冬は、家の中でも暖房がきいていない所で血圧の変動が出てしまうといった悩みはありませんか？
寒さが厳しくなると血圧の変動が起こりやすく、特に持病をお持ちの方や高血圧症の方にとって血圧管理が大変ですよね。健康管理でも重要なポイントとなるのが血圧の管理です。
この記事では冬場に注意したい血圧上昇の理由や、日常生活でできる対策についてご紹介します。
ぜひご参考にしてください！
冬に血圧が上がる理由とは？
冬の血圧上昇には、次のような理由があります。
寒さによる血管の収縮
冬に血圧が上がるのは、寒さから体を守るための生理反応が原因です。寒さによる体温低下を防ぐため、血管を収縮することで血圧が上昇します。外でだけでなく室温が低くても血圧が上昇し、室温が18℃以下で高血圧のリスクが高くなります。10度程度の環境では、年齢に関係なく血圧が上がります。特に高齢女性は寒い環境に弱く血圧が上がりやすくなります。
室内での血圧変化を防ぐため、WHOは室温を18度以上にすることを推奨しています。詳しくは厚生労働省：健康づくりネット「室温と高血圧、睡眠の関係」に掲載されています。参考にしてみてください。
脱衣所などでの急激な温度変化
お風呂と脱衣所や、部屋と廊下やトイレなど、温度差がある場所に行くことで血管が収縮して血圧が上がります。また、急激な温度変化によって、ヒートショックといわれる血圧の急上昇・急降下による意識消失や浴槽内での溺水などが起きるリスクが指摘されています。
運動不足による血流悪化
冬は寒さで外に出るのが辛いなどの理由から、運動不足に陥りやすい傾向です。寒さで血管が収縮すると、血圧が上がるだけでなく血流も低下するのに加え、運動不足による血流低下、運動不足による肥満から間接的に血圧が上がりやすくなります。
新年会や鍋料理などでの塩分摂取機会の増加
冬には血圧に悪影響がある食事習慣が増えて塩分摂取が増えがちです。忘年会・新年会の他、寒いため濃いめの味付けの鍋料理、練り物やアツアツのラーメンやうどん・そばが恋しくなり、スープも飲んでしまって塩分摂取が増えて血圧が上がりやすくなります。
塩分と血圧の関係は、国立循環器病研究センター：減塩食について「なぜ「減塩」が必要なのか？」が次のように説明しています。
摂取塩分量が増えると血液中の塩分（ナトリウム）濃度が上がります。体は水分（尿）が出るのを抑えて血液量を増やし、ナトリウム濃度を薄めて一定にしようとしますが、体内の血液量が増えるため血圧が上昇してしまいます。血圧が高い状態は、心臓・腎臓疾患や脳血管障害などのリスクにもつながるのです。
今日からできる対策とポイント
それでは、寒い冬の血圧管理の対策としてできることをご紹介します。
寒暖差を避ける工夫
室温18度未満や寒暖差によって血圧が上がりやすいため、脱衣所などではヒーターを活用するなど、あらかじめ温めておく工夫をしましょう。火事の不安がある場合は、オイルヒーターや防水のホットマットもおすすめです。脱衣所の場合は、浴室の暖房を入れるときに浴室のドアを開けて脱衣所も一緒に温める方法もおすすめです。
運動を日常に取り入れる
寒さによる血管や心臓への負担を考え、運動は室内でできるストレッチを中心に、ウォーキングなどの軽い運動を日常に取り入れるのがおすすめです。冬は夏よりも基礎代謝が高くなるといわれているので、血流アップだけでなく代謝アップのためにも運動の習慣をつけられるとよいですね。
塩分を控えめに
高血圧予防で重要なのが、食塩の制限です。厚生労働省：高血圧についてでは、日本の1日の食塩量は成人男性で7.5g未満、成人女性で6.5ｇ未満とされ、高血圧患者の場合は1日6g未満を推奨しています。
減塩のためにできる工夫としては、麺類の汁は残す（2-3gの減塩）、出汁や香辛料などで調整するなどがあります。
定期的な血圧測定
日常の血圧管理で重要なのが、毎日の血圧測定です。高血圧は自覚症状がほとんどなく、自分では気づかないので、できれば1日に数回、時間を決めて血圧測定して記録を行うことで健康意識を高められます。
薬局に血圧測定器が設置されている場合は、血圧を測定してその場で健康相談もできるのでおすすめです。自宅で測定するのであれば、上腕型、手首型血圧計があります。正しい測定方法で行なえばどちらでも血圧を正確に測れますが、医師がすすめるのは上腕型で誤差が少ないといわれています。
最近では、スマートウォッチにも血圧計が搭載されているので、目安として活用も可能です。血圧計を販売している薬局もあるので、一度相談されるとよいでしょう。
降圧薬の服薬相談
高血圧をすでに治療中の方は、積極的に薬局を活用するのがおすすめです。薬のことだけでなく、冬に上昇しやすい血圧のことや、これまで紹介した健康管理・対策についても相談に応じてくれます。冬場に多い早朝高血圧についても、測定のタイミングや医師への情報提供を含め、血圧を測定したその場でアドバイスを行っています。
薬局に行くことが難しい場合は、LINEで気軽に薬剤師に健康やお薬の相談できる「つながる薬局」というサービス もありますので、ぜひ冬の血圧管理・健康管理に活用してみてください。
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