もし赤ちゃんが熱を出した時にはどうしたらいいのかな?といった悩みはありませんか?
誕生から育児に追われる毎日の中、赤ちゃんが急に発熱した時は驚きますし、看病に追われながら対応するのは大変ですよね。
この記事では、赤ちゃんの発熱時の受診の目安、高熱に伴う注意すべき症状や薬局の活用方法について紹介しています。ぜひご参考にしてください。
はじめての発熱
生まれた時にはお母さんからもらった免疫がある赤ちゃんですが、突然熱を出すこともあります。赤ちゃんにとっての初めての発熱は、いつ頃何が原因で起きることが多いのかを解説します。
突発性発疹が多いとされるがそうとは限らない
赤ちゃんの場合、他者からの感染がなければ、生後5ヶ月ごろから起きる突発性発疹による急な発熱が初めてになることが多いといわれていますが、3ヶ月未満でも発熱する場合があります。原因は感染症やその他の病気である可能性もあるため、発熱=突発性発疹とは限らないのです。実際に「結果としては突発性発疹だった」けれど、医師は違う可能性も考慮して診察します。他の症状・食欲・機嫌なども熱の高さと共に注意する必要があります。
受診の目安
熱が高い場合に、どの段階で受診したらよいのかが分かると安心できますね。基本的には38度が目安になります。その際、月齢・症状・状態をよく観察する必要があります。
3ヶ月未満の赤ちゃんで38度以上の熱が続く場合
3ヶ月未満の赤ちゃんでは、本来は母親からの免疫があるため、38度以上の発熱の場合重症の感染症である可能性が高いといわれています。実際に生後2ヶ月未満で筆者の子供は発熱し、咳がひどく数日でミルクも飲めなくなり、小児科クリニックから救急外来へ転院し即入院となりました。RSウイルスに感染していました。RSウイルス感染症は赤ちゃんにとっても重症となりやすい感染症の1つで、生後数週でも罹患する感染症です。詳しくは国立感染症研究所:RSウイルス感染症とはをご覧ください。
一方、月齢を問わず38度以上でぐったりしている場合は受診をしましょう。また41度を超える発熱の場合は至急受診をしましょう。
痙攣(けいれん)や発疹がある場合
発熱だけでなく痙攣や発疹がある場合は、大至急受診をしましょう。痙攣の症状は熱が上がってくる時に起こることが多く、意識消失、白目を向く、身体をそらせるように硬くする、手足をガクガク震わせる、顔色が悪くなるなどがあります。吐いたりすることもあるため、気道が確保できるように横向きに寝かせるなどが必要になります。熱に伴う痙攣は38度以上で起こりやすくなり、通常5分程度で治まるといわれています。5分以上は痙攣重積状態(または、てんかん重積状態)といいます。
発熱以外に発疹がある場合は、風疹、手足口病など多くの可能性があります。突発性発疹は解熱前後に発疹が出るのが特徴です。発熱だけでなく発疹が出た場合も受診をしましょう。
高熱が数日続く場合
3日発熱が続く場合は再度受診をしましょう。熱は通常1日の内に上下し、朝が一番低く、夕方から夜に上がります。そのため、初日から数えて2日目、3日目にも上がる可能性があります。3日発熱が続く場合は細菌感染などの可能性もあり、様々な感染症を確認するPCR検査や血液検査を行うこともあります。5日続く場合は、別の疾患の可能性や入院を勧められることもあります。
夜間や休日などは、小児救急電話相談 #8000に電話するとよいでしょう。小児科医と看護師から適切な対処の仕方や受診する病院などのアドバイスを受けられます。
市販薬の使用について
市販の解熱剤には子供用がありますが、夜間休日などに赤ちゃんが高熱を出した際に市販薬を使用する場合は「アセトアミノフェン」だけとし、使用には注意が必要です。
自己判断で市販薬に頼るのは危険
結論から言うと、解熱剤で乳幼児に使える成分はアセトアミノフェンのみで、生後3ヶ月未満は使用禁止、1歳未満は医師の診察を優先させることになっています。そのため、自己判断で市販薬に頼るのは危険で、髄膜炎を引き起こす可能性や、すぐに医師の治療を必要とする場合が あります。
しかし、夜間相談窓口などに電話相談して様子を見ることになった場合には、市販のアセトアミノフェンのシロップがあると飲ませてあげられます。念のため準備をしておくとよいでしょう。厚生労働省:市販の解熱鎮痛薬の選び方も参考になりますのでご覧ください。
必ず医師や薬剤師に相談し、適切な薬と用量を確認
お薬を飲ませるときには、月齢や体重によって適切で正確な量であることが重要です。赤ちゃんは内臓の働きも十分ではありません。月齢・体重で量が決まっていますので、面倒だと思っていても夜間救急窓口やかかりつけ薬局に確認して、薬の名前、種類、用量や回数・使用方法の確認をしましょう。
かかりつけを持っておくことの大切さ
ちょっとしたことでも相談できるのが、かかりつけ薬局です。電話等で気軽に相談できるかかりつけ薬局は、小さな子供を育てる親にとっては大切な味方になる存在です。それではどのような相談にのってもらえるのか次から解説します。
薬を使うタイミングや使い方を気軽に相談できる
かかりつけ薬局は、 医療用医薬品から市販の医薬品について気軽に相談ができるだけでなく、 薬を使うタイミング(服用間隔、食前食後など)、使い方、飲み合わせの確認なども相談することができます。赤ちゃんにお薬を飲ませるときの工夫についてのアドバイスも豊富です。
受診を迷う時に薬剤師が判断を助けてくれる
病院を受診すべきか迷う時にも、薬だけでなく症状などについても詳しいかかりつけ薬局の薬剤師は親身になって相談に乗ってくれて、判断をサポートしてくれます。また、診療科についてもアドバイスをくれるので、どこの病院に行けばよいのか迷っている場合などには心強い存在です。
頼れる場所があるだけで、いざという時の不安を大きく軽減
かかりつけ薬局の薬剤師は、例えば薬を飲んでくれない、飲ませたばかりなのに吐いた、親の自分が具合悪いけれど何科を受診したら良いのかなど、様々な相談に応じてくれます。筆者の場合は、子供が薬を吐いたり拒否した時に、かかりつけ薬局の薬剤師に飲ませ方の知恵を借りて飲ませてきました。かかりつけ薬局があるといつでも相談できるため安心できるし、不安を軽くしてくれる大きな存在となるでしょう。詳細は日本薬剤師会:かかりつけ薬剤師・薬局とはをご覧ください。
一方、高熱・痙攣など至急受診の必要がある場合は、迷わず小児科・小児救急センターなどに電話したり、小児救急電話相談#8000に電話をして下さいね。