執筆者・監修者:薬剤師
「余った薬はどうすればよい?」
「余った薬は薬局で整理してもらえる?」
「余った薬の捨て方は?」
手元に残ったお薬がある場合、上記のような疑問を抱く方も少なくありません。余ったお薬は薬局へ持参して薬剤師と整理することで、安全に処分できるだけでなく、次回の医療費を節約できる可能性があります。
当記事では、お薬が余った場合に薬局を活用するメリットや剤形別の正しい捨て方、余ったお薬でやってはいけないNG行動を解説します。最後まで読めば、余ったお薬の取り扱い方法がわかり、健康維持と節約を両立させる具体的な一歩を踏み出せるでしょう。
余った薬はどうすればよい?捨てる前に知っておきたい薬局活用のメリット
服用しきれず手元に残ったお薬を、自己判断で処分したり放置したりする方もいるでしょう。余ったお薬の扱いに困った際は、かかりつけ薬局に相談することで、家計の助けや安全な環境作りにつながる可能性があります。
本章では、余ったお薬を捨てるのに薬局を活用するメリットについて解説します。
「残薬調整」なら次回の支払い負担を軽減できる
余っているお薬がある場合、薬局へ持ち込み「残薬調整」を依頼することで、窓口負担を節約できる可能性があります。薬剤師が残薬の数を確認し、医師へ処方量の変更を提案することで、以下のメリットを享受できます。
● 処方箋から余っている分を差し引くため、支払額が減る
● お薬の管理状況を薬剤師が把握し、飲み忘れ防止の対策を提案してもらえる
● 薬局での引き取りや整理により、自宅での誤飲リスクを防げる
医師の合意が得られれば、無駄な処方がなくなるため、窓口負担は軽減します。家計と健康の両面を守るため、余ったお薬は捨てずに薬局・薬剤師へ相談しましょう。
使用期限切れや種類が不明な薬も安全に捨てられる
服用時期が不明な薬や使用期限が切れた余ったお薬は、薬局へ相談して処分するのが安全な選択です。期限を過ぎたお薬は成分が変質し、本来の効果が得られないだけでなく、健康被害を引き起こす恐れがあります。
特に以下のお薬は、環境負荷や安全性の観点から専門的な手順で処理する必要があります。
● スプレー缶や吸入剤など可燃性の可能性があるもの
● 注射針や鋭利な器具を伴う在宅医療用の機材
● 医療用麻薬などの法律で管理が定められている薬
薬局であれば、適切な方法での回収や引き取りに対応してくれます。自己判断で一般ゴミに混ぜて捨てず、専門家の手を借りて正しく処分しましょう。
なお、余ったお薬の取り扱いについて薬局・薬剤師に相談するなら、LINEでできる「つながる薬局」のサービスがおすすめです。友だち登録後にかかりつけ薬局を登録すれば、薬局・薬剤師へ気軽にLINEで余った薬について相談できます。
つながる薬局は、薬局への処方箋送信から健康・お薬相談、お薬手帳までLINEひとつでご利用いただけるサービスです。
余った薬はどうすればよいか悩む人におすすめ!医療費を節約する「ブラウンバッグ運動」とは
欧米から広まったブラウンバッグ運動は、自宅に眠る不要なお薬を袋に詰めて薬局へ持ち込み、専門家による一括管理を受ける取り組みです。
処方内容を適正化することで医療の質を高めるだけでなく、個人の家計負担を減らす効果も期待できるため、近年国内でも注目が集まってきました。
本章では、ブラウンバック運動の具体的なサポート内容やメリットについて解説します。
薬剤師が一緒に余った薬を整理
薬剤師による残薬整理を受けることで、自宅で眠る医薬品の有効活用と安全な管理が同時に実現します。専門的な知見を持つ薬剤師が介入すれば、素人では判断が難しい医薬品の状態を正確に選別できるためです。
具体的には、薬局のカウンターで以下のような項目を一つずつ丁寧に精査していきます。
● 使用期限が過ぎており破棄すべきお薬の特定
● 形状が似ていて見分けがつかなくなったお薬の名称確認
● 現在処方されている内容と同じ成分が含まれるお薬の抽出
薬剤師が使用可能なものだけを仕分けることで、自宅での誤飲事故を防ぎつつ、お薬を無駄なく使い切る環境が整います。
余った薬の活用法を薬剤師が医師へと提案
薬剤師が医師へ働きかけることで、患者さんが抱える心理的負担を抑えつつ、効率的にお薬代を節約できます。お薬を飲み残した事実を診察時に直接伝えにくい場合でも、薬剤師が調整役を担えば円滑な意思疎通が可能です。
薬局から医療機関へ情報共有をおこなうことで、以下の改善が図れます。
● 薬剤師が正確な残薬数を把握し、医師に処方日数の調整を提案
● 患者さんの心理的な後ろめたさを解消しつつ、治療への意欲を維持
● 窓口で支払う合計金額を減らし、家計への負担を直接的に軽減
専門家が介在して処方内容を最適化するため、納得感のある医療を受けられるようになるでしょう。
【剤形別】余った薬の正しい捨て方
