「電子処方箋って何?」
「電子処方箋を利用するメリットは?」
「紙の処方箋と何が違うの?」
上記のようにお悩みの方も多いのではないでしょうか。
電子処方箋は紙の処方箋をデジタル化したもので、利便性や安全性の向上に役立ちます。当記事では、電子処方箋の基本的な仕組みや利用するメリット・デメリット、対応医療機関や薬局の探し方、具体的な利用方法について解説します。この記事を読めば、電子処方箋を正しく理解し、医療機関や薬局でスムーズに活用する方法がわかるでしょう。
ぜひ最後までお読みください。
電子処方箋とは?
電子処方箋とは、医師が紙の処方箋の代わりにコンピュータを使って作成し、電子的に管理・送信する処方箋のことです。処方箋のデータは患者さんが選択した薬局に共有され、処方箋データに基づいてお薬が準備されます。電子処方箋は、医療機関や薬局の専用ネットワークを通じてオンライン上で管理され、患者さんの個人情報やお薬の記録を電子化して安全に取り扱う仕組みが整えられています。
なお、処方箋の内容は、患者さん自身がマイナポータルを利用することで確認可能です。処方箋はデジタル化されているため持ち運ぶ必要がなく、薬局に直接訪れてマイナ保険証などで受付するだけで、処方箋データを薬局へ渡せます。この仕組みは、全国的に運用が進められ、医療機関や薬局が対応システムを導入することで利用できます。
画像引用元:厚生労働省公式サイト
電子処方箋を利用する3つのメリット
紙の処方箋が電子化された電子処方箋は、医療機関や薬局だけでなく、利用する患者さんにもメリットがあります。ここでは、電子処方箋を患者さんが利用する3つのメリットについて解説します。
お薬の重複や飲み合わせの確認ができる
電子処方箋の利用により、お薬の重複や飲み合わせの確認をより適切に実施してもらえます。電子処方箋であれば、複数の医療機関や薬局で処方・調剤された薬剤情報がオンライン上で一元的に管理されます。医師や薬剤師がお薬情報を参照することに患者さんが同意すれば、一元管理された過去の服薬履歴を容易に参照できるため、お薬の重複や飲み合わせの確認が可能です。
その結果、同じ成分のお薬が重複して処方されるリスクや、飲み合わせの悪いお薬が同時に処方される危険性を未然に防げます。この仕組みにより、患者さんの安全性が向上し、医療の質の向上にも寄与します。
処方箋の紛失リスクを減らせる
電子処方箋の利用により、処方箋の紛失リスクを減らせます。紙の処方箋は、持ち歩く際に紛失や破損の可能性があります。一方、電子処方箋は「電子処方箋管理サービス」というシステムに登録されるため、情報が失われることもありません。これにより、患者さんは処方箋を持ち運ぶ必要がなくなり、紛失の心配が解消されます。
薬局での受付がスムーズになる
電子処方箋の導入により、薬局での受付がスムーズになります。処方箋情報が電子データとして直接薬局に送信されるため、薬局で処方内容をパソコンに手入力する手間が省け、受付やお薬の準備に関する作業が迅速化されるためです。その結果、患者さんの待ち時間が短縮され、薬局の業務効率も向上します。
なお、「つながる薬局」の処方箋送信機能を使えば、電子処方箋でも事前に薬局へ送信できるため、待ち時間の短縮が可能です。薬局でスムーズにお薬を受け取りたい方は、「つながる薬局」の利用を検討してみてください。
つながる薬局がご利用できる薬局はこちら。
紙の処方箋が便利?電子処方箋を利用する3つのデメリット
電子処方箋は複数のメリットがあり便利な一方、デメリットも存在します。ここでは、紙の媒体として発行される処方箋のほうが便利だと感じる、電子処方箋に関する3つのデメリットについて解説します。
利用できる病院や薬局が限られる
電子処方箋は、すべての医療機関や薬局で利用できるわけではありません。2024年11月時点で、全国の医療機関・薬局における電子処方箋の導入率は約20%です。(参照:デジタル庁「電子処方箋の導入状況に関するダッシュボード」)
そのため、電子処方箋を希望しても、対応していない医療機関や薬局では利用できない可能性があります。電子処方箋の利用を検討する際は、事前に対応施設を確認することが重要です。
システム障害や通信トラブルで使えないことがある
電子処方箋は、システム障害や通信トラブルが発生すると利用できなくなる可能性があります。たとえば、2024年12月には医療機関や薬局の設定ミスにより、電子処方箋システムで医師の処方と異なる医薬品名が表示される事例が、7件確認されました。また、通信トラブルが発生すれば、電子処方箋にアクセスできない可能性もあります。このようなトラブルが起こると、処方情報へのアクセスが制限され、患者さんの治療に影響をおよぼす可能性もあるためご注意ください。
もしも薬局でお薬をもらう際、上記のようなトラブルに遭遇しすぐに復旧しそうにない場合には、以下のように対応しましょう。
・医療機関へ紙の処方箋を発行してもらうよう依頼する
・薬剤師から医療機関へ連絡してもらい、FAX・郵送などで処方情報を取得してもらう
どちらの場合も、医療機関に電子処方箋データを消去してもらうよう、あわせて依頼してください。
デジタル機器に不慣れな人には使いづらい
