執筆者・監修者:薬剤師
夏場や運動後に、「首やわきの下が赤くてかゆい」と悩んでいませんか?
そのかゆみは「あせも」ではなく、自分の汗の成分が刺激となって起こる「汗かぶれ」かもしれません 。
特に仕事や家事、子育てなどで忙しい30代〜50代は、肌のバリア機能が低下しやすい傾向があります。また、ご自身だけでなくお子様の肌トラブルに悩まされる方も少なくありません。
この記事では、汗かぶれが起こる原因やあせもとの違い、効果的な市販薬の選び方から日々の対策まで詳しく解説します 。 また、忙しくてなかなか病院に行けない、子連れでの薬局の待ち時間が大変という方に向けて、時間を有効活用できるスマートなお薬の受け取り方もご紹介します。
そのかゆみ、「汗かぶれ」かも?あせもとの違いと見分け方
汗をかいたあと、肌に赤みやかゆみが現れると「あせもができた」と考える方も多いでしょう。しかし、汗が原因の肌トラブルには、あせものほかに「汗かぶれ」もあります。
汗かぶれとあせもは見た目が似ていますが、症状が起こる仕組みは異なります。適切にケアするためにも、それぞれの特徴を知っておきましょう。
汗かぶれは「接触皮膚炎」の一種
汗かぶれとは、汗に含まれる塩分やアンモニアなどの成分が皮膚を刺激することで引き起こされる肌トラブルで、接触皮膚炎の一種と考えられます。汗をかくたびに皮膚が刺激されて、ピリピリ・チクチクとした痛みを感じることもあります。
汗かぶれは、汗が皮膚の表面に触れることで炎症が起こるため、赤みが比較的広い範囲に現れやすいのが特徴です。もともと敏感肌の方や皮膚のバリア機能が低下している方は、特に症状が出やすい傾向があります。
一方、あせもは大量の汗によって、汗の通り道が詰まることで起こる疾患です。通り道が詰まって行き場をなくした汗が皮膚の中にたまり、炎症を起こすことで、小さな赤いブツブツやかゆみが現れます。
【比較表】症状と見た目の違いをチェック
下記の表に汗かぶれとあせもの違いをまとめました。
| 汗かぶれ | あせも | |
| 原因 | 汗に含まれる塩分やアンモニアが刺激になって起こる | 汗の通り道(汗管)が詰まることで起こる |
| 見た目 | 皮膚の表面に面状に症状が広がっている | 赤いブツブツが点状に現れる |
| おもな症状 | 強いかゆみ、皮膚の赤み | かゆみ、刺すような痛み |
汗かぶれ、あせもの両方ともかゆみを伴いますが、汗かぶれでは炎症が広い範囲に及ぶことがあり、かゆみが強くなる傾向があります。かき壊した傷口から細菌が入り込み、とびひになる場合も少なくありません。
また、両方の症状が混在して見分けにくいケースもあります。
汗かぶれであっても、あせもであっても、かき壊してしまって症状が悪化すると治りにくくなってしまうため、かゆみがひどくて我慢できない場合は早めに医療機関を受診するようにしましょう。
あせもについては、「夏本番前に押さえておきたい、赤ちゃん・子どものあせも対策」でも詳しく解説していますので、あわせて参考にしてください。
汗かぶれを引き起こす原因と出やすい部位
汗かぶれの原因は、単に汗をたくさんかくことだけではありません。肌の状態や衣類との摩擦など、さまざまな要因が重なることで起こります。
ここでは、汗かぶれが起こる主な原因と、症状が現れやすい部位について解説します。
肌のバリア機能の低下と衣類の摩擦
汗かぶれの原因の一つは肌のバリア機能の低下です。
健康な肌では、皮膚の一番外側にある「角質」が水分を保ち、汗や細菌、紫外線などの外部からの刺激が体内に入り込むのを防いでいます。
しかし、紫外線やエアコンによる空気の乾燥、洗いすぎなどによって角質の水分が失われると、肌のバリア機能が低下します。肌のバリア機能が低下すると、汗に含まれる塩分やアンモニアなどの成分が肌に刺激を与えやすくなり、赤みやかゆみなどの炎症を起こしやすくなるのです。
