【薬剤師監修】ダニアレルギーの原因と症状は?見分け方や自宅でできる3つの対策

健康・予防

執筆者・監修者:薬剤師

「季節を問わず、子供のくしゃみや鼻水が止まらない…」
「布団に入ると体がかゆくなる…」

このような症状が続く場合、もしかすると「ダニアレルギー」が原因かもしれません。

ダニアレルギーは、生きているダニではなく、目に見えないダニの死骸やフンを吸い込むことで発症します。特に、ダニの死骸が増加する秋から冬にかけて症状が悪化しやすいのが特徴です。

この記事では、ダニアレルギーの主な症状や見分け方、ご自宅ですぐに実践できる環境対策を詳しく解説します。また、小さなお子様連れでの通院負担を減らす「薬局の待ち時間短縮のコツ」もご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

ダニアレルギーとは?主な原因と発症のメカニズム

ダニアレルギーとは、ダニの死骸やフンが原因となってくしゃみや鼻水などのアレルギー症状が引き起こされる、通年性アレルギーのひとつです。

まずは、ダニアレルギーが起こる原因と、花粉症との違いについて見ていきましょう。

アレルギーの原因は「ダニの死骸やフン」

ダニアレルギーの原因は生きているダニではなく、ダニの死骸やフンです。

ダニは高温多湿の5〜7月頃に繁殖し、夏の終わり頃から死骸やフンが増えていきます。秋になり気温と湿度が低下すると、死骸やフンが乾燥して細かいチリとなって空気中に舞い上がり、呼吸とともに鼻や気管支へ入り込みやすくなるため注意が必要です。

ダニアレルギーの症状は9〜11月に悪化しやすくなる傾向があるものの、室内にダニの死骸やフンがある限り、1年を通して症状が現れることもあります。

花粉症との違いは?

ダニアレルギーと花粉症は、くしゃみ・鼻水・目のかゆみなど症状がよく似ています。しかし、最も大きな違いは症状が出る時期です。

花粉症は、花粉が飛散する時期のみ症状が起こりますが、ダニアレルギーはダニの死骸やフンのある場所では1年を通して症状が起こります。

また、花粉症は屋外にいるときや外から帰ってきたあとに症状が出やすいのに対し、ダニアレルギーは、寝起き直後や掃除のあとなど、ダニの死骸やフンが舞い上がりやすいタイミングで悪化しやすい傾向があります。

季節に関係なくアレルギー症状が続く場合や、就寝時・起床時などに症状が悪化しやすい場合にはダニアレルギーを疑ってみるとよいでしょう。

意外な原因?粉製品(お好み焼き粉など)のダニにも注意

あまり知られていませんが、開封後のお好み焼き粉やホットケーキミックスなどの粉製品にダニが繁殖することがあります。

常温で長期間保存した粉製品では、ダニが増殖し、その粉を摂取することでダニによる食物アレルギーを起こすことがあるため注意が必要です。

ダニは高温多湿な環境で増殖しやすいため、開封後の粉製品は密閉容器に入れ、できるだけ冷蔵保存するのがおすすめです。長期間保存したものは使用を避けるようにしましょう。

ダニアレルギーの主な症状と見分け方

ダニアレルギーは鼻や目だけでなく、気管支や皮膚にも症状が現れることがあります。また、ダニに刺されたときの症状とは原因も見た目も異なるため、正しく見分けることが大切です。

ここでは、代表的なダニアレルギーの症状とダニ刺されとの違いについて解説します。

呼吸器の症状(くしゃみ・鼻水・咳・喘息)

ダニアレルギーの症状で最も多いのが、くしゃみや透明な鼻水、鼻づまりなどのアレルギー性鼻炎の症状です。

また、ダニアレルギーは気管支にも影響を及ぼし、乾いた咳やゼーゼー・ヒューヒューという喘鳴(ぜんめい)を伴う喘息症状につながることもあります。

気管支が敏感な方や喘息の既往がある方は呼吸器症状が重症化しやすいため注意しましょう。

皮膚・目の症状(かゆみ・湿疹・充血)

