執筆者:看護師・監修者:薬剤師
「ワクチンの副反応が出た」
「お薬で副作用が起きたかもしれない」
日常の中で、こうした言葉を耳にすることは少なくありません。ただ、副反応と副作用の違いを正確に説明できる人は、意外に多くないのではないでしょうか。
言葉で聞くと心配になりやすいものでも、意味をきちんと知っておくことで、体調変化に直面したときも必要以上に不安にならず、落ち着いて行動しやすくなります。
この記事では、副反応と副作用の違いやそれぞれで注意したい症状、また受診や相談の目安について解説します。ぜひ参考にしてみてくださいね。
副反応とは?
ワクチン接種後の体調変化について、「これって大丈夫?」と感じた経験がある人もいるかもしれません。まずは、副反応の基本的な考え方を整理していきましょう。
主にワクチン接種後にみられる体の反応
副反応とは、主にワクチン接種後に起こる体の反応を指します。ワクチンは、体に病原体の一部や似た成分を入れて免疫をつくるもの。その過程で、一時的に体調の変化が現れることがあります。
たとえば、接種した腕が腫れたり、だるさを感じたりするケース。これらは「ワクチンが体に合わなかった」というより、免疫が働いているサインとして起こることが多い反応といえます。
発熱や倦怠感など、免疫が働く過程で出る一時的な反応
副反応としてよく知られているのが、発熱、倦怠感、頭痛、筋肉痛などです。これらは、体が免疫をつくる過程で生じる炎症反応によるものと考えられています。
接種後1〜2日以内に現れ、数日で自然に軽快することがほとんど。「熱が出た=危険」と思われがちですが、軽度〜中等度の発熱で水分摂取できる状態であれば、一過性の反応として経過をみてみるのもひとつの手段です。
多くは自然に改善する
副反応の特徴は、時間の経過とともに改善するケースが多い点です。安静にする、水分をしっかりとる、必要に応じて解熱鎮痛薬を使用するなどの対応で、症状が和らぐことも少なくありません。
もちろん、症状の程度や持続時間には個人差があります。「いつもよりつらい」「回復している感じがしない」といった場合は、決して我慢せずに医師や薬剤師へ相談することが大切です。
副作用とは?
一方で、「副作用」はワクチンだけでなく、医薬品全般に関係する言葉です。副反応との違いを整理してみましょう。
医薬品の使用によって起こる予期せぬ好ましくない作用
副作用とは、医薬品を使用した際に、本来期待される効果とは別に現れる好ましくない作用のことを指します。
どんなお薬にも、効果と同時に副作用が起こる可能性はゼロではありません。たとえば、痛み止めを飲んだあとに胃がムカムカしたり、抗生物質で下痢が起きたりするケースなど、身近なお薬にも副作用のリスクがあるのです。
副作用の現れ方と代表的な症状
副作用は、体質や体調、お薬の特性によって生じる反応です。同じお薬を使っても、まったく副作用が出ない人もいれば、症状が出やすい人もいます。
たとえば、代表的な症状には、以下のようなものがあります。
● 吐き気、下痢、便秘などの消化器症状
● 眠気、めまい、ふらつき
● 発疹やかゆみなどの皮膚症状
また、過去に副作用が出たお薬がある場合は、その情報を医師や薬剤師に伝えておくことが重要です。
お薬ごとに注意が必要な副作用が存在
副作用の内容は、お薬の種類によって異なります。眠気が出やすいお薬、胃腸症状に注意が必要なお薬、皮膚トラブルが起こりやすいお薬などさまざま。お薬の受取や購入の時に渡される説明書には、代表的な副作用が記載されているので、服薬時には目を通してみるとよいでしょう。
また、「全部読むのは大変」と感じるかもしれませんが、特に注意が必要な症状だけでも確認しておくと安心です。
注意すべき症状と受診の目安
体調変化が起きたとき、「すぐ受診したほうがいいのか」「様子を見ていいのか」は迷いやすいポイントです。まずは副反応の場合を見ていきましょう。
副反応の場合
ワクチン接種後にみられる副反応の多くは、一時的なものです。数日で改善する発熱や倦怠感、接種部位の痛みなどは、体の免疫反応によるものと考えられています。
日常生活がある程度送れており、症状が少しずつでも軽くなっている場合は、無理をせず様子を見てもよいでしょう。
ただし、
● 高熱が続く
● ぐったりして水分がとれない
● 症状が日に日に強くなる
といった場合は、早めに医療機関へ相談することが大切です。
副作用の場合
副作用は、症状の内容によって緊急性が大きく異なります。
たとえば、
● 呼吸が苦しい
● 全身に強い発疹が出る
● 皮膚や白目が黄色くなる(黄疸)
といった症状が現れた場合は、重い副作用の可能性があるため、すぐに医療機関を受診してください。
不安があればすぐにかかりつけ薬剤師や医師に相談
実際に症状が出てきたときに「これが副作用かどうか判断できない」「受診するほどではない気もする」と迷うケースも少なくありません。判断に迷ったときは、かかりつけの薬剤師や医師に相談することが大切です。
薬局では、服用しているお薬の内容や、これまでの経過を踏まえたアドバイスを受けられます。「こんなことで相談していいのかな」と遠慮する必要はありません。早めの相談が、重い症状を防ぐことにもつながりますよ。
副反応と副作用の違いを理解し、症状に応じて相談・受診を
副反応と副作用は、似た言葉でも意味や対応の考え方が異なります。その違いを知っておくことで、体調に変化があったときも、必要以上に不安にならずに行動しやすくなるでしょう。
とはいえ、「これは様子を見ていいのか」「受診したほうがいいのか」と迷う場面もありますよね。そんなときは、一人で判断しようとせず、専門家に相談することが大切です。たとえば、つながる薬局のサービスでは、LINEを使ってお好きな薬局の薬剤師にチャット相談ができる機能があります。
自宅にいながら気軽に相談できる環境があることで、判断に迷う時間や不安を減らすことにつながります。症状に応じた適切な対応を一緒に考えてもらえることで、安心して次の行動を選びやすくなりますよ。
また、このサービスには処方箋送信機能や電子お薬手帳といった機能もあります。ぜひ活用を検討してみてはいかがでしょうか。
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