さらに、バリア機能が低下した肌は刺激に弱くなっています。その状態で衣類や下着、タオルなどが繰り返し擦れると、炎症が悪化し、ヒリヒリとした痛みを伴うこともあります。
特に、汗を吸いにくい素材や締め付けの強い衣類は、汗が肌に残りやすいうえ摩擦も起こりやすいため注意が必要です。
また、乾燥肌や敏感肌、アトピー性皮膚炎の方はもともと肌のバリア機能が低下しているため、少しの刺激でも汗かぶれを起こしやすい傾向があります。
汗かぶれの症状が出やすい部位
汗かぶれは、汗がたまりやすい部位や衣服、ベルトなどが擦れやすい部位によく見られます。具体的な部位は下記のとおりです。
● 首周り、デコルテ
● わきの下
● ひじ・ひざの裏側
● ベルトや下着のゴムが当たる部分
● 鼠径部(足の付け根)
これらの部位に赤みやかゆみがあり、汗をかいた後に悪化する場合は、汗かぶれの可能性があります。症状が軽いうちから適切なスキンケアをすることで、悪化を防ぎやすくなるでしょう。
汗かぶれの正しい治し方と市販薬の選び方
汗かぶれは、症状が軽いうちに適切なケアを始めることで悪化を防ぎやすくなります。一方で、かゆみが強いからといってかき続けると、炎症が広がったり細菌感染を起こしたりすることもあります。
症状に合わせて市販薬を選び、正しく使用することが大切です。
炎症をしっかり抑える「ステロイド外用薬」
汗かぶれの治療には、市販薬のステロイド外用薬を使用することができます。ステロイド外用薬には、炎症を抑え、皮膚の赤みやかゆみを改善する働きがあります。
ステロイド外用薬を選ぶ際は、使用部位や症状の程度に合わせて適切な強さのものを選ぶことが大切です。顔や首など皮膚が薄い部位は比較的弱いタイプが適していることが多く、腕や脚などは症状に応じて適した強さのものを使用します。
ステロイド外用薬以外の抗炎症成分やかゆみ止め
ステロイド外用薬以外のお薬を希望する場合は、ステロイド外用薬以外の抗炎症成分が含まれる市販薬を選ぶという方法もあります。例えば、グリチルレチン酸は皮膚の炎症を穏やかに抑える成分で、軽い赤みやかゆみに用いられます。
また、かゆみが強い場合はジフェンヒドラミンなどの抗ヒスタミン成分が配合された市販薬も選択肢の一つです。
自己判断でお薬を選ぶことに不安がある場合は、薬剤師や登録販売者に相談してから使用すると安心です。
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今日からできる汗かぶれの予防と対策
汗かぶれは、一度治っても同じ環境が続くと繰り返しやすい肌トラブルです。汗かぶれを予防するためには、日頃から汗や摩擦による刺激を減らすことが大切です。
ここでは、今日から実践できる汗かぶれ対策を紹介します。
こまめに汗を拭き取る・シャワーで流す
汗かぶれを予防するためには、汗をこまめに洗い流し、肌を清潔に保つことが大切です。汗をかいたまま長時間放置しないようにしましょう。
外出先では、柔らかいタオルや濡れタオルで汗をやさしく押さえるように拭き取ります。ゴシゴシ擦ると肌への刺激が強くなり、かえって症状が悪化することがあるので注意しましょう。
運動後など汗をたくさんかいたときは、シャワーで汗を洗い流すのも効果的です。熱いお湯は肌の乾燥を招きやすいため、ぬるめのお湯でやさしく洗い流すようにしましょう。
通気性の良い服と日々の保湿ケア
汗かぶれを防ぐには、汗がこもりにくい環境をつくることも重要です。
衣類は、綿などの吸湿性・通気性に優れた素材を選び、締め付けの少ないものを着用しましょう。汗をかいたときはできるだけ早めに着替えることも汗かぶれの予防につながります。
また、汗かぶれは肌のバリア機能が低下していると起こりやすくなります。入浴後やシャワー後は、保湿剤を塗って乾燥を防ぎ肌のバリア機能を保つようにしましょう。
