3月は睡眠を見直す月!今日から実践できる「睡眠の質」を上げる工夫

健康・予防

「寝ているのに寝た気がしない…」
「睡眠トラブルのセルフケアがわからない…」

このように睡眠について困っている事はありませんか?
毎年3月は「世界睡眠デー」と「春の睡眠の日」があり、2025年は3月14日が「世界睡眠デー」、3月18日が「春の睡眠の日」です。良質な睡眠は健康を維持する上で欠かせません。特に3月は生活環境や気温の変化が重なり、心身の疲れが出やすい時期です。
この記事では、睡眠の重要性の解説と、睡眠の質を高めてコンディションを整えるための方法について紹介します。あなたの心身を整え、健康的な生活を送るための情報として、ぜひ参考にしてください。

睡眠の日とは?

睡眠についての重要性や正しい知識を普及し健康的な睡眠へつなげるために、「睡眠の日」が定められています。睡眠の日は、日本において制定された「春の睡眠の日」「秋の睡眠の日」の他に、世界睡眠学会が定めた3月第3金曜日の「世界睡眠デー」という世界的な記念日があります。

世界睡眠デー(3月第3金曜日)

世界睡眠学会(World Association of Sleep Medicine)によって、毎年3月の第3金曜日は「世界睡眠の日」に制定されました。この日は、健康的な睡眠の重要性や正しい知識の普及などを目的として、世界で睡眠に関する教育促進や知識を広めるイベントが開かれる日でもあります。

春の睡眠の日(3月18日)

春と秋の睡眠の日は、日本における国民の健康増進と正しい睡眠知識の普及が目的で制定されました。睡眠健康推進機構が日本睡眠学会との協力で年に2回定めています。

 3月18日:春の睡眠の日(春の睡眠健康週間3月11日~3月25日)
 9月3日:秋の睡眠の日(秋の睡眠健康週間8月27日~9月10日)

睡眠に関する基本とその重要性

睡眠不足は、うつ病や生活習慣病につながるだけでなく、生活の質や満足度の低下、仕事の生産性の低下につながります。睡眠の重要性について次から詳しく解説しましょう。

心身の健康増進・維持に必要不可欠

睡眠は、健康の増進や維持のために欠かせません。睡眠が不足すると、疲労感や注意力低下など心身の不調につながりやすく、さらに慢性化すると生活習慣病やうつ病等のリスクがあります。このように睡眠が心身の健康にとって重要な理由は、眠っている間に脳がホルモンを分泌したり記憶の整理をし、心身のメンテナンスをしているからです。

脳にとって睡眠は大切で、睡眠中にノンレム睡眠とレム睡眠が交互に起こりながら脳を休めます。
深い眠りに入るノンレム睡眠の時は、脳の温度は下がり休んでいる状態ですが、夢を見やすいレム睡眠の時には、脳の血流は活発になり脳は老廃物を排出しています。日本医療研究開発機構によると、レム睡眠が少ないと脳の機能低下や老化が進み、認知症のリスクが高まると報告しています。日頃から、量と質の両方が十分な睡眠をとることが私たちの生活の質を高めるために重要です。

質の良い睡眠は寿命短縮リスクや疲労軽減、集中力や適応能力向上にも直結

「質の良い睡眠」が心と体の健康にも大切です。厚労省によると、良い睡眠によって心身の疲労が回復し、睡眠が損なわれると様々な疾患の発症リスクが増加して寿命にも影響があるとしています。さらに質の良い睡眠をしっかりとることで、ワーキングメモリのパフォーマンスを向上させ、集中力や個人の能力向上につながり、ケガや事故の低減にも役立ちます。
※ワーキングメモリとは:一時的に記憶を保持しながら物事を処理する脳の働き

米国心臓病学会も「良い睡眠習慣」を身につけている人ほど、健康で早期死亡のリスクが低く、逆に良い睡眠をとれていないと、脳卒中・心臓病やがんなどの死亡リスクにつながると発表しており、「質の良い睡眠」が健康維持のカギになるようです。

限られた睡眠時間の中で「質」を高めることが大切

睡眠は長ければ良いというものではなく、必要以上に眠ろうとすると「なかなか寝付けない」「途中で何度も目が覚める」など、質が低下してしまいます。さらに長さには、個人差(6‐9時間)や季節差(冬期は夏期より10‐40分長い)もあるといわれていますので、「時間」を長くしようとするよりも、「質」を高めることが重要です。
厚労省によると、質の良い睡眠とは「すぐ眠れる」「ぐっすり眠れる」「気持ちよく目覚める」の3つが重要で、その評価として次のようなポイントがあります。

 規則正しく昼夜のメリハリがはっきりとしている
 睡眠と覚醒のサイクルが確保できている
 ● 寝床に就いてから、あまり時間をかけすぎずに入眠できる(長すぎても短すぎても(数分)良くない)
 ● 睡眠で熟眠感が得られる
 
日中にひどい眠気・居眠りがなく、心身が良好な状態で過ごせる
 途中で目が覚めることが少なく、安定した睡眠が得られる
 朝は体温が整った状態で目覚める
 目覚めてからスムーズに行動できる
 日中、過度の疲労感がなく満足度が得られる

