執筆者・監修者:薬剤師
「お薬を飲み忘れたことに気づいて慌てた」
「気づけば数日飲んでいなかった」
そんな経験はありませんか?お薬は、決められたタイミングで飲むことがとても大切ですが、忙しい日々の中でつい忘れてしまう人も少なくありません。 今回は、お薬の飲み忘れを防ぐためのちょっとした工夫やアイデアをご紹介します。
お薬の飲み忘れに悩んでいる方や、家族の薬の管理が難しいという方はぜひ参考にしてください。
飲み忘れが起こりやすい理由
お薬の飲み忘れは誰にでも起こりうることです。日常生活の中でお薬を確実に服用することが難しくなる理由には、いくつかのパターンがあります。まずは自分がどのようなケースで飲み忘れが発生しているか把握することが対策の第一歩です。
飲むタイミングにルールが多く、覚えにくい
朝食後・昼食前・就寝前など、お薬によって飲むタイミングは異なります。「食前30分」「食後2時間」などの細かい指示がある場合は特に覚えにくく、複数のお薬を服用している場合はさらに混乱してしまうでしょう。
また、外用薬などで「1日2回」のような指示がある場合には、具体的な時間が決まっていないためうっかり忘れてしまうことがあります。
食後など生活の流れに合わせにくい
不規則な生活習慣の方や、外食が多い方は特に「食後」という指示があると飲み忘れが起きやすくなります。また、出張や旅行などで普段と生活環境が変わると、いつもの服薬リズムが崩れて飲み忘れにつながることもあるでしょう。
食事のタイミングが日によって大きく異なる場合も、服薬時間を把握しにくくなります。
お薬の数が多くて管理が難しい
複数の医療機関から処方されている場合などは、一日に服用する錠数が多くなりがちです。お薬の種類が増えれば増えるほど、「これは飲んだかな?」という不安や混乱が生じやすくなります。特に高齢者や認知機能に不安がある方は、管理がより困難になることがあります。
飲み忘れを防ぐための工夫
お薬の飲み忘れを防ぐには、自分の生活スタイルに合った方法を見つけることが大切です。以下にご紹介する工夫の中から、ご自身に合ったものを取り入れてみてください。継続できる方法を選ぶことがポイントです。
アラームやスマホ通知の活用
スマートフォンのアラーム機能や専用の服薬管理アプリを活用しましょう。単なるアラームよりも、「お薬を飲む時間です」というメッセージと共に通知が来るアプリの方が効果的です。中には服用履歴を記録できるものもあり、「飲んだかどうか」の確認もできます。
スマートウォッチなどのウェアラブルデバイスでも、時間になると振動で知らせてくれる機能があります。
たとえば、LINEの「つながる薬局」というサービスでは、「服用スケジュール」という飲み忘れを防ぐための機能があります。この服用スケジュールに、お薬を飲むタイミングや通知がほしい時間を登録しておくと、LINEに「お薬の時間です」と通知が届きます。
お薬を飲んだ後には「飲んだ」という記録も残せるので、この服用スケジュールを見れば忘れずに飲めたかどうかの確認も簡単にできます。
つながる薬局のサービスをぜひご利用ください。
ピルケースや曜日別ケースを使って見える化
一週間分のお薬を曜日ごとに分けて入れられるピルケースは、お薬の飲み忘れ防止に非常に効果的です。朝・昼・夜と時間帯別に仕切られたタイプを選べば、「今日の朝のお薬はもう飲んだ」ということが一目で分かります。
透明なケースを選べば中身も確認しやすいですし、コンパクトなものを選べば外出時にも持ち運びやすいです。自分の生活スタイルに合ったピルケースを見つけることで、お薬の管理がぐっと楽になるでしょう。
食事や歯磨きなどの習慣と紐づけてルーティン化
毎日必ず行う習慣とお薬の服用を結びつけると、忘れにくくなります。例えば、朝食後のお薬は歯磨きの直前に、夜のお薬は寝る前のスキンケアの後になど、自分のルーティンの中に自然と組み込むことで忘れる確率が下がります。
冷蔵庫や洗面所のミラーに付箋を貼るなど、目につく場所に服薬の合図を置くのも効果的です。新しい習慣が定着するまで、根気よく続けましょう。
服薬カレンダーや記録ノートの活用
カレンダーやノートに服薬の記録をつけることで、「飲んだかどうか」の確認ができます。壁掛けカレンダーに飲んだら印をつける、専用の服薬記録ノートをつける、などの方法があります。
視覚的に確認できるため安心感があり、特に高齢の方には紙の記録が分かりやすいことも多いです。また記録をつけることで、定期的な通院時に医師や薬剤師に正確な服薬状況を伝えられるというメリットもあります。
また、「服薬カレンダー」を使ってお薬を管理することも飲み忘れ防止につながります。服薬カレンダーは、服用タイミングごとに分かれた透明なポケットがついたお薬の収納用品で、飲み忘れや飲み間違いを防ぐことができます。
