執筆者・監修者:薬剤師
「プール熱ってなに?」
「プール熱は大人にもうつる?」
「プール熱を予防する方法は?」
子どもが発熱し、のどの痛みや目の充血があると、家庭内で取るべき対応に不安を感じる方もいるでしょう。プール熱はアデノウイルスが原因の感染症で、子どもだけでなく大人にも家庭内でうつる可能性があります。
本記事では、プール熱の特徴や主な症状、病院での治療、家庭での看病、出席停止や仕事復帰の目安、家庭内感染の予防策を解説します。
最後まで読めば、プール熱感染時にも家族の体調管理と家庭内感染の予防に必要な行動ができるようになるでしょう。
プール熱とは?
プール熱は、アデノウイルスが原因となって起こる感染症で、正式には咽頭結膜熱と呼ばれます。名前から夏のプールを連想しがちですが、感染経路や流行時期を知ることで家庭内での対応を考えやすくなります。
子どもの感染症という印象がある一方で、家族の体調管理にも関わるため、基礎知識を押さえておくことが大切です。
本章では、プール熱の基本的な知識について確認していきましょう。
プール熱の特徴
プール熱は、アデノウイルスが原因で起こる感染症で、正式には咽頭結膜熱と呼ばれる病気です。プール熱の特徴は、以下にまとめました。
| 項目 | 内容 |
| 主な感染経路 | 飛沫感染、接触感染 |
| 感染の広がり方 | 感染者の咳やくしゃみ、ウイルスが付着した手やタオルなどを介して感染 |
| 注意が必要な場面 | 家庭内、保育園・学校などの集団生活の場 |
| 潜伏期間 | 5〜7日程度 |
| 主な症状 | 発熱、のどの痛み、目の充血(結膜炎) |
かつては夏のプールでうつる印象が強くありましたが、現在は季節を問わず感染するため注意が必要です。
プール熱は大人も感染する?
プール熱は子どもに多いですが、大人にも家庭内の看病やタオルの共用などを通じてうつる可能性がある感染症です。
原因となるアデノウイルスは感染力が強く、感染者の咳や手指に付いたウイルスを介して広がります。大人が感染した場合も、38〜39度台の発熱や強いのどの痛み、目の充血などが出ることがあります。
仕事や家事を続けて休養が遅れると、脱水や体力低下によって症状がつらく感じられる場合もあるでしょう。大人も、プール熱は子どもの感染症と決めつけず、家庭内で発症者が出た段階から予防と体調確認を徹底することが大切です。
プール熱の主な症状
プール熱は、体調の変化に気づくタイミングによって、家庭内での対応や受診判断が変わります。登園・登校・出勤の判断にも関わるため、症状の見方を早めに押さえることが大切です。
本章では、プール熱で注意したい症状について解説します。
代表的な初期症状
プール熱の初期症状は、発熱に加えて、のどや目に症状が重なって現れる点が特徴です。家庭で体調変化を確認しやすいように、主な症状を以下に整理しました。
● 39度前後の発熱の持続
● のどの腫れや痛み、食事や水分摂取のしづらさ
● 目の充血や多量の目やになどの結膜炎のような症状
● 鼻水や咳、のどや目の異常の併発
プール熱では、発熱だけで判断せず、のどと目の変化を合わせた確認が大切です。
大人が感染した場合の症状
大人がプール熱に感染した場合も、発熱やのどの痛み、目の充血などの基本症状は子どもと大きく変わりません。仕事や家事を続けながら悪化に気づくケースもあるため、大人で目立ちやすい特徴を確認しておきましょう。
● 高熱や倦怠感により、仕事や家事を普段どおり続けにくくなる
● 強いのどの痛みで食事や水分摂取が進みにくくなる
● 休養が遅れることで、脱水や体力低下につながるおそれがある
● 目の充血や目やにが強い場合、出勤や外出に支障が出やすい