自己判断はNG!皮膚科を受診する目安
軽い汗かぶれであれば、市販薬やスキンケアで改善することも少なくありません。しかし、症状が強い場合や長引く場合は、受診が必要です。
かき壊しによる細菌感染を防ぐためにも、受診が必要なサインを知っておきましょう。
「とびひ」になる危険性
汗かぶれは強いかゆみを伴うことがあり、無意識に掻いてしまう方も少なくありません。
皮膚をかき壊すと傷口から細菌が入り込み、とびひ(伝染性膿痂疹:でんせんせいのうかしん)を引き起こすことがあります。
とびひになると水ぶくれや黄色いかさぶたができたり、ジュクジュクとした状態になったりします。患部を触った手でほかの部位をかくことで症状が全身へ広がったり、他の人にうつしてしまったりする可能性もあるため早期の治療が必要です。
特に、子どもはかゆみを我慢するのが難しく、とびひを起こしやすい傾向があります。かゆみが強い場合は、症状を悪化させる前に早めに適切な治療を受けましょう。
とびひについては「夏に流行するとびひの原因とは?使える市販薬や受診目安、予防策も解説」でも詳しく解説していますので、こちらも参考にしてください。
治らない・ただれている場合は早めに受診
市販薬を数日使用しても改善しない場合や症状が悪化している場合は、皮膚科を受診しましょう。
特に、次のような症状があるときは早めの受診をおすすめします。
● 赤みやかゆみが広い範囲に広がっている
● ジュクジュクとただれている
● 水ぶくれや膿が出ている
● 強い痛みや熱感がある
● 発熱など全身症状を伴う
皮膚科では、汗かぶれ以外の皮膚疾患がないかを確認したうえで、症状に適した外用薬や内服薬を処方してもらえます。自己判断で治療を続けるよりも、早めに適切な治療を受けることで症状の悪化や長期化を防ぎやすくなるでしょう。
皮膚科受診後のお薬は「つながる薬局」でスマートに
汗かぶれで皮膚科を受診した後は、できるだけ早くお薬を使い始めることが大切です。しかし、薬局で長時間待つのは大変だと感じる方も多いのではないでしょうか。
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処方箋送信で待ち時間を短縮
つながる薬局では、病院でもらった処方箋をスマートフォンから事前に送信できます。薬局では来局前に調剤を進められるため、待ち時間を短縮しやすくなります。
特に小さな子どもを連れている場合などは、薬局で長時間待つだけでも一苦労です。お薬の準備ができるまでは車の中で待機し、連絡を受けてから受け取りに向かうこともできます。
また、待合室で長時間過ごす必要がないため、他の患者さんとの接触機会を減らしやすい点もメリットといえるでしょう。
塗り薬もLINEで気軽に相談
「塗り薬はどのくらい塗ればいい?」「子どもの顔にも使える?」「症状が良くなってきたら中止していい?」など、塗り薬の使い方に迷うことは少なくありません。
つながる薬局のサービスでは、塗り薬を使っていてわからないことがあった場合にLINEを利用して薬局の薬剤師へ気軽に相談できます。帰宅後に気になることが出てきた場合でも、自宅から相談できるため安心です。ぜひ活用を検討してみてください。
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執筆者:Rika
資格:薬剤師
経歴:大学卒業後、調剤薬局勤務(7年)。現在は慢性期病院勤務。
5歳と0歳の男の子を育てているママ薬剤師です。一般の方にもわかりやすい記事の執筆を心がけています。精神科病院でのパート勤務のかたわら、東洋医学を学んで不妊治療を乗り越えた経験を生かして、妊娠に向けた体づくりや不妊治療についての情報発信にも取り組んでいます。




