その口の渇き、ドライマウスかも?症状チェックと今日からできる対策

健康・予防

執筆者・監修者:薬剤師

「ドライマウスになる原因は?」
「ドライマウスって放置するとどうなる?」
「ドライマウスに有効な対策は?」

口の乾きを感じる方は、上記のような疑問を抱いているのではないでしょうか。ドライマウスは加齢やストレス、薬の副作用などが関係し、放置すると虫歯や誤嚥性肺炎など全身へ悪影響を及ぼすおそれがあります。

当記事では、ドライマウスの原因からセルフチェック方法、改善につながる生活習慣やセルフケアまで解説します。最後まで読むことで、今日から実践できる口の乾き対策がわかるでしょう。

あなたもドライマウスかも?まずは簡単セルフチェック

体調が変わり、口が渇く・飲み込みにくいと感じることが増えたなら、ドライマウス(口腔乾燥症)という病気の可能性があります。まずは簡単なセルフチェックとして、以下のような症状に当てはまるかご確認ください。

 口やのどの乾燥感が続き、水分を頻繁に求めるようになっている
 食事の際、乾いたものが飲み込みにくく感じたり、味覚の変化を感じることがある
 会話中に口の中がネバネバして話しづらかったり、舌や唇にひび割れ・痛みを感じたりする
 就寝中に口が渇いて目が覚める、あるいは入れ歯があわなくなったと感じることがある

もし上記に当てはまる項目が多ければ、口の渇きが単なる一時的なものではなく、ドライマウスのサインである可能性が高くなります。早めにご自身の口の状態に向き合い、必要に応じて専門医へ相談する一歩にしてみてください。

ドライマウスになる5つの主な原因

口の乾きには、日常の習慣や身体の変化、病気まで、さまざまな要因が関係しています。ドライマウスの背景を理解することは、改善の第一歩です。原因を正しく把握し、自分にあった対策を見つけるためにも、ドライマウスの主な要因を確認していきましょう。

原因1:ストレス・口呼吸などの生活習慣

ストレスや口呼吸といった生活習慣は、ドライマウスを引き起こす代表的な要因です。強いストレスを感じると自律神経のバランスが乱れ、唾液腺の働きが低下して口が乾く状態が続きやすくなります。

睡眠中や日中の口呼吸は、空気が直接口腔内を通ることで唾液の水分が蒸発し、乾燥を助長します。寝起きに口が乾く方は、無意識に口を開けて寝ている可能性が高いです。また、喫煙やアルコール摂取も唾液分泌を抑制しやすく、乾燥を悪化させます。

こうした習慣の積み重ねが、ドライマウスの慢性化を招く要因となります。

原因2:服用しているお薬の副作用

降圧薬や抗ヒスタミン薬など、服用しているお薬の副作用もドライマウスが起こる要因の1つです。たとえば、アレルギー薬は唾液の分泌を減らす作用があり、高血圧のお薬も口の乾きを感じやすくなることがあります。

睡眠薬や抗うつ薬、鎮痛薬なども影響することが知られています。お薬を飲み始めてから口が乾くようになった場合は、自己判断で中止せず、医師や薬剤師に相談することが大切です。

なお、お薬の副作用を確認したい場合には、LINEの「つながる薬局」というサービスの「薬局に相談」という機能を使うと便利です。「つながる薬局」を友だち登録し、お好きな薬局をかかりつけ薬局登録すれば、薬局の薬剤師へLINEで相談ができるため、ぜひご活用ください。

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原因3:加齢や女性ホルモンの変化

加齢による唾液腺の変化や、女性における更年期を機にした女性ホルモンの減少も、ドライマウスの一因です。年齢を重ねることで、唾液をつくる腺組織(せんそしき)が萎縮・脂肪化して唾液の質や量に影響が出ることが報告されています。

また、更年期でエストロゲンが低下すると、唾液腺の分泌機能が抑えられ、口が渇く状況に陥りやすくなります。年齢や更年期の節目においては、唾液の変化を知り、日常のケアを意識することが重要です。

原因4:シェーグレン症候群や糖尿病など病気のサイン

加齢や習慣だけでなく、唾液をつくる腺が働きにくくなる全身の病気が、口が乾く原因となることがあります。たとえば、シェーグレン症候群では免疫の異常で唾液腺が侵され、長引く口腔内の乾燥が起きます。

また、糖尿病では高血糖や唾液腺への神経障害が影響し、唾液分泌量が低下している報告もあるのです。繰り返される口の乾きや不快感がある場合は、単なるドライマウスではなく、病気のサインと捉えて医師に相談することが重要です。

原因5:食生活と咀嚼力(そしゃくりょく)の低下

咀嚼回数の減少も口が渇きやすくなる要因の1つです。具体的には、軟らかい食事へ変わると、 咀嚼回数が減ります。咀嚼回数が減ることで咀嚼による刺激が弱まり、唾液腺への刺激も少なくなります。結果として唾液分泌量が低下し、口腔内の潤いが失われドライマウスが起きる可能性が上がるでしょう。

この悪循環を防ぐために、噛みごたえのある食材を積極的に取り入れて唾液を促す習慣を持つことが大切です。

ドライマウスの放置は危険!虫歯や誤嚥性肺炎など全身への影響

唾液の量が減ると、口腔内の自浄作用が低下して、虫歯や歯周病のリスクが高まり危険です。たとえば、唾液が酸を中和し歯を守る働きを果たすため、分泌が落ちると歯が傷みやすくなります。さらに、唾液が少なくて口腔ケアが行き届かないと、口内の細菌が肺に入り込みやすくなり、誤嚥性肺炎の原因となる可能性もあります。