大人も軽い風邪と決めつけず、高熱や強いのどの痛みが続く場合は早めに医療機関へ受診しましょう。
プール熱の正しい治し方と家庭でできる対処法
プール熱は、原因そのものを短期間で取り除く治療よりも、症状に合わせた対応と安静が重要です。受診の考え方と家庭での過ごし方を知っておくと、悪化や家庭内感染への不安を減らせます。
本章では、プール熱の治し方と自宅での対処法について解説します。
病院での治療
プール熱はアデノウイルスによる感染症ですが、原因となるアデノウイルスを直接抑える特効薬はありません。
病院では症状や周囲の流行状況を確認し、必要に応じて検査方法を選んだうえでプール熱を診断します。治療は熱やのどの痛み、目の症状を和らげる対症療法が基本です。発熱や痛みが強い場合は解熱鎮痛剤、結膜炎の症状が強い場合は目薬などが処方されることがあります。
自己判断で市販薬を使い続けず、医師に相談し症状に合った治療を受けることが重要です。
家庭での看病のポイント
家庭でプール熱を発症した方を看病する際は、発熱だけでなく、のどの痛みで飲食量が落ちやすい点に注意が必要です。
酸味の強い飲み物や熱い食事はしみることがあるため、刺激の少ないものを選びましょう。ゼリーやプリン、冷ましたスープ、麦茶など、のど越しのよい食品を少量ずつ用意します。一度に多く摂取させるより、こまめに摂れるようにし、尿量や顔色も確認しましょう。
家庭での看病では、食べる量より水分確保を優先し、脱水を防ぐ視点を持つことが大切です。
プール熱による出席停止と大人が出社できる目安
プール熱は感染力が強いため、症状が落ち着いたあとも周囲へ広げない対応が欠かせません。保育園や学校、職場へ戻る時期を誤ると、家庭外での感染を広げるきっかけになります。
本章では、プール熱による出席停止と復帰時期の目安を解説します。
子どもの登園・登校目安
プール熱は学校保健安全法施行規則で第二種感染症に分類され、子どもは出席停止の対象になります。
登園・登校の目安は、発熱やのどの痛み、結膜炎などの主要症状が消えてから2日を経過した後です。保育園や幼稚園では、登園時に医師の登園許可証や保護者記入の書類を求められる場合があります。必要な手続きは施設や自治体で異なるため、受診時と保育園・幼稚園への連絡時に確認しておくと安心です。
自己判断で早く登園すると感染拡大につながるため、体調回復と登園許可の条件をそろえて判断しましょう。
大人の仕事復帰のタイミング
大人のプール熱には、学校の出席停止のような法律上の出勤停止期間はありません。ただし、アデノウイルスは感染力が強く、症状が軽くても職場で広がるおそれがあります。
プール熱感染後の仕事復帰は、解熱後2日以上たち、のどの痛みや目の充血などが落ち着いてから検討しましょう。接客、医療、介護、保育など人と近い距離で接する職場では、勤務先の規定や医師の判断も確認してください。
無理な出社は回復を遅らせるだけでなく、周囲への感染リスクを高めるため、体調回復と感染対策を優先しましょう。
プール熱の家庭内感染を防ぐ!効果的な予防策
プール熱は家庭内で広がりやすいため、看病する人だけでなく家族全員で感染対策を続ける必要があります。目に見えないウイルスを意識して、手に触れるものや共有しやすいものの扱いを見直すことが大切です。
本章では、家庭内感染を防ぐために日常で押さえたい予防策を解説します。
プール熱に有効な消毒法
プール熱の原因となるアデノウイルスはアルコール消毒が効きにくく、手洗いと塩素系消毒を組み合わせる必要があります。家庭用の塩素系漂白剤を使う場合は、原液濃度5%なら水2Lに漂白剤20mLを加え、約0.05%の消毒液を作ります。
消毒時は、家族が触れやすい場所を中心に、以下の点を意識して作業しましょう。
