口内炎や肌荒れ…もしかしてビタミン不足?体のサインと対策法

健康・予防

執筆者:看護師・監修者:薬剤師

「気づくと口内炎ができている」
「最近肌が荒れやすい」

そんなちょっとした不調を感じていませんか?実はその背景には、ビタミン不足が隠れているかもしれません。

ビタミンは、体の調子を整えたり、皮膚や粘膜を守ったりと、日々の健康を支える大切な栄養素。しかし、ストレスや偏った食事、忙しさから不足しやすく、さまざまな症状としてあらわれてしまうことがあります。

この記事では、口内炎や肌荒れなど身近な不調とビタミンとの関係、そして日常生活で実践できる予防・改善のポイントをご紹介します。

ビタミン不足が起こる原因

ビタミン不足と聞くと「食事で足りていないのかな?」と思う方も多いでしょう。確かに食生活の乱れは大きな要因ですが、それだけではありません。日々の生活の中には、ビタミンが不足しやすくなる要因がいくつも潜んでいます。

ここからは、ビタミン不足が起こる主な原因について解説します。

食事の栄養バランスの乱れ

ビタミンの多くは体内でほとんど作れず、食事から摂る必要があります。しかし、食事内容の偏りや栄養バランスに乱れが生じると、日々の食事から摂取できる栄養が偏り、ビタミン不足につながるのです。

たとえば、外食やコンビニ食が中心になると、ビタミン類が豊富な野菜や果物を摂る機会が減ってしまうもの。体内で合成されないビタミンCやビタミンB群といった栄養素が十分に入ってこない状態になってしまいます。

ストレスや生活リズムの乱れ

過度なストレスや睡眠不足は、体内でのビタミン消費量を増やす要因になります。たとえば、ビタミンCはストレスホルモンの合成に使われるため、心身の負担が大きいと、体内のストックが急激に減少してしまうことがあるのです。

また、睡眠不足や就寝・起床時刻のばらつきは、自律神経と体内時計を乱し、胃腸の動きや消化吸収効率を低下させます。結果として「食べているつもりでも栄養が入りにくい」状態に陥りがちに。生活リズムの乱れは、ビタミンの吸収効率を下げ、結果として不足を招きやすくなるため注意が必要です。

偏食・ダイエットによる栄養不足

好き嫌いが多い、極端な糖質制限やカロリー制限を行っていると、必要なビタミンが十分に摂取できなくなります。特に、ビタミンB群や鉄などは日々消費される栄養素なので、継続的に食事から取り入れることが大切です。

さらに、近年は糖質制限や極端なダイエットにより、特定の食品群を意識的に避ける人も増えています。これにより、短期間でエネルギーが減るだけでなく、ビタミンやミネラル不足が長期的に体調不良を引き起こすといったリスクもあるのです。

体のサインとして出やすい症状と対策法

ビタミン不足の背景には複数の要素が関係しています。ここからは、食事の栄養バランスやストレスや生活習慣、偏食やダイエットといった具体的な観点から詳しく見ていきましょう。

口内炎

口内炎は、ビタミンB2・B6不足と関連が深い症状です。これらのビタミンは粘膜を健康に保つ役割を持っているため、不足すると口の中に炎症やただれが起きやすくなります。対策としては、レバーや卵、乳製品などを取り入れると良いでしょう。

また、水分不足や睡眠不足も口内炎を悪化させるため、生活習慣の見直しも必要です。

肌荒れ・ニキビ

栄養不足や肌荒れといった悩みの裏側には、ビタミンB2やビタミンCの不足が隠れていることがあります。ビタミンB2は皮脂の代謝を助け、ビタミンCはコラーゲンの生成を促す役割があり、どちらも肌の健康に欠かせません。

そのため、魚や肉、大豆製品、そして野菜や果物をバランスよく摂ることが、肌荒れ改善の第一歩です。

疲れやすい、集中力が続かない

「最近疲れが抜けない」「仕事や勉強に集中できない」と感じるとき、ビタミンB群の不足が関係していることがあります。特にビタミンB1は、糖質を効率よくエネルギーに変えるために欠かせない栄養素で、不足するとエネルギー産生がうまくいかず疲労感が増してしまうのです。

また、ビタミンB12は赤血球の形成や神経機能を保つ働きがあり、不足すると貧血や神経伝達の不調につながり、集中力や思考力の低下を招くことも。豚肉や玄米、また魚介類に多く含まれるビタミンB群を意識的に取り入れることで、日常的な疲れや集中力のケアにつながります。

