ジェネリック医薬品ってなに?知っておきたい先発医薬品違いや選び方

お薬

執筆者:看護師・監修者:薬剤師

「ジェネリックに変更しますか?」

薬局でそう聞かれ、どう答えたらよいのか迷ってしまった方もいるのではないでしょうか。厚生労働省によると、2024年10月からの制度変更に伴い、同月のジェネリック医薬品の使用率が全国平均ではじめて9割を超えました。新しい制度では、先発医薬品を選ぶと自己負担額が増えるケースもあり、ジェネリック医薬品への関心が高まっています。

この記事では、ジェネリック医薬品の基本や、よくある不安についてわかりやすく解説します。ジェネリック医薬品の選び方について知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

ジェネリック医薬品とは

ここでは、ジェネリック医薬品について押さえておきたいポイントを解説します。

 先発医薬品と同じ有効成分を使った薬
 国の基準に基づき製造・承認
 効果や安全性は検証済み

ジェネリック医薬品の基礎知識と先発医薬品との違い、また安全性について詳しく説明していきます。

先発医薬品と同じ有効成分を使った薬

ジェネリック医薬品(後発医薬品)とは、先発医薬品と同一の有効成分を同一量含み、効能・効果、用法・用量が原則的に同一の医薬品をいいます。有効成分が同一であるため、治療効果において基本的に大きな差はありません。

たとえば、解熱鎮痛剤や高血圧の薬など、多くの治療分野でジェネリック医薬品が活用されています。名前が違っても、含まれる主要成分が同じであることから、医師や薬剤師の間でも広く認知され処方されている医薬品です。

国の基準に基づき製造・承認

ジェネリック医薬品は、厚生労働省の定める厳しい基準に基づいて製造・承認されます。品質、有効性、安全性についてのデータ提出が義務づけられており、それらをクリアしなければ市場に出ることはできません。また、国のガイドラインに沿った製造工程が確立されており、信頼性のある医薬品として使用されています。

効果や安全性は検証済み

ジェネリック医薬品は、先発医薬品と同じように効くことや、安全に使えることがしっかりと確認されています。たとえば、体の中でどのくらいの速さで溶けるか、どれだけ吸収されるかを比べるなどの試験を経て、一定の基準を満たした医薬品が市場に出荷されるのです。こうした検査をクリアしているため、ジェネリック医薬品でも安心して治療を続けられるでしょう。

価格が安い理由

ジェネリック医薬品と先発医薬品の有効性に基本的な違いがないにもかかわらず、どうして価格が安いのか気になる方もいるでしょう。以下に、ジェネリック医薬品の価格が安い理由をまとめました。

 開発コストが抑えられる
 広告・研究費が少ない

それぞれ詳しく解説します。

開発コストが抑えられる

ジェネリック医薬品の価格が安くなる大きな理由の一つが、開発にかかるコストの違いです。先発医薬品は10年以上かけて新たな成分の研究や臨床試験を行いますが、ジェネリック医薬品はすでに安全性や有効性が確認されている有効成分を使用できるため、開発費を大幅に削減できます。

情報提供活動・研究費が少ない

先発医薬品メーカーは医師への情報提供活動や新薬開発の研究に多額の費用を投じています。一方、ジェネリック医薬品メーカーは情報提供活動や研究費が比較的少なく、その分価格が抑えられています。結果として、患者さんの自己負担も軽くなりやすいのが特徴です。

ジェネリック医薬品を選択するメリット

ジェネリック医薬品には、経済的な負担の軽減をはじめ、治療を無理なく継続しやすくなるなど、様々なメリットがあります。ここでは、日常の医療費や健康管理において、ジェネリック医薬品を選ぶことで得られるメリットについて紹介します。

自己負担が減る

医療費の自己負担を抑えられるのは、ジェネリック医薬品の大きな魅力です。たとえば、同じ成分の薬でも、先発医薬品と比較してジェネリック医薬品は3〜5割ほど安い価格で提供されていることがあります。特に長期間お薬を服用する慢性疾患の患者さんにとっては、大きな節約につながるでしょう。

継続治療がしやすい

お薬の費用が高いと、途中で治療を中断してしまうケースもあります。ジェネリック医薬品であれば、費用の負担が軽くなる分、継続して治療を受けやすくなるでしょう。結果として、症状の安定や再発予防につながり、生活の質の向上にも寄与します。

