夏バテを防ぐには?効果的な予防法を徹底解説

健康・予防

執筆者・監修者:薬剤師

暑くなってきて「なんだかだるい…」「食欲がわかない」「眠りが浅い」といった悩みはありませんか?
それ、もしかすると夏バテのサインかもしれません。体が思うように動かないと、日常生活にも支障が出てつらいですよね。
この記事では、夏バテの原因や症状をわかりやすく解説し、今日から実践できる効果的な予防法を詳しくご紹介します。夏を元気に乗り切るためのヒントが満載ですので、ぜひ参考にしてください。

夏バテの症状

夏になると、高温多湿の環境に体が適応できなくなり、疲労感や頭痛、食欲不振といったさまざまな症状がでることがあります。これがいわゆる夏バテです。
まずは夏バテの症状について解説します。

だるさ、疲労感

夏バテで最も多く見られる症状が、体のだるさや疲労感です。夏は温度差の大きい屋内と屋外を行き来することにより、自律神経が乱れやすく、体温調節のためにエネルギーを消耗してしまいます。その結果、だるさや疲労感といった症状につながります。朝起きても疲れが取れていない、何をしてもやる気が出ないと感じる方は注意が必要です。

頭痛、めまい、立ちくらみ

屋内と屋外の温度差や過剰な発汗による脱水などが原因で、頭痛やめまい、立ちくらみといった症状が現れることがあります。頭痛は、冷房により体が冷えたり、脱水になったりして血流が悪くなることで起こります。また、発汗によって体内の水分やミネラルが失われると、血圧が低下してめまいや立ちくらみが起こりやすくなります。

頭痛やめまい、立ちくらみの症状は熱中症の初期症状でもあるため、軽く考えずにしっかり対策することが大切です。

食欲不振

暑さによって自律神経が乱れて胃腸の働きが低下すると、食欲不振につながります。また、気温が高い夏場は冷たい飲み物や食べ物を摂取する機会が多く、胃腸が冷えて消化機能が弱まることで食欲がさらに低下します。食欲がないからといって、冷たい麺類など糖質中心の食事になってしまうと、栄養不足によりさらに体力が落ち、夏バテの症状が悪化する場合もあるため注意が必要です。

夏バテの原因

夏バテは自律神経の乱れや発汗異常、睡眠や栄養の不足によって起こります。ここからは夏バテの原因について解説します。

室内外の温度差

猛暑の外と冷房の効いた室内の温度差は、自律神経にとっては大きな負担です。自律神経には、体内の臓器すべての活動を調節する働きがあり、体温を調整する役割も担っています。自律神経が乱れるとだるさや疲労感、頭痛といった不調につながります。特に、外気との温度差が5度以上あると、体にストレスがかかりやすくなるためエアコンの温度調節に注意しましょう。

高温多湿による発汗異常

高温多湿な夏場は、汗の蒸発が不十分になり、体がうまく熱を逃がせず体温調節ができなくなることがあります。大量の汗とともに水分やミネラルが失われると、脱水症状や血流の悪化を招き、めまいや頭痛、全身の倦怠感が生じます。発汗異常が続くと熱中症になる恐れもあるため、早めの対処が大切です。

睡眠不足

暑さで寝苦しい夜が続くと、寝つきが悪くなったり、眠りが浅くなったりして質のよい睡眠がとれません。睡眠によって疲労を回復できないため、疲労が蓄積し、夏バテにつながります。また、睡眠不足が続くと自律神経も乱れやすくなり、夏バテを悪化させる原因となります。

食事の偏り

冷たい飲み物やアイス、そうめんなどのあっさりした食事ばかりを摂っていると、胃腸が冷えて消化機能が落ち、栄養不足に陥りやすくなります。また、胃腸が冷えると下痢をしやすく、脱水につながる場合もあります。暑さで食欲がなくなるとつい偏った食事になりがちですが、夏バテを予防するためにはバランスのとれた食生活を心がけることが大切です。