飲まなくなったお薬や使わなくなったお薬を家庭で破棄する際は、形状や性質に応じた適切な処理が欠かせません。誤った処分方法は、周囲の誤飲事故や環境汚染を引き起こすリスクを伴うため、正しい手順を把握しておく必要があります。
本章では、剤形別の余ったお薬の捨て方について解説します。
錠剤・カプセル・粉薬
錠剤やカプセル、粉薬を廃棄する際は、包装から中身を取り出し、外部から判別できない状態で可燃ゴミとして処理してください。医薬品をそのまま捨てると、第三者の拾得やペットの誤食による健康被害を招く恐れがあります。
安全性を確保しつつ適切に処分するためのポイントを、以下にまとめました。
● プラスチック製の包装シート(PTP)から中身をすべて取り出す
● 錠剤や粉末が散乱しないよう、不要な封筒や厚手の紙で包む
● 医薬品だと特定されないよう、袋などに入れてからゴミ袋へ入れる
シート自体は各自治体のルールに従い、プラスチックゴミ等として分別することが求められます。
目薬やシロップなどの液体の薬
目薬やシロップなどの液状の医薬品を処分する場合は、排水口へ流さず紙や布に吸わせて可燃ゴミとして廃棄しましょう。トイレやシンクに直接流すと、成分が分解されず水質汚染を引き起こす原因となります。
周囲の環境を守りながら衛生的に処理するための手順は、以下のとおりです。
● ビニール袋の中に古布や丸めた新聞紙を入れる
● 容器の中身をすべて袋の中の素材に染み込ませる
● 袋の口をしっかりと縛り、中身がもれない状態で捨てる
空になったプラスチック容器は、各自治体が定める分別に従い処理することが大切です。
注射針や血糖測定器などの鋭利な医療器材
注射針や血糖測定器のセンサーなどの鋭利な医療器材は、家庭ゴミとして捨てず、処方元の医療機関や薬局へ返却しましょう。鋭利な機材を一般ゴミに混入させると、ゴミ収集作業員や近隣住民が針刺し事故を起こし、血液感染を招く危険性があります。
二次被害を防ぐため、以下の手順を守り安全に保管および返却しましょう。
● 貫通しにくい蓋付きの空ペットボトルや専用容器を保管に使う
● 針が露出しない状態で容器に入れ、蓋を固く閉める
● 一定数が溜まった段階で、受診時に持参して窓口へ渡す
自治体によっては回収方法が異なる場合もありますが、医療機関への持参が原則的なルールです。
なお、お薬の捨て方を薬局・薬剤師に相談するなら、LINEでできる「つながる薬局」のサービスがおすすめです。友だち登録後にかかりつけ薬局を登録すれば、薬局・薬剤師へ気軽にLINEで薬の捨て方について相談できます。
つながる薬局は、薬局への処方箋送信から健康・お薬相談、お薬手帳までLINEひとつでご利用いただけるサービスです。
余った薬でやってはいけないNG行動
よかれと思っておこなったお薬の取り扱いが、思いもよらない健康被害や環境破壊を招く危険性があります。医療用医薬品は個人の体質や症状に合わせて処方されているため、安易な自己判断による行動は避けなければなりません。
本章では、重大な事故を未然に防ぐために避けるべき余ったお薬でやってはいけないNG行動について解説します。
「もったいない」からと家族や知人に譲る
自分用に処方されたお薬を譲り渡す行為は、健康リスクが高く、法律違反に該当する場合があります。医師が個人の体質に合わせて選定したお薬を他人が服用すると、重篤な副作用を招く恐れがあります。
また、処方薬の譲渡や転売は薬機法に抵触する可能性があり、法的な罰則の対象となる点に注意しなければなりません。さらに、正規の処方以外で被害が出た場合は副作用被害救済制度も適用されず、一切の補償を受けられないリスクを伴います。
周囲の安全を守るためにお薬を分け合うことは避け、薬剤師へ相談して正しく取り扱いましょう。
トイレやキッチンから薬を流す
不要になった医薬品をトイレや排水口に流す行為は、生態系と人類の健康に深刻な悪影響を及ぼすためやめましょう。水に溶け出した成分は下水処理で完全に分解されず、河川や海へ放出されます。
その結果、魚類の繁殖阻害や薬剤耐性菌の発生を招き、最終的に食物連鎖を通じて人の健康を脅かすリスクとなります。
地球環境を守るために、液体状のお薬であっても決して流さず、正しく可燃ゴミとして処理しましょう。
まとめ
余ったお薬を薬局へ持参して薬剤師と共有することで、家計の負担を減らす残薬調整や、環境に配慮した安全な処分が可能です。剤形ごとの正しい廃棄手順を守り、家族への譲渡や排水口への投棄といった行動を避けることが、自身の健康と周囲の安全を守ることにつながります。
ブラウンバッグ運動のように、手元のお薬をまとめて専門家に精査してもらう取り組みは、医療費の節約だけでなく誤飲事故の防止にも直結する有効な手段です。当記事の内容を参考に、眠っているお薬を適切に整理して、安心かつ経済的な医療サービスの活用に役立ててください。
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