● ドアノブ、手すり、テーブルなど発症者が触れやすい場所を拭き取る
● 手袋を着け、消毒液を含ませた布やペーパーで静かに拭く
● 金属部分は腐食を防ぐため、消毒後に水拭きする
● 作業中は換気し、皮膚や目に消毒液が付かないよう注意する
● 作った消毒液は作り置きせず、当日中に使い切る
消毒は一度だけで終わらせず、発症者がよく触れる場所を中心にこまめに続けることが大切です。
洗濯物の正しい分け方と処理方法
プール熱の家庭内感染を防ぐには、兄弟間や親子間でもタオルや食器を共有しないことが基本です。目やにや便が付いた衣類、タオル、寝具は、他の洗濯物と分けて扱う必要があります。
洗濯をする際は、以下のポイントを押さえて対応しましょう。
● 汚れた衣類やタオルを触る前に、使い捨て手袋を着用する
● 目やにや便などの汚れは、周囲に飛び散らないよう静かに落とす
● 素材や色落ちを確認し、可能であれば次亜塩素酸ナトリウムで消毒する
● 塩素系漂白剤が使えない素材は、熱水洗濯や乾燥など別の方法を検討する
● 処理後は手袋を外し、石けんと流水で手洗いを徹底する
洗濯物は見た目の汚れだけで判断せず、ウイルスが付着している前提で分けて扱うことが大切です。
感染時に便利!「つながる薬局」で待ち時間と感染リスクを軽減
子どもがプール熱にかかると、看病や感染対策に追われ、薬局での待ち時間も大きな負担になります。
LINE公式アカウント「つながる薬局」は、LINEから処方箋画像を事前に送信し、お薬の準備を依頼できるサービスです。処方箋画像を事前に送信すれば薬局側で準備が進むため、薬局で待つ時間を短くしやすく、子どもを連れて動く負担を抑えられます。
発熱や目の症状がある時期は、滞在時間を減らすことが二次感染リスクへの配慮にもつながります。
薬局・薬剤師へのお薬相談やお薬手帳の管理もLINEで行えるため、家庭での体調管理を続けやすい点もメリットです。利用できる薬局は地域によって異なるため、事前に対応店舗を確認してから活用しましょう。
つながる薬局は、薬局への処方箋送信から健康・お薬相談、お薬手帳までLINEひとつでご利用いただけるサービスです!
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まとめ
プール熱は、アデノウイルスが原因で起こる感染症で、子どもだけでなく大人にも家庭内でうつる可能性があります。
発熱、のどの痛み、目の充血がみられる場合は、早めに受診し、安静と水分補給を意識することが大切です。また、タオルの共用を避け、消毒や洗濯物の分別を徹底すれば、家庭内感染のリスクを下げられます。
本記事を参考に、出席停止や仕事復帰の目安も確認しながら、プール熱感染時の家族の体調管理と予防対策に役立ててください。
なお、プール熱の受診後にお薬を受け取る方は、LINEで使える「つながる薬局」のサービス利用がおすすめです。
「つながる薬局」であれば、処方箋送信は友だち追加するだけで利用でき、さらに、お好きな薬局をかかりつけ登録すれば薬局・薬剤師へのお薬相談や電子お薬手帳の機能も利用できます。
看病中の待ち時間や感染リスクへの不安を減らしたい方は、ぜひ「つながる薬局」をご活用ください。

執筆者:佐藤 恒一
資格:薬剤師
経歴:総合病院門前薬局、精神科クリニック門前薬局にて勤務。
調剤業務・服薬指導を経験後、薬局チェーン本部のDI(医薬情報)部門に所属し、医薬品情報提供や安全性対応に従事。
医療や健康に関する情報は専門家には当たり前でも、一般の方には難しい場面が多いと感じています。執筆では専門用語をできるだけかみ砕き、読者が理解しやすい内容にすることを心掛けています。最新の医薬品情報や薬物療法の動向にも関心があり、日々情報収集を続けています。