今日から始められる夏バテ対策法

夏バテは生活習慣や食事を工夫するだけで予防できます。日常生活に取り入れやすい夏バテ対策法を紹介します。

冷房の使い方を工夫

冷房を使いすぎると、体が冷えて自律神経が乱れやすくなります。屋内外の気温差が大きくなりすぎないように室温は25〜28度を目安に設定し、冷風が直接体に当たらないように風向きを調整しましょう。長時間冷房のきいた室内で過ごす場合は、冷え対策としてブランケットや腹巻き、レッグウォーマーなどを活用するのもおすすめです。首や足元など冷えやすい部位を重点的に保温することで、冷えによる不調を防げます。

適度な運動での発汗

暑い夏を元気に乗り切るためには、軽い運動で適度に汗をかくことが大切です。ウォーキングやストレッチなど、無理のない運動を朝や夕方の涼しい時間帯に取り入れましょう。冷房環境に慣れすぎると汗をかく力が衰えてしまいます。こまめに体を動かして汗をかく習慣を取り戻すことで、体温調節機能を改善でき、夏バテ予防につながります。

運動の際は脱水にならないようにこまめな水分補給も心がけましょう。ただ水を飲むだけでなく、汗で失われたミネラルを補うために、麦茶やスポーツドリンク、経口補水液などを適度に取り入れるのがおすすめです。冷たい飲み物を一気に飲むと胃腸に負担がかかるため、常温か少し冷たい程度の飲み物にしましょう。

睡眠の質を高める

暑さで眠れない夜が続くと、疲労がたまり夏バテの原因になります。エアコンのタイマー設定や冷却シート、冷感パジャマなどのアイテムを取り入れて、快適な睡眠環境を整えましょう。睡眠の質を高めるために、寝る前にぬるめのお風呂に入るのもおすすめです。入浴により上昇した深部体温が、少しずつ下がることで眠りに入りやすくなります。

また、就寝前にPCやスマートフォンの使用を控えることも大切です。ブルーライトを浴びる時間を減らすことで、眠気を促すメラトニンの分泌がスムーズになり、深い睡眠につながります。

栄養価の高い食品を摂取

夏バテ予防には、栄養バランスのとれた食事が欠かせません。特に、疲労回復に役立つたんぱく質(肉・魚・卵など)や、糖質をエネルギーに変えるのに必要なビタミンB1(豚肉・ウナギ・玄米など)を意識して取りましょう。
また冷たいものばかり食べていると胃腸が冷えて消化吸収能力が低下するため、十分に栄養を吸収できなくなってしまいます。具だくさんの温かいスープや味噌汁を取り入れることもおすすめです。

夏バテになってしまったら?

夏バテにならないよう注意していても夏バテになってしまうこともあります。最後に夏バテになってしまったときの対処法について解説します。

無理せず休息を取り、体を回復させる

夏バテの症状が出たら、まずは無理をせずしっかりと休息をとることが大切です。体を冷やしすぎず、静かな環境でゆっくりと横になることで、自律神経のバランスが整いやすくなります。無理を続けると、症状が悪化して長引く原因になるので注意しましょう。

栄養補給を意識

食欲がなくても、エネルギーや水分、ミネラルは意識的に補う必要があります。消化の良いおかゆや野菜スープなどを少しずつ食べるようにしましょう。冷たいものを食べ過ぎると胃腸が冷えて消化不良や下痢の原因になってしまうため、常温や温かいものを選ぶのがおすすめです。特にビタミンB群やクエン酸を含む食材(梅干し・レモン・豚肉など)は、疲労回復に役立ちます。

症状が続く場合はかかりつけの医師や薬剤師に相談を

数日休んでも改善しない場合や、吐き気・脱水・めまいがひどいときは、自己判断せず医師や薬剤師に相談しましょう。夏バテと思っていた症状が、実は別の病気のサインが現れている可能性もあります。

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