処方箋は再発行してもらえる?ケース別に対処法を解説

薬局

執筆者・監修者:薬剤師

「病院でもらった処方箋をなくしてしまった」
「処方箋の有効期限が切れていた」

このような経験はありませんか?処方箋は再発行できるケースが多いですが、手続きや注意点を知っておくとスムーズに対応できます。この記事では、処方箋を紛失した際の対処法や再発行の流れ、注意点について詳しく解説します。

処方箋を紛失してしまったら?

病院でもらった処方箋を紛失してしまうと、お薬を受け取れなくなります。そのため、病院に相談して紛失した処方箋を再発行してもらわなければなりません。まずは、処方箋を紛失した際の対処法について解説します。

病院に連絡し、再発行依頼

処方箋をなくした場合は、処方箋を発行してもらった病院やクリニックにすぐに連絡しましょう。処方箋の原本がないと、原則として薬局ではお薬を受け取れません。

病院やクリニックに連絡する際には、下記のことを伝えるとスムーズです。
氏名・生年月日
処方箋を紛失してしまったこと
診察日

処方箋を発行してもらった日から時間が経ってしまっている場合は、再発行にあたり再度受診しなければならない場合もあります。その場合の再診料や処方箋発行手数料はすべて自費になるため注意が必要です。処方箋はお薬を受け取るための大切な書類なので、保管には十分気をつけましょう。

再発行の手続き

処方箋の再発行手続きでは、処方箋の紛失に気づくまでにどのくらい日数が経っているかがポイントになります。処方箋は、原則として交付日を含めて4日以内にお薬を受け取らなければなりません。有効期限を過ぎると、その処方箋を使ってお薬を受け取れなくなります。

処方箋の紛失に気づいたのが有効期限内であれば、処方箋の再発行のみで済む場合が多いですが、有効期限が切れている場合は再診が必要となり、再度診察料が発生する可能性があります。再診が必要になった場合、医師の診察内容によっては薬の処方内容が変更になることもあります。

処方箋の再発行にかかる費用や再診料は原則として保険の適用にはなりません。「処方箋を紛失した」と嘘をついて何度もお薬を受け取るといった不正行為などを防ぐために、処方箋の再発行に必要な費用は全額自己負担とするように厚生労働省から通達されています。処方箋の紛失に気づいたら、できるだけ速やかに病院へ相談し、正しい手続きを踏んで再発行を依頼するようにしましょう。

処方箋の有効期限が切れてしまったら?

処方箋には有効期限があり、有効期限を過ぎた処方箋ではお薬を受け取れません。ここからは処方箋の有効期限が切れてしまった場合の対処法を解説します。

処方箋の有効期限は4日以内

処方箋の有効期限は4日以内です。受診してから時間が経過すると病状や必要な医薬品が変わる可能性があるため、処方箋には法律で有効期限が定められています。処方箋の有効期限の4日間には、土日や祝日も含まれます。この期限を過ぎた処方箋を薬局に持ち込んでも、お薬を受け取れません。

処方箋を紛失してしまったり、忙しくて薬局に行けなかった場合などでも、期限を過ぎてしまうと再発行ではなく再診が必要になります。処方箋は医療行為の一環として交付される重要な書類なので、受け取ったらすぐに薬局に持参することを習慣にしておくと安心です。
処方箋の有効期限については、同サイトのうっかり期限切れに注意!処方箋の有効期限と後日受け取りのポイントにて詳細を解説しておりますのでご覧ください。

病院に連絡し、再診予約

処方箋の有効期限が切れてしまった場合は、まず処方箋を発行した病院に連絡を入れるようにしましょう。以前は、薬局から病院に問い合わせ、処方箋の有効期限を延長できないか相談するケースもありましたが、厚生労働省からの通達があり、薬局から病院に相談することはできなくなりました。

有効期限を過ぎた処方箋は、原則として再発行できないため、再度診察を受けて処方箋を発行してもらわなくてはなりません。処方箋を発行した病院に連絡し、再診の予約を取りましょう。病院に連絡する際は、処方箋の有効期限が切れてしまったことに加えて、前回の診察日や処方内容を伝えると、スムーズに対応してもらえます。

