高血圧予防に!塩分を控える毎日の食事習慣と継続のポイント

健康・予防

執筆者・監修者:薬剤師

「塩分はどれくらいまで控えるべき?」
「高血圧を予防する食事の工夫は?」
「減塩を無理なく続ける方法が知りたい」

高血圧が気になる方であれば、こうした疑問を抱くことも多いのではないでしょうか。塩分を摂りすぎると、血圧が上昇し、心臓や血管への負担につながります。

当記事では、塩分と高血圧の関係や減塩の基本、食事での工夫、継続のコツ、減塩時の注意点まで網羅的に解説します。最後まで読めば、日々の食生活に活かせる減塩の実践方法が身につくでしょう。

塩分を控える理由とは?高血圧との関係

塩分の摂りすぎは、血圧に影響をおよぼす大きな要因です。高血圧を未然に防ぐには、なぜ塩分が問題になるのかを理解することが必要です。ここでは、塩分と高血圧が関係する体内の仕組みや塩分摂取基準について、詳しく見ていきましょう。

ナトリウムと水分バランスのメカニズム

塩分に含まれるナトリウムは、体内で水分を引き寄せる性質をもちます。血液中のナトリウム濃度が上昇すると、浸透圧の変化により水分が血管内へ移動し、血液量が増加します。これにより血管にかかる圧力が高まり、血圧が上がりやすくなるのです。

また、脳がナトリウム濃度の上昇を感知すると、腎臓での水分再吸収が促進される仕組みも働きます。結果として、体内の水分保持量がさらに増え、血圧の上昇を後押しします。ナトリウムと水分の関係は、血圧管理に直結する重要なポイントです。

1日の推奨摂取量とその理由

日本高血圧学会は、健康維持や高血圧予防のために1日塩分を6g未満に控えることを推奨しています。多くの日本人が上記を超える塩分を摂取しているため、塩分摂取量を控えることで血圧上昇を抑制するメリットが得られるのです。

さらに、塩分を控えることで腎臓や血管への負担も軽減され、結果として心血管疾患のリスクが低下します。
上記のことより、日常的に摂取量を6g未満に抑える生活が理想的といえます。

塩分を控える実践テクニック

高血圧予防には、毎日の食事の塩分を減らす工夫が欠かせません。無理なく続けるには、塩分を控えるコツを知ることが重要です。ここでは、塩分を控える実践しやすい工夫について解説します。

味付けは直前におこなう

塩分を控えるには、味付けの方法を見直すのが有効です。調理中に塩を加えると全体に拡散し、使用量が多くなりがちです。一方、仕上げに振ることで塩分が表面に残り、舌に直接触れるため、少ない量でも十分な味を感じられます。
具体的には、以下の工夫があります。

 火を止めた直後に塩を振る:風味を逃さず味を立たせる
 メイン食材のみに振る:全体量を抑えつつ満足感を得られる

上記のように、狙いをもって塩の使い方を工夫すれば、塩分摂取を抑えつつ満足度も高められます。

外側にだけ味をつけるよう工夫する

塩分を控えるには、食材の表面に塩味を集中させる外塩調理が効果的です。食材表面にだけ味をつけると、少量の塩でも「ひと口目」にしっかり味を感じられます。
具体例として、以下のような工夫が挙げられます。

 食材を薄切りや細長くして表面積を増やす
 火を通した熱いうちに調味料をまんべんなく絡める

上記により、少量の塩で満足感を得やすく、トータルの塩分摂取を減らせます。外塩調理によって減塩を無理なく実践でき、毎日の継続がしやすくなります。

だしや酸味、香辛料で風味をアップする

薄味でも満足感を得るには、旨味や香りを活かした調味料選びが重要です。昆布だしなどの旨味成分が減塩調理でもコクを強化し、酢やレモンによる酸味は塩味を際立たせ、香辛料やハーブの香りが薄味を補います。
具体的には、料理に以下の工夫をするとよいでしょう。

 昆布だしをベースに使う
 最後に酢や柑橘を加える
 胡椒や唐辛子で香りを添える

調味料による風味の足し算が、塩分を控えるには有効な方法です。減塩を自然に継続するには、上記のような豊かな味わいの工夫を取り込むことが重要です。

加工食品や外食で塩分を控える方法

日常生活で塩分を控えるには、加工食品や外食との付き合い方を見直すことも重要です。無意識に塩分を摂りすぎてしまう場面でも、少しの工夫で摂取量を減らせます。ここでは、加工食品や外食で塩分を控える具体的な対策を紹介します。

