セロトニン習慣で冬を元気に過ごす!幸せホルモンが減る季節の乗り切り方

健康・予防

執筆者・監修者:薬剤師

「冬になると調子が悪い原因は?」
「セロトニンは何の役に立つの?」
「セロトニンを増やすにはどうすればよい?」

気持ちが沈みやすい季節に、理由がわからない不調を感じる方も多いでしょう。冬の不調には、幸せホルモンと呼ばれるセロトニンの減少が関係している場合があります。

当記事では、光の浴び方、リズム運動、食事の工夫といった日常で取り入れやすいセロトニン習慣について解説します。最後まで読めば、自分の力で冬を元気に過ごすヒントが見つかるでしょう。

冬の不調はセロトニン不足が原因かも?危険サインをセルフチェック

セロトニンとは、脳内で働く気分ややる気を調整する神経伝達物質で、心の安定に深く関わっています。冬は日照時間が減る影響で分泌が低下しやすく、うつに似た気分の落ち込みや意欲の低下につながることがあります。

とくに以下のような変化は、セロトニン不足による危険サインの可能性があるため、確認してみてください。

【セルフチェック項目】
 □ 理由なく不安を感じる、怒りっぽくなる
 □ 朝起きられず、日中も眠気が続く
 □ 表情が乏しく、顔つきに元気がなく見える
 □ やる気が続かず、物事への関心が低くなる
 □ 甘い物や炭水化物を過剰に欲する

複数当てはまる場合、セロトニンの働きが弱まっている可能性があります。

なぜ冬はセロトニンが不足する?日照時間と幸せホルモンの関係性

セロトニンは「幸せホルモン」と呼ばれ、気分の安定や睡眠リズムの調整に効果をもたらす神経伝達物質です。冬になると日照時間が短くなり、朝の光刺激が十分に得られないため、脳内でのセロトニン合成が低下しやすくなります。

光刺激が不足すると体内時計が乱れ、自律神経の調整もうまく働かず、気分の落ち込みや意欲低下につながることも。寒さにより屋外での活動量が減少し、運動によるセロトニンの合成促進が起こりにくくなる点も影響します。

上記の要因により、冬はセロトニンが不足しやすい季節といえます。

冬のセロトニンを増やす習慣①:日照不足を補う「太陽」との付き合い方

日照時間が短くなる季節は、光を取り入れるタイミングや量が心の健康に影響を与えます。太陽との付き合い方を少し工夫するだけで、気分の安定やリズムの改善につながる場合があります。ここでは、冬のセロトニンを増やすための光の活用方法について、詳しく見ていきましょう。

朝の日光浴がセロトニン活性化のスイッチ

朝の日光浴は、セロトニン活性化のスイッチとして効果的な方法です。セロトニンの合成には約2,500ルクス以上の光が必要で、屋内照明より自然光のほうが大きな刺激となります。

起床後30分以内に日光を浴びることで、体内時計が整い、脳内でセロトニンが効率よく働き始めます。具体的には、15~30分程度、顔や目に自然光を取り入れるのが目安です。窓際に立つ、ベランダに出るなど無理のない方法でも効果は得られます。

朝の日光浴を習慣化することが、心と体の安定につながるでしょう。

曇りの日や室内でもできる光の浴び方

曇りの日でも屋外の光は屋内照明より明るく、数千ルクスの光量が得られるため、セロトニンの合成に役立ちます。寒さが気になる場合は、短時間でも窓辺に立つ、ベランダに出るだけでも自然光を浴びることが可能です。

室内しか使えない場合は、ガラス越しではなく窓を開けて直接光を浴びる、カーテンを全開にしてできるだけ明るい場所で過ごす工夫が効果的です。また、室内照明だけでは明るさが不足しやすいため、日中は自然光の入る部屋での滞在が推奨されます。

光を取り入れる工夫を意識することが、心と体の安定につながります。

冬のセロトニンを増やす習慣②:寒くてもOK!室内でできる「リズム運動」

寒い季節は屋外で体を動かす機会が減り、心の活力を支えるセロトニンの働きが弱まりやすくなります。室内でも無理なく取り入れられる動きがあれば、気分の安定や自律神経の調整に役立ちます。

ここでは、セロトニンを増やすために日常生活で取り入れやすい方法について、詳しく見ていきましょう。

「リズム運動」がセロトニンに有効な理由

リズム運動とは、一定のテンポで体を繰り返し動かす運動で、セロトニン神経を直接刺激して活性化させる効果があります。代表例はウォーキングや咀嚼で、一定のリズムが脳幹にあるセロトニン神経を刺激し、気分の安定や集中力の維持につながります。

強すぎる運動では逆にストレスホルモンが増えるため、やや息が弾む程度の強度が適切です。呼吸を整えながら20分程度続けることが目安で、無理なく継続できるリズム運動が心身の安定に役立ちます。

室内で実践!「あしふみ運動」と「咀嚼」のすすめ

室内で実践できるリズム運動としておすすめなのが、あしふみ運動と咀嚼運動です。

あしふみ運動は椅子に座ったまま足を小刻みに動かす方法で、1分間に約120回程度のテンポを維持するとセロトニン神経の刺激につながります。買い物袋を持つ時やデスクワーク中でも実践しやすく、血流改善にも役立ちます。