睡眠の質を上げるポイント

睡眠の質を上げるには具体的にどうしたらよいのでしょうか?寝具などの環境も睡眠には重要ですが、自分に合うものを探すのに時間がかかってしまうので、質の良い睡眠「ぐっすり眠れる」「すぐに眠れる」「すっきり目覚める」のための『今日からできるポイントを5つ』ご紹介します。

日中に適度な有酸素運動を行う

1つ目のポイントは、有酸素運動です。ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動は、寝つきを良くして深く長く眠れるようになり、休養感が高まります。成人では中強度の運動が睡眠に効果的ですが、激しい運動をしてしまうと疲労感からかえって睡眠の質が下がるといわれています。ダンベルを用いるような軽めの筋力トレーニング、太極拳、パワーヨガ、ピラティス、掃除機をかけるなど、息が弾み汗をかく程度の運動が中強度の運動に当たります。

寝る1時間以内の激しい運動は眠りを妨げる可能性があるので、就寝2-4時間前までに終わるようにしましょう。年齢などに応じて運動の強度も変わります。詳しくは厚労省:健康づくりのための睡眠ガイド2023 p26「運動、食事等の生活習慣と睡眠について」をご覧ください。

就寝1時間前までに入浴を済ませる

2つ目のポイントは、入浴です。寝る1-2時間前に温かい(40‐42度程度)お風呂に入浴すると、入浴しなかった場合に比べて速やかに入眠できることができます。これは、入浴によって一度上がった体温が低下して入眠が促される効果と、副交感神経が優位となって心身がリラックスするためです。
ただし、お風呂の温度が極端に高いと、交感神経が活発になって眠れなくなる可能性があるので温度には注意しましょう。また、浴室と脱衣所などとの温度差による血圧変動などの「ヒートショック」の危険もあります。お風呂の温度だけでなく、屋内の保温にも注意を向けましょう。

就寝2時間前までに食事を済ませる

3つ目のポイントは食事です。夕食は寝る2時間前までに済ませておくのが、睡眠の質を上げるポイントです。就寝前2時間未満に夕食をとると睡眠障害のリスクが高まり、寝ている間も消化を続けようとするために眠りを妨げ、朝は食欲がないので朝食を摂らないという事にもつながります。朝食を取らないことが1週間続くと、体内時計が乱れると言われています。もし夜遅くに夕食をとるのであれば、できるだけ低脂肪で消化の良いものにするとよいでしょう。夕食を2回に分けてとることができそうであれば、主食(おにぎりなど)を夕方に、遅い時間には軽くおかずなどを摂るようにすると体内時計が乱れにくく、睡眠への影響が比較的少ないと言われています。

なお、夕食の塩分過多、コーヒーやお茶、エナジードリンク等のカフェインを含む飲み物の摂取は、睡眠を妨げるものとなるので注意しましょう。カフェイン飲料は夕方以降は摂らないようにすることをおすすめします。

就寝前のスマホ使用を控える

4つ目のポイントは、就寝前にはスマホの使用を控える事です。睡眠を促すホルモン(メラトニン)の分泌は、日光を浴びてから14~16時間後に始まり就寝の1~2時間前にその分泌量が増えますが、照明やLED・スマホのブルーライトなどの強い光を浴びると、メラトニンの分泌が抑えられ、体内時計が乱れて寝つきが悪くなります。寝つきが気になっている人は、寝室にタブレットやスマホは持ち込まず、持ち込んでも使用せずに眠るようにしましょう。

また、日中に光を多く浴びることで夜間のメラトニン量が増えて、夜間の光の悪影響が減るとしています。寝る前のスマホ使用を控えつつ、朝はしっかりと日光を浴びるように習慣づけましょう。

ホットアイマスクやアロマスプレーなど快眠グッズを活用

5つ目のポイントは、快眠グッズの使用をすることです。睡眠にはリラックスをすることが大切で、特に寝る前1時間くらいは脳の興奮を鎮めるような行動がスムーズな睡眠のポイントになります。ヨガ、アイマスク、アロマ、音楽、瞑想の活用で、自律神経が整ってリラックスしやすくなるので、寝つきの不安がある場合は活用するのがおすすめです。

「なかなか眠れない・・・」そんな時は薬剤師に相談

睡眠についてポイントを解説してきましたが、それでも「眠れない」と悩むときには薬剤師に相談するのもおすすめです。

生活習慣を見直しても改善しない場合は、かかりつけの薬剤師に相談するのも一つの方法

生活習慣を見直し、ポイントをおさえた生活をしても睡眠が改善しない場合は、かかりつけの薬剤師に相談してみてはいかがでしょうか?睡眠や快眠のための生活習慣について知っている薬剤師が、話を詳しく伺ったうえで一人ひとりに合ったアドバイスをすることも可能です。

睡眠改善薬やサプリメントの選び方、飲み合わせについてもアドバイスが受けられる

睡眠改善には、サプリメントや漢方薬、市販の内服薬などを使用する方法もあります。薬剤師には医療機関で処方される睡眠薬についての疑問点も相談できるでしょう。また、普段飲んでいる薬との飲み合わせも気軽に相談できるのが薬剤師です。

薬局の薬剤師に気軽に相談ができる機能を備えたサービスとして、LINEのつながる薬局があります。LINEで友だち登録をするだけでサービスが利用開始でき、睡眠の悩みについてだけでなく、日ごろの健康やお薬の相談ができるので、みなさんの強い味方となってくれます。ぜひ活用してみてはいかがでしょうか?

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