練り製品や肉加工品の下処理法

練り製品や肉加工品の塩分を減らすには、茹でこぼしが効果的です。ハムやちくわなどは切って熱湯で1分ほど茹で、湯を捨てることで塩分と脂質を削減できます。加えて、水に浸すとさらに外側の塩分や脂肪分が落ち、減らす割合が高まります。

上記のような一手間を料理に取り入れれば、加工されて塩分が多い食べ物でも、健康へ配慮しつつ摂取可能です。普段のメニューに活用するには、茹でこぼしなどの工夫を続けることが大切です。

汁物・麺類のスープ残しテクニック

汁物・麺類でスープを残すと、塩分を大幅にカット可能です。たとえば、ラーメン一杯の塩分は約6gとされており、スープを半分残すだけで塩分を2~3g減らせます。汁物では、具沢山にしてスープ量自体を減らすことも塩分を抑えるのに有効です。

上記の方法により、日常的に摂取する塩分を控えることにつながります。麺や汁物を楽しみながら塩分を減らすには、スープを残す習慣を取り入れるとよいでしょう。

外食時のメニュー選びの工夫

外食時に塩分を控えるには、メニュー選びに細かな配慮が不可欠です。栄養表示がある場合は「塩分量」を確認し、スープ少なめや和風だしベースの料理を選ぶことで塩分摂取を抑えられます。加えて、ソースやドレッシングは別添えにして、自分で量を調整するのが効果的です。

さらに、麺類や汁物ではスープを残す選択をすれば、塩分を減らしつつ料理を楽しめます。上記の工夫により、外食の際も減塩を意識したメニュー選びが可能になるでしょう。

摂取した塩分はカリウム・ミネラルで排出サポート

摂取した塩分は、カリウムやマグネシウムなどのミネラルで排出促進が可能です。カリウムは腎臓でのナトリウム排出を助け、血管の緊張を緩めます。

たとえば、ほうれん草やかぼちゃ、ナッツ類を食事に取り入れると、上記の作用を得られます。また、コーヒーなどに含まれるカフェインには利尿作用があり、取りすぎた塩分排出の助けとなるため、カリウム・ミネラルとともに摂取するのがおすすめです。

ミネラルを含むことで塩分を排出する食べ物や飲み物を積極的に取り入れ、塩分をコントロールするようにしましょう。

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塩分を控える習慣を継続させるコツ

塩分を控える習慣を継続するには、正確な計量と減塩調味料の活用が有効です。小さじや計量スプーンを使い、使う塩分を数値で把握すると、過剰摂取を防ぎやすくなります。また、通常のしょうゆを減塩しょうゆやスプレー式しょうゆに置き換えることで、風味を保ちつつ塩分使用量を30%程度減らすことが可能です。

上記の調味料選びと調理器具の工夫を組み合わせれば、日常の料理でも無理なく減塩を習慣にできるでしょう。継続して塩分を控えるには、目に見える方法を取り入れることが有効です。

塩分を控える際の注意点

塩分を控える際には、過度な制限に注意が必要です。極端な塩分制限は、低ナトリウム血症を引き起こすほか、血液の巡りが悪くなり体に十分な酸素や栄養が届きにくくなる恐れがあります。

また、カリウム摂取を増やしすぎると、腎機能低下や一部の降圧薬使用者に高カリウム血症のリスクが生じる可能性があります。そのため、以下のポイントをおさえて減塩に取り組みましょう。

 日常的な塩分を6g前後に適度に調整
 カリウム豊富な食品は医師や薬剤師と相談しながら摂取

上記の注意点を守ることで、安全かつ効果的な減塩ができるでしょう。健康的な食習慣を支えるには、極端な取り組みではなく、バランスを意識することが重要です。

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まとめ

塩分を控える工夫を日常に取り入れることで、高血圧の予防や心臓に関する疾患リスクの軽減が期待できます。だしや香辛料を活用した調理や、外食時の工夫によって無理なく減塩を継続可能です。また、カリウム・マグネシウムなどのミネラルを含む食品や飲み物の摂取も、体内から塩分を排出するのに有効です。

当記事を参考に、普段の食生活における塩分を見直し、健康的で無理なく続けられる減塩生活を始めてみてください。

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