夏こそ痛風に注意!夏に発作が増える原因と予防法を徹底解説

健康・予防

執筆者・監修者:薬剤師

「夏に痛風発作が増えるのはなぜ?」
「夏の痛風発作につながる生活習慣は?」
「痛風発作の予防方法は?」

こうした疑問を持つ方は多いのではないでしょうか。実は、夏は汗や飲み物、運動習慣の影響で尿酸値が上がりやすく、痛風発作が起こりやすい季節です。当記事では、夏に痛風が増える理由や避けたい習慣、取り入れたい予防法、発作時の対処法について解説します。

正しい知識を身につけ、痛風を悪化させない夏の過ごし方を見つけましょう。

夏に痛風発作が増える理由とは

痛風の原因となる食べ物が多い冬にも注意は必要ですが、夏にも発作が増える傾向があります。発症には気温や水分の影響に加え、夏ならではの生活習慣の変化が関係しています。痛風発作が夏に多い理由について、詳しく見ていきましょう。

汗をかいて体の水分が足りなくなる

夏は気温が高くなることで汗をかきやすくなり、体内の水分が急速に失われます。水分が不足すると尿の量が減少し、体外へ排出されるはずの尿酸が体内にとどまりやすくなりますその結果、尿酸値が高い状態が続き、痛風発作の引き金となる可能性が高まるのです。

加えて、発汗によってナトリウムなどの電解質も失われ、体内のバランスが崩れやすくなるため、熱中症のリスクも重なります。汗による脱水は、夏に痛風が増える大きな要因といえるでしょう。

高温多湿によるビールやジュースの飲みすぎ

夏は高温多湿な環境により喉が渇きやすく、冷たい飲み物の摂取が増加します。とくにビールやジュースを多量に飲むと、以下の理由により痛風のリスクが高まります

 ビール:プリン体による尿酸値の上昇
 清涼飲料水:果糖により尿酸の生成が活性化
 アルコール全般:尿酸の排泄を妨げる作用

このような飲み物の飲みすぎが続くと、体内の尿酸値が慢性的に高まりやすくなります。気温が高い夏はとくに、飲み物の選択が痛風発作に大きく関与するといえるでしょう。

夏の痛風発作を招きやすい生活習慣

暑さの厳しい季節には、日々の行動や習慣が無意識のうちに体へ負担をかけることがあります。とくに夏特有の過ごし方が、痛風発作の引き金となるケースも少なくありません。体に余計な負荷をかけないためにも、注意したい習慣を確認していきましょう。

アルコールの中でもビールは特に注意

アルコールのなかでも、とくにビールは尿酸値を上げやすいため注意が必要です。ビールにはプリン体が多く含まれており、代謝の過程で尿酸が大量に生成されます。また、以下の点にも留意が必要です。

 ビールの一気飲みは尿酸値を急上昇させる要因になる
 アルコールは尿酸の排泄も妨げるため、量を抑えることが重要
 チューハイはプリン体が少ないものもあるが、糖分やアルコール度数に注意

飲酒を完全に控える必要はありませんが、飲む量や頻度、飲む種類に気を配ることが、痛風予防の第一歩といえるでしょう。

痛風に関する飲酒の相談は、薬局・薬剤師にするのがおすすめです。LINEの「つながる薬局」のサービスであれば、友だち登録後にかかりつけ薬局として登録した薬局の薬剤師へLINEで相談ができるため、このサービスをぜひ利用してみてください。

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激しい運動やサウナも発作のきっかけに

夏は発汗量が増えるため、激しい運動やサウナ利用によって体内の水分が失われやすくなります脱水が進むと尿酸の排泄が低下し、痛風発作のリスクが高まるため、以下のようなケースには注意が必要です。

 サウナ後に十分な水分をとらない
 極端な食事制限や急な減量をおこなう
 マラソンのような長時間の運動を継続する

体への負担が大きくなると、尿酸値が上がりやすくなります。夏は適度な運動と水分管理が欠かせません。

夏の痛風発作を予防する生活習慣改善

夏は体調を崩しやすいため、生活習慣を整えることが発作予防の基本となります。痛風発作を遠ざけるための具体的な工夫を確認していきましょう。

水分補給のコツ

夏の痛風予防には、こまめな水分補給が重要です。水分不足になると尿量が減り、尿酸の排泄が滞って体内に蓄積しやすくなります。1日に必要な水分量の目安は、食事からの水分も含めて約2.5リットルとされています。