咀嚼運動は、ガムや食事の際に片側で噛まず、左右均等に1口30回程度噛むのがポイントです。規則的なかみ合わせの刺激が脳幹へ伝わり、心の安定につながります。

小さな習慣を意識することで、心身の安定性が高まるでしょう。

冬のセロトニンを育てる習慣③:原料となる「トリプトファン」を摂る食事術

心の安定を支えるセロトニンは体内で作られるため、材料となる栄養素を食べ物から上手に取り入れることが欠かせません。食事内容を少し意識するだけで、冬の気分の落ち込みをやわらげる助けになる場合があります。

ここでは、冬のセロトニンを育てる食材の選び方や組み合わせ方について、詳しく見ていきましょう。

トリプトファンが豊富な食材リスト

セロトニンを増やすには、材料となるトリプトファンを含む食べ物や飲み物を日常的に取り入れることが重要です。トリプトファンは体内で作れないため、食品やサプリで補う必要があります。

トリプトファンが豊富な代表的な食材は、以下のとおりです。

 大豆製品:豆腐、納豆、豆乳、味噌
 乳製品:牛乳、ヨーグルト、チーズ
 肉類:牛肉、鶏むね肉、豚ヒレ肉
 魚類:マグロ、カツオなどの赤身魚
 果物:バナナ、キウイ
 ナッツ類:アーモンド、くるみ
 飲み物:ホットミルク、豆乳

食品からの摂取を基本とし、不足が気になる場合はサプリを活用する方法がおすすめです。

ビタミンB6と炭水化物の食べ合わせも効果的

トリプトファンをセロトニンへ変換するには、補酵素として働くビタミンB6と、吸収を助ける炭水化物を一緒に摂るのが効果的です。

ビタミンB6は鶏肉、マグロ、バナナ、玄米などに含まれ、炭水化物は体内でインスリンを分泌させてトリプトファンを脳に運びやすくします。たとえば「ごはん+鮭」「全粒パン+卵」「バナナ+ヨーグルト」などの組み合わせがおすすめです。

栄養素を単独で摂るより、食べ合わせを意識するほうがセロトニンの合成を効率的に高められます。

なお、食事に関して気軽に相談したいなら、LINEでできる「つながる薬局」がおすすめです。「つながる薬局」であればLINEの友だち登録のみでサービスの利用を始められ、かかりつけ薬局を登録すれば、その薬局へ気軽にLINEで相談できます。

薬局・薬剤師へLINEで気軽に食事の相談をしたい方は、ぜひ「つながる薬局」をご利用ください。

つながる薬局は、薬局への処方箋送信から健康・お薬相談お薬手帳までLINEひとつでご利用いただけるサービスです!
つながる薬局を利用できる薬局はこちら

朝起きられないのはセロトニン不足?睡眠(メラトニン)との関係性

睡眠ホルモンと呼ばれるメラトニンは、日中に分泌されるセロトニンを原料として夜間に合成されます。そのため、朝すっきり起きられない背景にはセロトニン不足が関係する場合があります。

日中に太陽光を浴びる、リズム運動を取り入れるといった刺激でセロトニン神経が活性化し、夜になると自然にメラトニンへ変換される仕組みです。安定した睡眠を支えるには、日中のセロトニン分泌と夜間のメラトニン合成の流れを整える必要があるため、生活習慣を見直してみましょう。

セロトニンと腸活の関係性とは?

セロトニンの原料となるトリプトファンは腸で吸収されるため、腸内環境を整えることは間接的にセロトニンの働きを支える要素です。

腸内細菌のバランスが乱れると栄養素の吸収効率が下がり、トリプトファンが十分に取り込めなくなる可能性があります。整った腸内環境であれば、善玉菌が代謝を助け、セロトニンの材料となる栄養素をスムーズに吸収できます。

腸活は気分の安定や睡眠の質にも影響するため、心と体の健康を支える土台といえるでしょう。

まとめ

冬の不調には、セロトニン不足が関係しやすく、日光の活用、リズム運動、食事による栄養補給が心と体の安定に役立ちます。日常の小さな習慣を意識することで、メラトニンの働きも整い、睡眠の質も向上します。

屋外に出られない日でも、光を取り入れる工夫や室内でできるリズム運動、トリプトファンやビタミンB6を含む食材の組み合わせを意識することが大切です。自分に合ったセロトニン習慣を生活に取り入れ、冬を健やかに乗り切りましょう。

なお、セロトニン習慣に役立つ食事や睡眠に関して気軽に相談したいなら、LINEの「つながる薬局」のサービスがおすすめです。

「つながる薬局」であればLINEの友だち登録のみでサービスの利用を始められ、かかりつけ薬局を登録すれば、その薬局へ気軽にLINEで相談できます。薬局・薬剤師へ気軽に食事や睡眠に関して相談したい方は、ぜひLINEの「つながる薬局」をご利用ください。

つながる薬局は、薬局への処方箋送信から健康・お薬相談お薬手帳までLINEひとつでご利用いただけるサービスです!
つながる薬局を利用できる薬局はこちら

タイトルとURLをコピーしました