で情報を共有できる電子お薬手帳を使用することもできます。とても便利なサービスなのでご利用を検討してみてはいかがでしょうか。

医師へのフィードバックや連携も可能

薬剤師は患者さんの服薬状況や副作用の有無などを確認し、必要に応じて医師にフィードバックします。例えば、「めまいの副作用が強い」「錠剤が大きくて飲みにくい」といった情報を医師に伝え、お薬の変更や調整を提案することも。また、複数の医療機関からの処方薬の重複や相互作用のチェックも行ってくれるため、より安全な薬物療法につながります。

かかりつけの薬局を決めておくと安心

複数の医療機関を受診している場合でも、かかりつけ薬局を一つに決めておくと、すべての処方薬を一元管理してもらえます。これにより、お薬の重複や相互作用のリスクを減らせるだけでなく、体調変化や副作用の早期発見にもつながります。また、薬局によっては健康相談や栄養指導なども受けられ、総合的な健康管理をサポートしてくれます。

「つながる薬局検索サイト」では、ご自身にあった薬局を検索することができます。お近くのかかりつけ薬局を探す際にもぜひご活用ください。LINEの「つながる薬局」のサービスでは、気軽に薬剤師に健康・お薬相談ができる機能を備えており、ちょっとした疑問や不安も解消できます。

まとめ

今回は高齢の親の服薬管理に伴うリスクを解説し、家族ができるサポートの方法をご紹介しました。日頃からコミュニケーションを取ることはもちろんですが、地域の薬局・薬剤師や生活を支えてくれる方々の力を借りたり、スマートフォンのアプリなども上手に利用して、高齢の親もご自身も安心して生活できる環境を作っていきましょう。

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