執筆者・監修者:薬剤師
「解熱鎮痛剤に違いはある?」
「症状別におすすめの解熱鎮痛剤はどれ?」
「解熱鎮痛剤を服用する際の注意点は?」
頭痛や発熱がつらい場面で、市販薬選びに迷う方もいるでしょう。解熱鎮痛剤は成分や剤形によって効き方や注意点が異なり、症状に合った選択が重要です。
当記事では、解熱鎮痛剤の成分の違いや症状や生活シーン別の選び方、服用時の注意点を解説します。最後まで読めば、自身や家族に適した解熱鎮痛剤を選べるようになるでしょう。
解熱鎮痛剤の選び方の基本となる成分の違い
解熱鎮痛剤とは、発熱や痛みに使われるお薬の総称です。成分ごとに作用や注意点が異なるため、症状や年齢、体調に合った種類を理解する必要があります。本章では、解熱鎮痛剤選びの基本となる成分の違いについて解説します。
痛みや炎症を抑えるNSAIDsの特徴
非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)は、痛みや炎症の原因物質を抑えることで、解熱と鎮痛を同時に期待できる成分です。ロキソプロフェンやイブプロフェンを含むNSAIDsは、発熱や痛みを引き起こすプロスタグランジンの産生を阻害します。
炎症反応を伝達する物質の生成を抑えるため、生理痛やのどの腫れで効果を発揮しやすいといえます。
NSAIDsの主な特徴は、以下のとおりです。
● 鎮痛と解熱の作用が比較的速い
● 炎症を伴う痛みに使われることが多い
一方で胃粘膜への刺激といった注意点もあるため、体調や使用目的をふまえた選択が重要です。
胃への負担が少なく子供も使えるアセトアミノフェンの特徴
アセトアミノフェンは、胃への負担が少なく、子供にも使いやすい解熱鎮痛成分です。脳の体温調節中枢に作用して熱を下げるため、胃粘膜を刺激しにくい点が特徴です。カロナールに代表されるお薬は、胃が弱い方や高齢者でも比較的使いやすいでしょう。
アセトアミノフェンを服用する主なメリットは、以下のとおりです。
● 胃腸障害のリスクが低い
● 小児用量が明確に設定されている
インフルエンザ時に第一選択となる理由も安全性の高さにあり、安心感を重視した解熱鎮痛成分といえます。
症状やシーン別!解熱鎮痛薬のおすすめ市販薬と飲み分け方
症状や生活上の場面によって、最適な解熱鎮痛薬は異なります。同じ痛み止めでも成分や剤形、注意点に違いがあるため、どれがいいのか迷う場面は少なくありません。日常生活に無理なく取り入れるための考え方を症状やシーン別に整理し、選択時のポイントを解説します。
つらい頭痛や生理痛には鎮痛効果の高い配合を選択
つらい頭痛や生理痛には、鎮痛作用が明確な成分を配合した市販薬を選択しましょう。イブプロフェンやロキソプロフェン配合薬は、痛みの原因物質を抑え、頭痛のつらさを和らげます。また、カフェインを含む製品は鎮痛作用を補助し、痛みを感じにくくする働きが期待できます。
具体的な選択肢を、以下にまとめました。
● ロキソニンSプレミアム:ロキソプロフェンに加え鎮痛補助成分を含み、強い痛みを抑える
● イブクイック頭痛薬DX:イブプロフェンと鎮痛補助成分配合で、頭痛時のつらさを速やかに抑える
症状の強さと成分の特徴をふまえ、適切な市販薬を選ぶことが大切です。
胃弱体質や空腹時に飲みたい場合の選択肢
胃弱体質や空腹時の服用では、胃への刺激を抑えた市販薬を選びましょう。NSAIDs単独での服用は胃粘膜への負担をかけやすいものの、胃粘膜保護成分が配合された製品は胃への影響を軽減しやすいのが特徴です。
また、アセトアミノフェン単剤は胃粘膜を直接刺激しにくいため、食後だけでなく空腹時でも使いやすいでしょう。
具体的な医薬品例を、以下にまとめました。
● ロキソニンSプラス:鎮痛成分ロキソプロフェンに加え胃粘膜保護成分を配合し、胃への負担を軽減
● バファリンプレミアムDXクイック+:イブプロフェンとアセトアミノフェンに加えて胃粘膜保護成分で胃にやさしい設計
● タイレノールA:アセトアミノフェン単剤で胃刺激が少なく空腹時でも使いやすい
胃への影響を軽減したい場合には、配合成分を確認して適切な市販薬を選択しましょう。
仕事中や運転前に適した眠くなりにくいお薬
仕事中や運転前に服用する場合は、眠くなりにくい成分を配合した解熱鎮痛薬を選びましょう。一部の市販薬に含まれるアリルイソプロピルアセチル尿素などの鎮痛補助成分は、眠気を招く可能性があります。
有効成分が1種類のみの解熱鎮痛薬は鎮痛補助成分を含まないため、集中力を保ちたい場面に向いています。
具体例な医薬品例を、以下にまとめました。
● ロキソニンS:ロキソプロフェンのみ単剤で鎮痛補助成分を含まず、痛みに対する作用を重視
● リングルアイビーα200:イブプロフェンのみ単剤で鎮痛補助成分を含まず、日中の服用を想定した設計
仕事への影響を考慮する場合、眠気が発生するリスクを避けた選択が安心につながります。
錠剤が苦手な人や飲みやすさを重視する場合
錠剤が苦手な場合は、剤形に着目して解熱鎮痛薬を選択しましょう。飲みにくさが原因で服用をためらうと、症状の悪化につながる可能性があります。液体や口腔内で溶けるタイプは、のどを通りやすく服用時の負担を軽減します。
