「薬局でもらってきた薬ってどうやって保管すればいいの?」
「夏場でも普通に保管しておいて大丈夫なのかな」
こんな悩みを抱えたことはありませんか。薬剤師からお薬の効果や飲み方は説明を受けても、保管方法について聞きそびれたりすることもあるかもしれません。お薬は保管方法を誤ると、効果が損なわれたり安全性に問題が生じることがあります。家庭での保管は、温度、湿度、光などの影響を受けやすく、種類によっては冷蔵庫での保管が必要な場合も。
この記事では、薬剤師の視点から、お薬を正しく保管するための基本ルールや注意点をわかりやすく解説します。お薬の保管方法を知っておきたいという方は、ぜひ参考にしてください。
お薬の保管に関して押さえておきたい基本情報
お薬の効果を最大限に引き出すためには、保管方法が非常に重要です。お薬は繊細な成分でできているため、温度や湿度、光などの外的要因に影響されやすく、不適切な環境で保管すると成分が劣化し、期待される効果が得られない可能性があります。その結果、健康への影響が出たり、思わぬ副作用が発生することもあります。お薬を安全かつ効果的に使用するためには、正しい保管方法を理解し実践しなければなりません。
ここでは、お薬を適切に保管する際に必ず押さえておきたい基本的な情報を、具体的にわかりやすく紹介していきます。これらの情報を知っておくことで、お薬の品質を保ち健康維持に役立てることができるでしょう。
直射日光・高温多湿を避ける
お薬を適切に保管することは、お薬の効果を最大限に引き出すために非常に重要です。直射日光はお薬の成分を分解し、その効果を弱める可能性があります。特に色のついた錠剤や液状の薬は光に敏感な場合が多く、直射日光にさらされることで変色や分解が進むことがあります。
さらに、高温もお薬の保管において注意が必要です。多くのお薬は25℃以下での保管が推奨されており、高い温度では成分が不安定になりやすく、効果が弱まることがあります。湿気もまたお薬に影響を及ぼします。湿気により錠剤が崩れたり、カプセルが溶けたりすることで、正確な服用が難しくなることがあるため、乾燥した場所で保管するようにしましょう。バスルームやキッチンは湿度が高く、温度も不安定になりがちですので、これらの場所での保管は避けるべきです。
使用期限の過ぎたお薬は使用しない
すべてのお薬には、製造元が定めた使用期限があります。この期間は、上記に記載したように適切に保管した場合であれば、お薬の成分が劣化することはなく最大限の効果が得られることを保証しています。使用期限が過ぎたお薬は、成分が分解され効果が期待できなくなるだけでなく、予期しない副作用を引き起こすこともありえます。そのため、使用期限が切れたお薬は服用せず、適切な方法で廃棄することが大切です。
使用期限は多くの場合、外箱やラベルに記載されているため、定期的にチェックする習慣をつけましょう。また、期限が不明の場合は薬局に問い合わせることでわかることもあります。
服薬が終了するまで薬剤情報提供書(お薬の説明書)は保管
お薬を安全に効果的に使用するためには、薬剤情報提供書(お薬の説明書)を保管することが重要です。この説明書には、お薬の用法・用量、副作用の情報、飲み合わせに関する注意点、および日常生活での注意事項が細かく記載されており、服薬中に何らかの問題が発生した場合や疑問が生じた際にすぐに確認できます。また、新たに処方されたお薬との相互作用を確認する際にも役立ちます。
処方されたお薬を飲み終わるまで、または医師の指示があるまで、説明書をしっかり保管しておくことが望ましいです。
お薬の種類別 保管方法
お薬の種類によって、最適な保管方法は異なります。お薬は、それぞれの特性に応じた保管方法を守ることで品質を保ち、効果を最大限に引き出すことができます。ここでは、一般的なお薬の種類ごとに、適切な保管方法を詳しく説明します。
常温で保存が可能なお薬でも、夏場など暑くなる可能性がある場所での保管は避けるようにしましょう。特に車中は、大幅に暑くなるため、お薬の保管場所としては適しません。
粉薬・錠剤
粉薬や錠剤は非常に湿気を吸いやすく、湿度の影響を受けやすい傾向にあります。湿気にさらされると、薬の成分が変質し、効果が失われることがあります。そのため、粉薬や錠剤は、乾燥剤を入れた密閉容器での保管が理想的です。また、湿気や温度の変化が大きい場所、例えば電子レンジの上や冷蔵庫の近くなどでの保管は避けるべきです。これにより、品質を長期間保つことが可能になります。
水薬(シロップ)
水薬は、製品ごとに適した保管温度が異なるため、購入時には薬剤師の保管指示をしっかり確認してください。通常、冷蔵庫での保管が推奨されますが、中には室温保存が可能なものもあります。ただし、開封後は冷蔵庫で保管しておいた方がよいでしょう。
点眼剤
点眼剤は非常に繊細な製品であり、保管方法が製品によって異なります。特に保存温度に注意が必要で、冷蔵保管が必要なものと、室温で保管できるものがあります。
さらに、光に弱い製品もあり、遮光袋に入れて保管することが推奨される場合もあります。開封後はなるべく早く使い切るよう心がけることが重要です。薬の本体に記載されている消費期限は未開封の状態での期限です。開封後は1ヶ月以内に使い切ることが推奨されています。
インスリン製剤・注射剤
インスリン製剤や注射剤は一般的に冷蔵庫で保管するのが基本ですが、凍らせてはいけません。凍結すると薬の効果が保証できないどころか、健康リスクを伴う可能性もあります。冷蔵庫の中でも、温度が低すぎる場所は避け、マニュアルや医療スタッフの指示に従った場所で保管することが求められます。特に冷気の吹き出し口は温度が低くなり、凍結のリスクがあるため十分に注意してください。
坐薬
坐薬には熱に敏感なものもあり、冷所保管が必要なものや部屋の涼しい場所での保管が必要なものがあります。高温にさらされることで形状が崩れ、使用が困難になることを防ぐためです。特に夏場などの高温環境では、溶けてしまうことによって使用できなくなる恐れがあるため、涼しい場所での保管が必須です。
困った時は薬剤師に相談
お薬の保管や使用期限について、不明点がある場合には薬剤師に相談しましょう。薬剤師はお薬の専門家であり、正しい保管方法や使用できなくなったお薬の処分方法についても適切なアドバイスを提供しています。かかりつけの薬局を持っていると、お薬の相談がしやすく正確な情報も得られます。不安や疑問をそのままにせず、信頼のおける薬剤師に相談し、日常の健康管理に役立ててください。お薬に関して困ったことがあれば、いつでも薬剤師に気軽にご相談ください。
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