電子処方箋は、デジタル機器に不慣れな人にとって使いづらいと感じることがあるでしょう。高齢者の中にはスマートフォンやインターネットの操作に慣れていない方も多く、電子処方箋の仕組みを理解し、適切に利用するのが難しい場合もあります。そのため、電子処方箋の利用には、患者さん側のデジタルリテラシー向上も求められます。しかし、電子処方箋の利用自体に複雑な操作はなく使い慣れることも可能なため、まずは使ってみることが重要です。
電子処方箋が利用できる医療機関・薬局の探し方
電子処方箋はすべての医療機関・薬局で利用できるわけではないため、電子処方箋を利用したい場合には事前に対応施設を調べておくことが重要です。電子処方箋の対応病院・薬局は、以下の厚生労働省のサイトにリストとして掲載されているので、調べてから利用しましょう。
厚生労働省公式サイト「電子処方せん対応の医療機関・薬局についてのお知らせ」
なお、電子処方箋を導入・運用している施設数は、以下表のとおりです。
施設区分 | 運用開始施設数 |
病院 | 306 |
医科診療所 | 7,935 |
歯科診療所 | 973 |
薬局 | 37,833 |
※参照:厚生労働省公式サイト「電子処方せん対応の医療機関・薬局についてのお知らせ」
※2025年1月5日時点のデータです
「つながる薬局」であれば、処方箋送信時に電子処方箋対応薬局かがわかります。電子処方箋と処方箋事前送信を活用し、お薬をスムーズに受け取りたい方は、「つながる薬局」の利用を検討してみてください。
電子処方箋の利用方法|医療機関での受け取り方・薬局での使い方
電子処方箋を利用してみたいが、どのように利用すればよいかわからない方もいるのではないでしょうか?ここでは、医療機関で電子処方箋を受け取る方法、薬局で使う方法について解説します。電子処方箋を受け取ってからお薬をもらうまでの流れを把握し、スムーズなお薬の受け取りにお役立てください。
医療機関での受け取り方
医療機関で電子処方箋を受け取る手順は、以下のとおりです。
1.電子処方箋対応の医療機関を探す
対応医療機関は、厚生労働省公式サイト「電子処方せん対応の医療機関・薬局についてのお知らせ」から探せます。
2.顔認証付きカードリーダーで本人確認する
マイナンバーカードを置き、顔認証または暗証番号で認証します。
3.顔認証付きカードリーダーの画面表示に従い操作する
顔認証付きカードリーダーで以下の操作をおこないます。
・過去のお薬情報の提供に関する同意・不同意を選択
※適切な医療を受けるためにも、「同意」を選択するのがおすすめ
・処方箋発行方法として「電子処方箋」を選択
4.診察・会計を終了する
診察時に医師へ電子処方箋を希望すると伝えると確実です。
会計後は「処方内容(控え)」を受け取りましょう。
処方内容(控え)とは、処方内容を患者さんが確認するために発行される書類です。また、マイナンバーカードがなくても、資格確認書・健康保険証と処方内容(控え)に記載のある6桁の引き換え番号があれば、電子処方箋を利用できます。
薬局での使い方|薬局店頭で使う場合
電子処方箋を取得したら、薬局でお薬をもらいます。薬局店頭における電子処方箋を使う手順は、以下のとおりです。
1.電子処方箋対応の薬局を探す
対応薬局は、厚生労働省公式サイト「電子処方せん対応の医療機関・薬局についてのお知らせ」から探せます。
2.顔認証付きカードリーダーで本人確認する
マイナンバーカードを置き、顔認証または暗証番号で認証します。
3.顔認証付きカードリーダーの画面表示に従い操作する
顔認証付きカードリーダーで以下の操作をおこないます。
・過去のお薬情報の提供に関する同意・不同意を選択
※適切な医療を受けるためにも、「同意」を選択するのがおすすめ
・調剤してもらう電子処方箋を選択
4.調剤されたお薬を受け取り会計する
マイナンバーカードがなくても、資格確認書・健康保険証と処方内容(控え)があれば、電子処方箋を利用可能です。
薬局での使い方|薬局へ事前送信する場合
医療機関で発行された電子処方箋は、薬局店頭で手続きするだけでなく、事前送信してお薬を準備してもらうことも可能です。事前送信する方法は、処方内容(控え)をFAXやアプリなどで送信するのみです。アプリの場合、処方内容(控え)を画像として送信するものや、処方内容(控え)に記載された6桁の引き換え番号のみ伝えるものがあります。
「つながる薬局」でも、処方内容(控え)を画像として事前送信し、薬局到着前にお薬を準備してもらうことが可能です。電子処方箋を利用してスムーズにお薬を受け取りたい方は、「つながる薬局」の利用を検討してみてください。
まとめ
電子処方箋は、医師の処方をデジタル化して安全かつ効率的に管理できる仕組みです。患者さんは利用することで、お薬の重複防止や紛失リスクの減少、薬局での受付がスムーズになるなどのメリットが得られます。一方で、利用可能な医療機関や薬局が限られる点や、デジタル機器に不慣れな人にとって使いづらいといった課題もあります。当記事を参考に電子処方箋を活用して、安全かつ効率的にお薬を受け取りましょう。
なお、「つながる薬局」であれば、電子処方箋の事前送信にも対応しているため、スムーズにお薬を受け取りたい方は活用してみてください。
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