ドライマウスは、口が渇くだけで終わらず、虫歯・歯周病・誤嚥性肺炎など全身への影響も視野に入れた対応が必要です。

今日からできる!ドライマウスを改善するセルフケア

口の乾きを感じたときは、生活習慣の見直しで改善できる場合があります。唾液は口内を守る大切な働きを持つため、日々のセルフケアが効果的です。日常の中で意識できる対策を知ることで、快適な口腔環境を保ちやすくなります。

ここでは、今日から始められるドライマウス対策について見ていきましょう。

唾液の分泌を促す唾液腺マッサージと口の体操

唾液の分泌を促すには、唾液腺マッサージと口の体操を日常に取り入れることが効果的です。唾液腺を刺激することで、自然な潤いが戻りやすくなります。
主なマッサージの手順は、次のとおりです。

 耳下腺(じかせん):耳たぶの下を指の腹で円を描くように10回ほど優しく押す
 顎下腺(がっかせん):あごの骨の内側をあご先から耳の下に向かってなで上げる
 舌下腺(ぜっかせん):あご先の下で舌の付け根あたりを両手の親指で軽く押す

あわせて、口の筋肉を鍛える「あいうべ体操」もおすすめです。
「あー」「いー」「うー」「べー」と大きく口を動かし、1日3セットを目安に続けることで唾液の分泌を助けます。

食生活で改善!よく噛むことと唾液を増やす食べ物

唾液の分泌を促すには、よく噛む習慣と食材選びが大切です。硬めの食材(根菜・果物・海藻など)を取り入れると、咀嚼によって唾液腺が刺激されやすくなります。酸味のある食品(梅干し・レモン・酢の物など)も唾液を増やす効果が期待できます。

一方で、ドライマウスに悪い食べ物とされる辛味・塩分の強い料理やアルコールは、口内の乾燥を悪化させるおそれがあるため、避けたほうがよいでしょう。バランスの取れた食生活を意識することが、ドライマウス改善の第一歩です。

市販の保湿剤や漢方薬を活用

市販の保湿剤や漢方薬を活用することで、ドライマウスの改善をはかれます。口腔用ジェルや飴タイプの保湿剤は、日常的な潤い補給に役立ちます。たとえば、無糖・アルコールフリーのジェルには唾液に代わる保湿成分が含まれており、数時間有効です。

漢方薬の麦門冬湯(ばくもんどうとう)は、唾液腺の分泌低下による口内乾燥に対し、効果を示した臨床報告があります。補助的にジェル・飴といった簡便な保湿剤を併用しながら、症状が長引くようであれば漢方薬の検討や、医師・薬剤師に相談することが大切です。

なお、漢方薬などのお薬を利用する際は、「つながる薬局」のサービスが便利です。「つながる薬局」であればLINEの友だち登録だけでサービスを利用開始でき、お好きな薬局をかかりつけ薬局登録すると電子お薬手帳としてお薬の記録を残せる機能も使用できるため、ぜひ活用してください。

生活環境を見直して乾燥防止

室内の乾燥を防ぐことは、ドライマウス対策の基本です。とくに就寝時は口呼吸になりやすく、唾液が蒸発して口が渇く原因になります。加湿器を使い湿度を40〜60%に保つことで、口腔やのどの乾燥を防ぎやすくなるでしょう。

また、エアコンの風が直接当たらないよう寝具の位置を工夫することも効果的です。さらに、横向き寝や鼻呼吸を意識することで、夜間の口の乾燥を軽減できます。環境を整えるだけでも症状改善の一助となるでしょう。

セルフケアで改善しないドライマウスは何科へ行くべき?

慢性的に口が渇く症状がセルフケアで改善しない場合には、早めの受診を検討することが重要です。受診先としては、かかりつけ医または歯科医に相談をしてみてください。唾液分泌量の低下や口腔内の異常が疑われる場合には、耳鼻咽喉科を紹介されるケースが多くみられます。

たとえば、唾液腺の機能検査や体の免疫が関係していないかを確認する検査が必要となる場合があります。症状の目安としては、以下のような場合に受診を検討するとよいでしょう。

 水分補給や保湿剤を使っても口渇感が続く
 食事や会話で唾液の少なさを実感する
 あごの下の腫れや痛み、原因不明の口内炎が頻発する

受診時には服用薬や生活習慣の一覧を準備すると、原因解明がスムーズになります。

まとめ

ドライマウスは、生活習慣や加齢、病気などさまざまな原因で起こる身近な症状です。放置すると虫歯や誤嚥性肺炎など全身への影響を及ぼすおそれがあります。日常のセルフケアで多くは改善が見込めるため、唾液腺マッサージや食習慣の見直し、保湿剤の活用を意識することが大切です。

改善がみられない場合は耳鼻咽喉科などの専門医に相談し、早めの対応で口の健康を守りましょう。

なお、ドライマウス対策でお薬を使うなら、「つながる薬局」が便利です。LINEの友だち登録だけでサービスを利用開始でき、お好きな薬局をかかりつけ薬局として登録するとお薬の記録やかかりつけ薬局へのLINE相談ができるため、ぜひ「つながる薬局」をご利用ください。

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