テレワークで増える目の不調。眼精疲労改善のためのセルフケアと薬剤師からのアドバイス

健康・予防

執筆者・監修者:薬剤師

近年、テレワークで仕事をされる方も増え、それに伴って目のかすみ・乾燥・目の奥の痛みといった眼精疲労に困っている方も増えているのではないでしょうか。

「在宅勤務を始めてから目の疲れがひどくなった気がする…」
「目薬を使ってもなかなか改善しないけれど大丈夫?」
と感じている方もいらっしゃるかもしれません。

長時間のディスプレイ作業は、まばたきの減少やピント調節筋の緊張を招き、気づかないうちに目に大きな負担をかけてしまいます。

本記事では、テレワークで眼精疲労になりやすい理由から、自宅でできるセルフケア・医療機関受診の目安・薬剤師がすすめる医薬品の選び方などをお伝えします。目の疲れが気になる方はぜひ参考にしてください。

テレワークで眼精疲労になりやすい理由

テレワークでは、オフィス勤務とは違った環境要因が目の負担を増やしています。まずは、なぜテレワーク中に眼精疲労が起こりやすいのか、その主な原因を見ていきましょう。

長時間のディスプレイ作業でまばたきが減少

パソコンやスマートフォンの画面を集中して見続けると、無意識のうちにまばたきの回数が減ってしまいます。通常、1分間に15〜20回程度行われるまばたきが、ディスプレイ作業中には3分の1ほどに減少するともいわれています。

まばたきが減ると涙の蒸発が進み、目の表面が乾燥して異物感やゴロゴロとした不快感が生じやすくなります。この状態が続くと、ドライアイを引き起こし、目のかすみや疲れの原因にもつながります。

近距離作業の持続による毛様体筋の緊張

パソコンやスマートフォンなどの近距離作業を続けていると、ピント調節を担う「毛様体筋(もうようたいきん)」が緊張し続けます。この筋肉が休まる間もなく働き続けることで、目の奥の痛みやかすみ、ピントが合いにくいといった症状が出やすくなるのです。

特にテレワークでは、休憩を取らずに長時間作業に没頭しがちなため、毛様体筋の疲労が蓄積しやすい傾向があります。

自宅環境による照明や姿勢の問題

自宅の作業環境は、オフィスと比べて照明や机・椅子の配置が最適化されていないことも少なくありません。照明が暗すぎたり、窓からの逆光で画面が見づらかったりすると、目はより強くピントを合わせようとして負担が増します。

また、ソファやダイニングテーブルでの作業など、姿勢が崩れやすい環境では、首や肩のこりも併発しやすく、目の疲労が慢性化する原因になります。

眼精疲労改善のためにできるセルフケア

眼精疲労を和らげるには、日常生活の中で実践できる小さな工夫の積み重ねが大切です。ここでは、自宅でも気軽に取り入れられるセルフケアの方法をご紹介します。

20分ごとの休憩と遠方注視

眼精疲労対策として知られているのが「20-20-20ルール」です。20分間作業をしたら、20秒以上、約6メートル(20フィート)以上離れた遠くを見るというシンプルな方法です。

遠くを見ることで毛様体筋の緊張が和らぎ、ピント調節機能の負担をリセットできます。タイマーやアプリを活用して、意識的に休憩を取り入れましょう。

意識的なまばたきと加湿対策

ディスプレイ作業中は、意識してまばたきを増やすことが目の乾燥防止に効果的です。また、エアコンの効いた室内では空気が乾燥しやすいため、加湿器を使ったり、こまめに換気をしたりして、室内湿度を40〜60%程度に保つよう心がけましょう。

エアコンの風が直接顔に当たらないよう、風向きを調整することも忘れずに。

温罨法(おんあんぽう)による血流改善

蒸しタオルや市販の温熱アイマスクでまぶたを温める「温罨法」も、眼精疲労に効果的なケアの一つです。まぶたの周りには細かい血管や筋肉が集中しており、温めることで血流が促進され、こり固まった筋肉がほぐれます。

1日1回、5〜10分程度を目安に、就寝前のリラックスタイムに取り入れるのがおすすめです。

眼精疲労で医療機関を受診したほうがよい場合

セルフケアで改善しない目の不調は、別の疾患が隠れている可能性もあります。次のような症状がある場合は、早めに眼科を受診しましょう。

休んでも目の症状が回復しにくい

一晩しっかり休んでも目の疲れが取れない、数日経っても症状が改善しない場合は、単なる「疲れ目」ではなく「眼精疲労」や別の眼疾患の可能性があります。慢性的な不調を放置せず、早めに専門医に相談することが大切です。

目の症状だけでなく全身症状がある

目のかすみ・充血・乾燥に加え、頭痛・肩こり・吐き気・倦怠感などが続く場合は、眼精疲労が全身に影響を及ぼしているサインです。これらの全身症状は、目の問題だけでなく自律神経の乱れにもつながるため、早めの対処が必要です。