お薬の選択肢が広がる

先発医薬品の特許が切れると、複数の製薬会社が同じ有効成分を使ったジェネリック医薬品を製造できるようになります。複数社が製造することによって、お薬の形やサイズ、味などに少しずつ違いがあるため、消費者にとっては自分に合ったお薬を選べる可能性が広がるというメリットもあります。

使用上の注意点

ジェネリック医薬品は先発医薬品と同じ有効成分を含んでいますが、見た目や添加物が異なる場合があります。そのため、人によっては戸惑いや体質に合わないケースもあるかもしれません。安心して使うためには、事前に知っておきたい注意点があるため、詳しく解説していきます。

形や色が違って見える場合がある

ジェネリック医薬品は、先発医薬品と同じ有効成分を含みながらも、錠剤の形や色、包装などが異なる場合があります。たとえば、飲み慣れているお薬と見た目が違うと、不安に感じる方もいるかもしれませんが、効果や安全性に問題はありません。変更時には、薬剤師が丁寧に説明してくれるので安心です。

アレルギー反応が稀に出ることがある

有効成分は同じでも、添加物やコーティング剤が異なることがあります。そのため、まれにアレルギー反応が出る場合があります。万が一、ジェネリック医薬品を服用しはじめてから肌がかゆくなる、吐き気がするなどの異変を感じた場合は、すぐに医師や薬剤師に相談しましょう。

よくある質問と不安

ジェネリック医薬品に切り替える際、「本当に効き目は同じ?」「副作用は変わらないの?」といった不安や疑問を持つ方も少なくありません。ここでは、よく寄せられる質問や気になる点について、わかりやすく解説します。

 効き目は本当に同じ?
 副作用は変わらない?
 見分け方は?

ぜひ、ジェネリック医薬品と先発医薬品を比べる際のポイントにしてください。

効き目は本当に同じ?

「ジェネリックは効かないのでは?」という不安を抱く方もいますが、厚生労働省では生物学的同等性試験を義務付けており、先発医薬品と同等の効果が確認されたお薬だけが承認されています。のため、効果や吸収の速さなどにも厳密な基準があり、安心して使用できます。

副作用は変わらない?

基本的には先発医薬品と同様の副作用が報告されていますが、添加物の違いなどにより個人差が出ることもあります。そのため、初めてジェネリック医薬品を使用する際は、体調の変化に注意しましょう。また、気になる症状があれば医師や薬剤師に相談することが大切です。

見分け方は?

ジェネリック医薬品の名称には、たとえば「レバミピド錠100mg「オーツカ」」といったように、医薬品の一般名(有効成分名)+規格+製薬企業名等が書かれていますまた、薬局で「ジェネリックに変更しますか?」と聞かれることも多いため、確認しながら選べるでしょう。あわせて、お薬手帳で過去の服薬履歴も確認すると安心です。

ジェネリック医薬品を選ぶには

ジェネリック医薬品を選ぶ際には、診察時や薬局での相談が重要です。初めてジェネリック医薬品に切り替える場合や不安があるときは、医師や薬剤師に気軽に相談してみましょう。以下にジェネリック医薬品を選ぶ際のポイントをまとめました。

 診察時や薬局で相談
 お薬手帳で変更を確認
 薬剤師に気軽に相談

上記のポイントにあわせ、お薬手帳を活用すれば変更の履歴や注意点も確認しやすくなるのでぜひ参考にしてください。

診察時や薬局で相談

ジェネリック医薬品を希望する場合は、診察時に医師に伝えるか、薬局で薬剤師に相談するのが基本です。処方箋に「変更不可」と記載されていなければ、薬局でジェネリック医薬品に切り替えることが可能です。

お薬手帳で変更を確認

ジェネリック医薬品に変更された場合は、お薬手帳に記録されることで、今後の服薬管理にも役立ちます。通院先が変わった場合でも、過去の服用歴をもとにスムーズに相談できるため、ぜひ活用したいツールです。

薬剤師に気軽に相談

お薬についての不安や疑問があれば、薬剤師に相談するのが安心です。たとえば、「今のお薬をジェネリックに変えたい」「副作用が心配」など、どんなことでも気軽に話せる存在として、ぜひ薬剤師との相談を活用してください。

つながる薬局」のサービスでは、薬局の薬剤師にチャットで相談できる機能や、自宅で服薬指導を受けられるオンライン服薬指導の機能など、便利な機能が揃っています。外出が難しい方や仕事や家事などで忙しい方にとって、ジェネリック医薬品をより安心・安全に利用するための心強い味方となるでしょう。ジェネリック医薬品の選び方について相談したいときは、ぜひつながる薬局のサービスを活用してみてください。

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