具体的な医薬品例を、以下にまとめました。
● リングルアイビーαシリーズ:液体カプセルで滑らかに飲み込みやすい
● チュアブル錠タイプ:水なしで服用でき、外出先でも使いやすい
服用のしやすさを重視することで、つらい症状に対して無理なく解熱鎮痛剤を服用できます。
自分に最適な解熱鎮痛剤を検討するなら、薬局薬剤師へ相談してみましょう。たとえば、LINEの「つながる薬局」のサービスであれば、友だち追加した後にかかりつけ薬局としてお好きな薬局を登録すると、その薬局の薬剤師に気軽にLINEでの相談が可能になります。
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解熱鎮痛剤を服用する際の注意点
解熱鎮痛剤は身近で使いやすい反面、誤った使い方が体へ負担をかける場合もあります。痛みや発熱が続くと自己判断で服用を重ねがちですが、安全面への配慮も欠かせません。解熱鎮痛剤を安心して服用するために知っておきたい注意点について、詳しく見ていきましょう。
頻繁な服用が引き起こす薬物乱用頭痛のリスク
頭痛薬を頻繁に使い続けると、かえって頭痛が悪化する薬物乱用頭痛を招くおそれがあります。月に10日以上の服用が続くと、痛みを抑える効果が弱まり、脳が痛みに敏感な状態へ変化します。
解熱鎮痛剤の飲みすぎによりお薬の作用が切れるタイミングで反動性の頭痛が起こり、服用回数が増える悪循環に陥りがちです。
解熱鎮痛剤服用の目安として、以下を意識しましょう。
● 頭痛薬は月10日以内に抑える
● 連日使用が続く場合は医療機関への受診を検討
適切な服用回数を守ることが、頭痛悪化を防ぐ第一歩です。
他のお薬との飲み合わせやインフルエンザにかかった際の注意
解熱鎮痛剤は、他のお薬との併用や感染症に感染した際の選択を誤ると、安全性に影響が出るため注意が必要です。総合感冒薬には解熱鎮痛成分が含まれる場合があり、重複服用により副作用リスクが高まります。
インフルエンザ感染時は、ライ症候群(インフルエンザなどのウイルス感染症後にみられることがある、脳や肝臓のまれな障害)の報告がある「アスピリン」などのNSAIDsを避ける必要があります。インフルエンザにかかった際の解熱鎮痛剤服用の判断目安としては、以下を意識すると安心です。
● 風邪薬と鎮痛成分が重複していないか確認
● 発熱や痛みにはアセトアミノフェンを選択
服用する市販薬の成分表示を確認し、状況に合った安全な服用を心がけてください。
飲み合わせに不安を感じるなら、電子お薬手帳に市販薬を記録しておくとよいでしょう。
たとえば、先ほど紹介したLINEの「つながる薬局」のサービスであれば、電子お薬手帳機能も利用できます。
電子お薬手帳に市販薬を記録しておけば、市販薬購入時に薬剤師・登録販売者に飲み合わせをチェックしてもらえるます。ぜひ「つながる薬局」をご活用ください。
解熱鎮痛剤が効かない時の対処法と医師への相談
解熱鎮痛剤を服用しても症状が改善しない場合、自己判断で使い続けることは適切とはいえません。痛みや発熱の背景に別の疾患が隠れている可能性もあり、早めの見極めが重要です。本章では、解熱鎮痛剤が効かない時の対処法と医師への相談のタイミングについて解説します。
漫然とした長期服用を避けて受診すべきタイミング
解熱鎮痛剤が効かない状態で数日間服用を続けている場合は、自己判断をやめて医療機関を受診すべきです。一般的に3〜4日使用しても症状が改善しない場合、背景に別の疾患が隠れている可能性があります。
市販薬では十分な効果が得られないケースでは、服用を続けることで適切な判断が遅れやすくなります。医療機関への受診を考える目安は、以下のとおりです。
● 3~4日服用しても痛みや発熱が変わらない
● 日常生活に支障が出るほど強い痛みがある
早めに原因を確認することが、不要な長期服用を避けるうえで重要です。
高齢者や家族が服用する場合のチェックポイント
高齢者や家族が解熱鎮痛剤を服用する場合は、用量や体調を慎重に確認する必要があります。加齢により代謝機能が低下すると、通常量でも副作用が出やすくなります。腎臓や肝臓の持病がある場合は、成分の影響を受けやすいため事前の相談が欠かせません。
解熱鎮痛剤を高齢者や家族に使用する際に確認したいポイントは、以下のとおりです。
● 年齢や体重に合った用量か
● 基礎疾患や併用薬の有無
● 妊娠中や授乳中に服用可能か
不安がある場合は、医師や薬剤師に相談すると安心です。なお、妊娠中に気をつけたいお薬について詳しく解説している記事もあるため、あわせてご覧ください。
薬剤師が解説!妊娠中に特に注意したい薬とサプリ
まとめ
解熱鎮痛剤は成分や剤形によって特徴が異なり、症状や体調に合った選択が重要です。解熱鎮痛剤は、NSAIDsとアセトアミノフェンで作用や注意点が異なります。強い頭痛や生理痛にはNSAIDs、胃が弱い場合やインフルエンザ時にはアセトアミノフェンが適した選択です。
症状や生活シーンに応じて市販薬を使い分けることで、安全性と効果の両立が図れます。
当記事を参考に、成分・体調・服用状況を整理し、自己判断に偏らない解熱鎮痛剤選びに役立ててください。


