執筆者:看護師・監修者:薬剤師
咳や鼻水が続く子どもの様子を見て、「風邪だと思って様子を見ていていいのだろうか」と悩むことはありませんか。とくに乳幼児がいるご家庭では、「受診のタイミングが分からない」と迷う場面も多いでしょう。
RSウイルス感染症は、小児や乳幼児に多くみられる呼吸器感染症のひとつです。多くの子どもは2歳までに一度は感染するとされていますが、乳児(1歳未満)では重症化することがあり、早めの気づきと対応が重要になります。
本記事では、RSウイルス感染症の特徴をはじめ、乳幼児・小児で注意したい重症化のサインや受診の目安、治療の考え方、家庭でできる予防法について解説します。あわせて、医療機関受診後に薬局で受けられるサポートについても紹介するので、ぜひ参考にしてください。
RSウイルス感染症の基本
RSウイルス感染症は、乳幼児を中心に流行する呼吸器感染症です。感染のしやすさや症状の出方には特徴があり、年齢によって経過が異なります。ここでは、RSウイルスの特徴と、感染後にみられやすい主な症状について説明します。
ウイルスの特徴
RSウイルスは感染力が非常に強く、2歳までにほぼすべての子どもが感染するといわれています。潜伏期間は2~8日程度で、一度感染しても何度も感染を繰り返すことがあるのが特徴です。
また、RSウイルスは例年夏から増加傾向となり、秋にピークがみられていました。しかし、2021年以降は春から増加しはじめ、夏にピークがみられるように。年間を通して流行する傾向があり、注意が必要なウイルスのひとつです。
主な症状
初期には、発熱、鼻水、せきといった上気道症状が主症状。多くは軽症で経過しますが、症状が進行するとせきが強くなり、呼吸とともにゼーゼー音がする喘鳴(ぜんめい)や肺炎などの症状に進行するリスクがあります。
小児や乳幼児には重症化のリスクがある
RSウイルス感染症は軽症で治ることが多い一方、年齢や体の状態によっては重症化することがあります。ここでは、重症化しやすい条件と、重症化した場合にみられる症状について解説します。
重症化リスクの高い条件
RSウイルス感染症は、ほとんどの場合は軽症で治ることの多い病気です。しかし、とくに以下のような条件に当てはまる場合は、症状が急に悪化することがあります。
● 乳児(特に生後6か月未満)
● 低出生体重児・早産児
● 心疾患や肺疾患などの基礎疾患がある場合
これらに当てはまる場合は、症状が軽く見えても注意が必要です。
重症化した場合の主な症状
RSウイルスが下気道に広がると、細気管支炎や肺炎を起こすことがあります。呼吸が速くなる、ゼーゼー・ヒューヒューといった音がする、呼吸のたびに胸やお腹が大きくへこむなどの症状は、RSウイルスが重症化しているリスクが高いため早めの対応が求められます。
医療機関受診のタイミング
RSウイルス感染症では、年齢によって受診の目安が異なります。子どもの成長段階に応じたサインを押さえていきましょう。
乳児(1歳未満)の場合
乳児では、RSウイルス感染症が急速に悪化することがあります。とくに次のような様子がみられる場合は、注意が必要です。
● 呼吸が苦しそう、ゼーゼー・ヒューヒューといった異常な呼吸音がする
● せき込みが強く、ミルクや水分が十分にとれない
● 顔色が悪い、唇や口の周りが紫っぽく見える
とくに生後3か月未満の赤ちゃんでは、発熱や強いせきといった典型的な症状がはっきりしないこともあります。「いつもと様子が違う」と感じた時点で、無理に様子を見ようとせず、早めに医療機関を受診することが大切です。
幼児(1~5歳)の場合
幼児では、RSウイルス感染症の症状が長引くことで体力を消耗しやすくなります。次のような状態がみられる場合は、受診を検討しましょう。
● 発熱やせきが3日以上続いている
● 強いせき込みによって嘔吐してしまう
● 夜も眠れないほど、せきが続いている
これらの症状が続くと、十分な睡眠や食事がとれず、回復が遅れることがあります。元気がない、日中の様子がいつもと違うと感じた場合も、早めに医療機関を受診することが大切です。
小学生以上の子ども・大人の場合
小学生以上の子どもや大人では、RSウイルス感染症が重症化することは多くありませんが、症状が長引く場合には注意が必要です。
● 高熱が続いている
● せきや鼻水が長引き、体のだるさが強い
これらの症状がある場合は、RSウイルス以外の感染症が関係している可能性も考えられます。無理をせず安静に過ごし、症状が改善しない場合や悪化する場合には、医療機関を受診しましょう。
RSウイルス感染症の主な治療法