曜日別・時間帯別に区切られた収納スペースにお薬を事前にセットしておくことで、「いつ」「どの薬を」飲むべきかが一目でわかるのです。複数の種類のお薬を服用している方にとって、飲み忘れや飲み間違いを防ぐ強い味方となり、日々の服薬管理をスムーズにサポートしてくれるでしょう。
家族や同居者と協力する・声かけを頼む
一人暮らしでない場合は、家族や同居者に服薬の声かけをお願いすることも有効です。特に高齢者の場合、身近な人からの声かけは大きなサポートになります。朝ごはんの後に「お薬飲んだ?」という一言で飲み忘れを防げることも多いです。
また、家族がお薬の管理や準備を手伝うことで、負担が軽減されることもあります。一人暮らしの方も、LINEやメールでの服薬確認を友人・知人に依頼するという方法もあります。
薬剤師が提案するサポート例
お薬の専門家である薬剤師は、飲み忘れ防止のためのさまざまなサポートを行っています。LINEなどで気軽に薬剤師に健康・お薬相談ができる薬局も増えています。
飲みやすいタイミングへの変更(医師に相談のうえ)
生活リズムに合わない服用タイミングがあれば、薬剤師に相談してみましょう。例えば「食後3回」が難しい場合、医師と相談のうえで「朝晩2回」への変更が可能なケースもあります。また「食前」指定のお薬も、医学的に問題がなければ「食後」に変更できることもあります。ただし、自己判断での服用時間の変更はやめましょう。
薬剤師から医師へ服用タイミングの調整を提案してもらうことで、より服薬しやすい処方に変わることがあります。
一包化で管理を簡単に
複数のお薬を服用している場合、薬局では「一包化(いっぽうか)」というサービスを提供しています。これは「朝食後」「夕食後」などの服用タイミングごとに必要なお薬を1回分ずつまとめて1つの袋に入れるサービスです。
袋には日付や服用タイミングが印字されるため、「どの薬をいつ飲むか」を考える手間が省け、飲み忘れや飲み間違いを防ぐことができます。特に数が多い場合や高齢者の方には大変便利なサービスです。
薬歴を元にした飲み合わせや用量の再確認
薬局では、「薬歴」というもので患者さんのお薬情報などを記録しています。これにより、複数の医療機関からの処方薬や市販薬との飲み合わせなどを確認できます。薬剤師に服薬状況や飲み忘れの悩みを相談すると、薬歴を確認しながら適切なアドバイスをもらえます。
例えば「この薬とこの薬は一緒に飲んでも大丈夫」「この薬は効果を考えると〇時に飲むのがベスト」など、専門的な視点からのアドバイスが受けられます。
薬の管理が難しいときは相談を
どうしてもお薬の管理が難しいと感じたら、一人で抱え込まずに専門家に相談しましょう。
「飲み忘れてしまう」と素直に伝えてOK
お薬の飲み忘れは多くの人が経験することです。「ちゃんと飲めていないと怒られるかも」と心配せず、医師や薬剤師に正直に伝えましょう。実際の服薬状況を知ることで、より適切な治療方針や服薬指導を受けられます。
例えば「朝の薬だけ飲み忘れが多い」と伝えれば、朝に飲むお薬を減らすなどの調整を検討してもらえることもあります。医療者はあなたの治療をサポートする味方です。困っていることを遠慮なく伝えてください。
処方箋がなくても相談可能な薬局も多数
薬局は処方箋を持っていなくても、お薬や健康に関する相談ができる場所です。多くの薬局では、服薬についての相談を無料で受け付けています。最近ではLINEなどで気軽に薬剤師に相談できるサービスも広がっています。
お薬の飲み方に不安がある、副作用かもしれない症状が出ているといった場合も、薬剤師に相談することで適切なアドバイスが受けられます。薬局は「お薬を買う場所」だけでなく「健康の相談ができる場所」でもあるのです。
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まとめ
お薬の飲み忘れは健康管理において重要な課題です。この記事でご紹介した方法を参考に、ご自身に合った対策を見つけてください。
なお、お薬の飲み忘れについて薬局に相談したいときは、LINEの「つながる薬局」のサービスを利用してみてはいかがでしょうか。友だち登録後にお好きな薬局をかかりつけ薬局として登録すると、薬局の薬剤師にLINEで気軽に相談ができます。あなたの健康をサポートする薬剤師が、きっと力になってくれるでしょう。
また、このサービスには処方箋送信機能や電子お薬手帳の機能もあるので、より便利に薬局を活用できます。つながる薬局のサービスが使えるお近くの薬局は、「つながる薬局検索サイト」で検索可能です。ぜひご利用ください。
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