眩しさや痛み

光がいつもより眩しく感じる、目の奥に強い痛みがある場合は注意が必要です。緑内障やぶどう膜炎など、急激な視力低下を引き起こす疾患の可能性もあるため、すぐに眼科を受診しましょう。

薬剤師がおすすめする眼精疲労によい医薬品

眼精疲労の症状や原因に合わせて、適切な市販薬や内服薬を選ぶことで、症状の緩和が期待できます。ここでは薬剤師の視点から、代表的な医薬品をご紹介します。

人工涙液

目の乾燥が主な原因の場合、涙の成分に近い「人工涙液」タイプの点眼薬が有効です。防腐剤フリーのタイプもあり、コンタクトレンズ装用中の方や頻繁に使用したい方にも安心です。

ヒアルロン酸点眼薬

ヒアルロン酸は水分保持力に優れており、目の表面に潤いを長くとどめてくれます。ドライアイによる目のかすみや不快感が気になる方におすすめです。

ビタミンB群配合点眼薬

ビタミンB12(シアノコバラミン)やビタミンB6は、ピント調節機能をサポートし、毛様体筋の疲労回復に役立つ成分です。デスクワークによる目の疲れに広く使用されています。

タウリン配合製剤

タウリンは目の組織の代謝を促し、疲労回復をサポートする成分です。点眼薬だけでなく、内服薬としても多く配合されています。

内服薬や漢方薬

ビタミンB1・B6・B12やビタミンEを含む内服薬は、体の内側から目の疲労回復を助けます。また、目の不調に用いられる漢方薬もあります。体質や症状に合わせて、薬剤師に相談しながら選びましょう。

テレワーク時代の薬局活用のすすめ

テレワーク中の目の不調は、放置せず早めに対処することが何より大切です。最近では、忙しい方でも気軽に薬剤師に相談できる便利なサービスも登場しています。

目の不調は我慢せず早めに薬剤師に相談しよう

目のかすみや乾燥といった軽い症状でも、自己判断で放置すると慢性化したり、重症化したりする恐れがあります。症状が軽い段階から薬剤師に相談することで、適切なセルフケアや市販薬を選ぶことができ、症状の悪化を防ぎやすくなります。

薬剤師に相談する際、LINE公式アカウント「つながる薬局」のサービスを使えば、お好きな薬局をかかりつけ薬局登録することで、わざわざ薬局に行かなくてもLINEから薬局の薬剤師に気軽に健康・お薬相談ができます。「目の疲れに合う市販薬を知りたい」「持病があるけど点眼薬を使えるか不安」といった疑問も、自宅にいながら相談できるので、テレワーク中の方にも便利です。

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処方薬と市販薬を使い分けよう

眼精疲労の症状には、処方薬と市販薬の両方が活用できます。市販薬は手軽に購入できる反面、症状によっては処方薬のほうが適している場合もあります。

大切なのは、自己判断で選ぶのではなく、薬剤師と一緒に成分や効果の違いを理解し、自分の症状に合ったお薬を選ぶことです。重複服用や副作用のリスクも避けられ、より安全に効果的なケアができます。

眼科で処方された点眼薬の使い方や保管方法に不安がある場合も「つながる薬局」のサービスを使って、薬剤師に気軽に相談することができます。

また、「つながる薬局」には、処方されたお薬を受け取る際にLINEから処方箋の情報を事前送信できる「処方箋送信機能」があります。この機能を利用すれば、薬局での待ち時間を大幅に短縮できます。テレワークの合間や忙しい毎日でも、スマートに薬局を活用しましょう。

オンライン服薬指導も活用しよう

テレワークで薬局に直接処方箋を持っていくことが難しい場合は、オンライン服薬指導の活用がおすすめです。仕事の合間でも自宅から薬剤師に、症状や使用中のお薬について相談できますし、適切なセルフケアや次の受診目安を確認することもできます。

LINE公式アカウント「つながる薬局」のサービスを使えば、ビデオ通話でオンライン服薬指導を受けることができ、オンライン決済や配送に対応している薬局もあります。

このサービスに対応している薬局はつながる薬局検索サイトからお探しいただけます。テレワークで忙しい毎日の中でも、目のケアをスマートに行うための心強い味方として、ぜひご活用ください。

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下田 篤男

執筆者:下田 篤男

資格:薬剤師

経歴:京都大学薬学部総合薬学科卒業。 卒業後は薬剤師として調剤薬局やドラッグストアグループで薬剤師として勤務。 総合病院門前などで管理薬剤師として経験を積んだのち、マネジメント業務にも携わる。現在は医療機関で薬剤師として働く傍ら、医療記事の執筆、編集や薬局経営コンサルタントなどをおこなっている。

薬剤師としての現場経験をベースに、医療記事の執筆・編集や薬局経営コンサルタントなど多方面で活動しています。執筆では「難しい医療情報を、日常の言葉でわかりやすく届ける」ことを信条にしています。薬局の窓口で患者さまからいただく素朴な疑問が、記事づくりの大きなヒントになっています。

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