再度処方箋を発行

有効期限切れの処方箋では薬局でお薬を受け取れないため、再度医師の診察を受けて新たな処方箋を発行してもらう必要があります。再度の診察では、体調や症状が変化していないかを医師が確認し、処方内容が前回と異なることもあります。

再度診察を受けて処方箋を再発行してもらう際にかかる費用は、原則として保険適用外となるため注意が必要です。病院によって対応は異なりますが、再発行に応じてもらえないこともあるため、処方箋の有効期限が切れたことに気づいた時点で必ず病院に確認を取りましょう。

処方箋をなくさないためにできること

前述のとおり、処方箋をなくしてしまうと処方箋の再発行や再受診にかかる費用は全額自己負担になります。処方箋は適切な治療を受ける上で重要な書類なので、なくさないように注意しなければなりません。ここからは処方箋をなくさないためにできることを解説します。

診察後すぐに薬局に行く

処方箋をなくさない一番の方法は、診察後すぐに薬局へ行く習慣をつけることです。処方箋をカバンやポケットに入れたまま数日経ってしまうと、他の紙に紛れて見つからなくなったり、うっかり捨ててしまったりするリスクが高まります。特に処方箋は有効期限が交付日を含めて4日以内と短いため、時間を置かずにお薬を受け取るのがおすすめです。

診察後に予定がありお薬をもらう時間がないという場合には、処方箋を薬局に出してしまえばお薬の受け取りは後日(処方箋の有効期限内)でも可能としている薬局が多いです。薬局によってはお薬受け取りロッカーを設置して、夜間や日曜・祝日など薬剤師が不在の時間帯でもお薬を受け取れるようにしていることもあります。どうしても診察後に薬局へ行けない場合は、帰宅後すぐに処方箋を目につく場所に保管するようにしましょう。保管場所に気をつけるだけでも処方箋を紛失するリスクを減らせます。

「処方箋をなくしてしまった」と焦らないためにも、診察後すぐに薬局に行く習慣をつけることを心がけましょう。

電子処方箋に対応している医療機関を選ぶ

処方箋の紛失を防ぐためには、電子処方箋に対応している医療機関を選ぶのも有効です。近年では、従来の紙の処方箋ではなく、電子処方箋を活用する医療機関も増えてきています。電子処方箋では、「電子処方箋管理サービス」と呼ばれる処方内容と調剤内容を管理するシステムを経由して医療機関・薬局間で情報をやりとりします。

電子処方箋を活用すると、薬局でマイナンバーカードまたは健康保険証と医療機関から交付された引換番号を提示するだけでお薬を受け取れます。医療機関から処方箋を受け取るのではなく、処方箋の情報を薬局がオンラインで取得できるため、処方箋を紛失する心配がありません。

電子処方箋に対応した医療機関は、厚生労働省のサイトなどで確認できます。処方箋の適切な管理が難しい高齢者や、仕事が忙しく受診後すぐに薬局に行くことが難しい方などは、処方箋を紛失しないためにも電子処方箋の活用がおすすめです。病院を選ぶ際に「電子処方箋に対応しているかどうか」をチェックしてみましょう。

まとめ

本記事では、処方箋を紛失してしまった場合や有効期限が切れてしまった場合の対処方法、処方箋をなくさないための対応について解説しました。処方箋の再発行は費用負担が大きくなってしまうことも考えられますので、処方箋の取り扱いには十分に気をつけましょう。

最後に、お手持ちのスマホなどから薬局に処方箋を送信できる便利なサービスがあることをご存じですか。たとえば、LINEの「つながる薬局」のサービスにある処方箋送信機能は、処方箋の写真を事前に薬局に送信できます。この処方箋送信機能を活用することで、あらかじめ薬を準備しておいてもらえるため、お薬を受け取りに行った際の薬局での待ち時間を大幅に短縮できます。

また、お薬の準備ができたら薬局からLINEに通知が届きますので、忙しい時でもお薬のことを思い出すきっかけとなります。事前に受け取り希望時間を設定することもできるため、仕事の合間など限られた時間でお薬を受け取りたい方にもおすすめの機能です。なお、受診後すぐに処方箋の画像を薬局に送信した場合でも、処方箋の有効期限が切れる前に処方箋の原本を薬局に持参しなければならない点には注意しましょう。

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