RSウイルス感染症には特効薬がなく、症状に応じた治療が行われます。ここでは、外来での治療と入院が必要となるケースについて説明します。
対症療法
外来での治療では、発熱やせき、たんなどの症状を和らげるために、解熱剤や去痰薬などが処方されます。これらのお薬は症状を軽くすることを目的としたものであり、RSウイルス自体を排除するものではありません。
入院管理のケース
細気管支炎や肺炎など、呼吸器合併症が疑われる状態や十分な水分摂取ができない場合には、入院による管理が行われることがあります。入院中は、酸素吸入や吸入治療、点滴による水分補給などを行いながら、呼吸状態や全身の様子を慎重に観察します。
家庭でできるRSウイルス感染予防法
RSウイルスは感染力が強く、家庭内で広がりやすいウイルスのひとつ。とくに乳幼児がいる家庭では、日常生活の中でできる予防対策を意識することが大切です。ここでは、飛まつ感染と接触感染を防ぐための基本的な対策に加え、妊娠中から考えたい予防について紹介します。
飛まつ感染の防止
RSウイルスは、せきやくしゃみなどによる飛まつを介して感染します。そのため、外出後や食事前の手洗いを習慣づけることが重要です。
また、流行時期にはマスクを着用する、人混みをできるだけ避けるといった基本的な対策も、感染リスクを下げることにつながります。家族に症状がある場合は、できる範囲で距離を保つことも意識しましょう。
接触感染の防止
RSウイルスは、手指や物を介しても感染します。外出後や食事前の手洗いに加え、日常的によく触れる場所は、こまめに消毒や拭き取りを行い、清潔な状態を保つことが大切です。
とくに、小さな子どもが使うおもちゃは、定期的に洗浄・消毒するよう心がけましょう。
妊娠中の予防ワクチンの接種
近年、妊娠中に接種できるRSウイルス予防ワクチンがあり、出生後の乳児を重症化から守る手段のひとつとされています。接種の対象や時期には条件があるため、気になる場合は妊婦健診の際などに、かかりつけの医師へ相談するとよいでしょう。
医療機関受診後、薬局でできるRSウイルス感染症サポート
RSウイルス感染症では、医療機関を受診したあとも、自宅でのケアや家族内感染の予防が重要になります。
薬局は、処方されたお薬を受け取るだけでなく、日常生活の中での不安や疑問を相談できる身近な存在。ここでは、RSウイルス感染症にかかった子どもとその家族を支える、薬局でのサポート内容を紹介します。
家庭で使える応急・セルフケア用品の案内
RSウイルス感染症では、鼻づまりやせきによる不快感、水分不足などが起こりやすくなります。
薬局では、点鼻薬や鼻吸い器、保湿剤、経口補水液など、家庭でのケアに役立つアイテムについて相談できます。子どもの年齢や症状に合わせた使い方を確認できるため、安心して自宅ケアを続けられますよ。
感染予防グッズ・家庭衛生用品の紹介
家庭内での感染拡大を防ぐためには、日常的な衛生管理も欠かせません。薬局では、手指消毒剤やマスク、除菌シートなど、感染予防に役立つ衛生用品についての案内を受けることもできます。
また、どの場面でどのように使うとよいか、具体的なアドバイスを受けられる点も薬局ならではのメリットです。
RSウイルス感染症になった子どもをもつ保護者の相談窓口提供
「この症状は様子を見ていいのか」「お薬の使い方は合っているか」など、受診後にも不安を感じることは少なくありませんよね。そのようなとき、かかりつけ薬局があればそうした疑問を気軽に相談できますよ。
日頃から相談できる薬局を持っておくことで、子どもの体調変化にも落ち着いて対応しやすくなるでしょう。
RSウイルス感染症の症状や予防法を知り、重症化を防ごう!
RSウイルス感染症は、多くの子どもが経験する感染症ですが、乳児では重症化することがあるため、日頃から症状の変化に注意することが大切です。「受診するほどか迷う」「家でのケア方法が分からない」と感じたときは、早めに相談することで安心につながります。
たとえばLINEの「つながる薬局」というサービスでは、薬局へ処方箋の情報を送信できる機能の他、お好きな薬局をかかりつけ薬局として登録するだけで、薬局の薬剤師に相談できる機能もあります。LINEを使って薬の使い方や自宅でのケア、家庭内感染の予防についても相談が可能です。
医療機関を受診したあとや、少し不安を感じたときにも、身近な薬剤師とつながっておくことで、子どもの体調管理をより安心して行えるでしょう。いざというときに備え、ぜひ活用を検討してみてはいかがでしょうか。
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