目の乾燥や疲れ

ビタミンAは目の健康を守るうえで欠かせない栄養素。ビタミンAが不足すると、夜になると物が見えにくい夜盲症や、ドライアイの原因になることもあります。

そのような症状におすすめなのは、ビタミンAが豊富に含まれるにんじんやほうれん草、レバーなどの食材です。野菜を使った副菜を意識してプラスするとよいでしょう。

ビタミン補給のポイント

「ビタミン不足が心配だから補給しよう!」と、ただビタミンの豊富な食材やサプリメントを摂取するだけでは、上手に吸収されません。ここでは、サプリメントを活用したビタミン補給のポイントや、効率よく摂取するための食事のタイミングについてお話しします。

サプリメントを上手に取り入れるコツ

基本的には食事から必要なビタミンを摂取することが理想ですが、忙しい日々の中ではサプリメントの活用も有効な選択肢のひとつ。ただし、「多く摂れば安心」というものではなく、過剰摂取によって頭痛や胃の不快感など思わぬ不調を招くこともあるため注意が必要です。

そのため、パッケージに記載された推奨量を守り、自分の食生活で不足しがちな栄養素を見極めて取り入れましょう。また、複数のサプリメントを併用する場合は成分が重複していないか注意が必要です。

食べるタイミングや吸収を意識する

実は、ビタミンには脂溶性・水溶性の2種類あり、それぞれ溶けやすい性質が異なります。なかでも、ビタミンA・D・E・Kは脂溶性で、油と一緒に摂ることで吸収率が高まります。一方、ビタミンB群やCは水溶性で体に貯めておけないため、こまめに摂ることがポイントです。

たとえば、朝食に果物を取り入れたり、昼食や夕食には油を使った調理でビタミンAやEを補うなど、日々の工夫が役立ちますよ。

薬局でできること

ビタミン不足による不調を感じても、「病院に行くほどではないけれど、どう対処したらいいのだろう」と迷うことは少なくありません。そんなとき、身近な薬局は頼れるサポート先になります。

薬剤師は体調や生活習慣をふまえて、サプリメントや市販薬の選び方を具体的にアドバイスしてくれる存在です。ここでは、薬局で相談できる内容を詳しく紹介します。

栄養相談・サプリメント選びのサポート

薬局では、薬剤師に日頃の体調や食生活について気軽に相談できます。たとえば「食事だけで補えているのか不安」「肌荒れが気になるけれど、どのサプリを選べばいいのか迷っている」といった身近な悩みにも応じてもらえるでしょう。

また、薬剤師は医薬品だけでなく、栄養素やサプリメントについての知識も持っているため、食事からの摂取と市販製品をどのように組み合わせればよいか、具体的な提案を受けられるのが安心です。

さらに、現在服用しているお薬との相互作用や、ビタミン剤の適切な摂取量についても確認できるため、自己判断で利用するよりリスクを減らせるでしょう。

ビタミン剤やOTC医薬品の提案

市販のビタミン剤や栄養ドリンクは種類が豊富で、パッケージを見ただけではどれが自分に合うのか分かりにくいもの。薬局では、症状や生活習慣、年齢などを踏まえて適した製品を提案してもらえるため、効率よく栄養補給ができますよ。

また、現在服用中の薬との飲み合わせを確認してもらえるのも大きな安心材料です。ビタミン不足による不調を自己流でカバーするのではなく、薬剤師のアドバイスを受けながら適切にケアしていくことが望ましいでしょう。

継続的な体調管理のアドバイス

一時的にサプリメントを取り入れるだけでは、根本的な改善につながりにくいことも。薬局では、お薬手帳や健康管理アプリを活用しながら、日々の体調変化を継続的にチェックすることが可能です。

たとえば「季節の変わり目に口内炎ができやすい」「疲れがたまると肌荒れが悪化する」といったパターンを一緒に振り返り、予防的な栄養補給を提案してもらえるでしょう。

まとめ

ビタミンは体の調子を整えるために欠かせない栄養素ですが、必要量や摂り方はライフスタイルや体調によっても変わります。毎日の食事からバランスよく取り入れることが基本ですが、忙しいときや不足が心配なときにはサプリメントを上手に活用するのも一つの方法です。

さらに、「どんなビタミンを優先すべき?」「市販のサプリはどれを選べばいい?」といった疑問があるときは、専門家に相談してみると安心です。

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