水分補給時におすすめの飲み物は、以下のとおりです。

 ミネラルウォーター:日常的な水分補給に適している
 麦茶:カフェインを含まず、利尿作用が少ない
 経口補水液:大量の発汗や脱水時に効果的

一方、糖分が多い清涼飲料水やスポーツドリンクは、過剰摂取で尿酸値を上げるおそれがあるため注意が必要です。喉が渇いてからでは遅いため、水分は意識的に補いましょう。

避けたい食べ物と、摂りたい食べ物

痛風の予防には、プリン体の摂取を控えつつ、尿酸値を下げる食品を積極的に取り入れることが効果的です。とくに毎日の食事で意識すべきポイントは、以下のとおりです。

避けたい食品の例
 レバー類(鶏・豚・牛)
 魚卵(いくら・たらこ)
 干物や煮干しなどの乾燥魚介類

積極的に摂りたい食品の例
 牛乳やヨーグルトなどの乳製品
 緑黄色野菜や海藻類
 大豆製品(豆腐・納豆)

プリン体は調理法によっても含有量が変わるため、蒸す・煮るといった方法を選ぶと負担を減らせます日常の選び方ひとつで、痛風リスクを抑えることが可能です。

なお、プリン体を多く含む食べ物を知りたいのであれば、薬局薬剤師に相談するのがおすすめです。LINEの「つながる薬局」のサービスであれば、かかりつけ薬局として登録した薬局の薬剤師へLINEで気軽に相談できるため、ぜひ利用してみてください。

無理のない運動の継続

痛風の予防には、無理のない範囲で運動を継続することが効果的です。過度な負荷をかけると逆効果になるため、体にやさしい動きを心がけましょう。とくにおすすめの運動は、以下のとおりです。

 ウォーキング:1日20〜30分程度、朝夕の涼しい時間帯に実施
 ストレッチ:関節をほぐし、血流を促す効果がある
 水中歩行:関節への負担が少なく、継続しやすい

激しい運動は尿酸値を一時的に上昇させることがあるため、無理のないペースでおこなうことが基本です。日常に適度な運動を取り入れることで、痛風リスクの低減が期待できます。

体重と睡眠の見直し

痛風の予防には、体重管理と十分な睡眠の確保が欠かせません。肥満は尿酸の産生を増やし、排泄を妨げるため、尿酸値が高まりやすくなります。また、睡眠不足はストレスホルモンの分泌を促進し、代謝やホルモンバランスを乱す要因となります。改善のためのポイントは、以下のとおりです。

 BMIを基準に体重の適正値を把握する
 夕食を就寝2〜3時間前までに済ませる
 1日7時間程度の睡眠を安定してとる

肥満や睡眠の乱れは痛風リスクを高めるだけでなく、生活習慣病全体の悪化にもつながります。日々の習慣を見直すことが、痛風発作の予防につながるでしょう。

もし夏に痛風発作が出たら?自宅ですべき対処法

突然の痛風発作が起きたとき、慌てず適切に対応することが悪化を防ぐ上で重要です。とくに夏は発症時の行動によって回復のスピードが左右されることもあります。落ち着いて対応するためのポイントを確認しておきましょう。

まずは冷やして足を休める

痛風発作が起きた直後は、関節の炎症と腫れを抑えるための冷却と安静が重要です。動かすことで痛みが強まるため、患部に負担をかけないよう注意しましょう。初期対応としては、次の方法が有効です。

 氷のうや冷却パックを使い、痛みのある関節を冷やす
 患部は心臓より高い位置に上げ、なるべく動かさず安静を保つ
 無理に歩かず、必要最低限の動作にとどめる

急な発作に慌ててしまいがちですが、冷却と休養を組み合わせることで炎症を落ち着かせやすくなります。早期の対処が回復の早さを左右するため、冷静に対応しましょう。

病院を受診すべきタイミング

痛風発作が疑われる場合、すべてが自宅での対応だけで済むとは限りません。特定の症状がみられた場合には、早めに医療機関を受診することが推奨されます。とくに注意したい目安は、以下のとおりです。

 関節の腫れや痛みが2〜3日たっても改善しない
 発熱や倦怠感が続く、または38度以上の熱を伴う
 痛みが日常生活に支障をきたすほど強くなる

自己判断による放置は症状の悪化や慢性化につながるおそれがあります。適切な診断と治療を受けることで、合併症を防ぎながら回復を早めることが期待できるでしょう。

なお、痛風が疑われる場合の受診目安は、薬局薬剤師へ確認することも可能です。LINEの「つながる薬局」のサービスであれば、かかりつけ薬局登録した薬局薬剤師へLINEで確認できるため、ぜひ利用してみてください。

まとめ

夏は汗や飲酒、生活習慣の変化により尿酸値が上がりやすく、痛風発作のリスクが高まる季節です。ただし、水分補給や食事、運動の工夫で痛風発作の予防につなげられます。また、痛風発作時の対処や受診の目安を知っておくことで、落ち着いて対応できます。

当記事を参考に、夏の痛風対策を日常に取り入れ、発作のない快適な毎日を目指してみてください。

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