ダニアレルゲンが皮膚や目の粘膜に触れることで、かゆみや湿疹、目の充血が起こることがあります。特にアトピー性皮膚炎のある方は、ダニ由来のアレルゲンに反応しやすく、皮膚症状が悪化する場合も少なくありません。

ダニアレルギーによる皮膚や目の症状は、鼻炎や喘息などの他のアレルギー症状と合併しやすいという特徴もあります。

「ダニ刺され」と「ダニアレルギー」の見分け方

ダニが原因で起こる皮膚症状にはダニ刺されとダニアレルギーがあります。

ダニ刺されの場合、患部は赤く腫れ、よく見ると中心に小さな刺し口が確認できることがあります。ダニは服の下に潜り込んで刺すため、お腹周りや太もも、二の腕など衣服で隠れた皮膚のやわらかい部位など、刺された部位を中心に症状が現れます。

一方ダニアレルギーは、鼻や目、気管支、皮膚など複数の部位に症状が現れやすいのが特徴です。皮膚症状に加えて、鼻水や喘息などの症状が見られる場合はダニアレルギーを疑った方がよいでしょう。

自宅でできるダニアレルギー対策!環境改善3つのポイント

ダニアレルギー対策では、ダニアレルゲンを減らす環境づくりがとても重要です。特に寝具や室内環境を見直すことで、症状の軽減につながることが期待できます。

ここからは今日から始められる3つの対策を紹介します。

寝具の対策

寝具は適度な温度と湿度が保たれ、ダニのエサとなるフケやアカなども豊富なため、ダニが最も繁殖しやすい環境です。

水やぬるま湯(40℃以下)での洗濯では、ダニのフンの90%以上を洗い流せるものの、生きているダニは繊維に残ることがわかっています。

55℃~60℃程度の高温で洗濯・乾燥するとダニは死滅し、ダニのフンもほとんど洗い流せるため、ダニの再繁殖のリスクを軽減できます。

また、布団の内部に入り込んだダニやフンを取り除くことは非常に難しいため、表面に出てこないように閉じ込める対策が効果的です。

織り目の細かい防ダニカバーを使用することで、ダニやアレルゲンが外へ出るのを物理的に抑えられます。洗濯可能なカバーを選び、定期的に洗う習慣をつけるとよいでしょう。

室内の湿度管理

ダニは湿度の高い環境で繁殖しやすく、湿度50%以下を目安に保つことで増殖を抑えやすくなります。除湿機やエアコンの除湿機能を積極的に活用し、室内の湿度を50%以下に保つようにしましょう。

また、押入れやクローゼットなどの収納スペースは湿度が上がりやすいので、長期間閉めっぱなしにならないように注意が必要です。

正しい掃除の仕方

床に溜まったホコリには大量のダニアレルゲンが含まれており、これを舞い上げずに取り除く必要があります。

フローリングの場合、乾いたホコリを舞い上げないよう、フローリングワイパーで先に拭き取ってから掃除機をかけるようにしましょう。

カーペットやソファはゆっくりと時間をかけて掃除機を動かし、ダニアレルゲンを丁寧に吸い取ることを意識しましょう。毎日の小さな積み重ねが、アレルギー症状の軽減につながります。

病院での検査方法と主な治療法

ダニアレルギーが疑われる場合は、耳鼻咽喉科や小児科、アレルギー科などで検査を受けられます。原因をハッキリさせることで、自分に合った治療や環境対策を選びやすくなります。

病院での検査方法

病院では、まず症状が出る時期や場所、家族歴などについて問診が行われます。そのうえで、必要に応じてアレルギー検査を実施します。

代表的な検査方法としては、血液検査でダニに対するIgE抗体(アレルギー反応に関わる抗体)の量を調べます。

ただし、検査で陽性となっても必ずしもアレルギー症状が出るわけではない点に注意が必要です。検査結果とともに症状の有無やその程度もふまえて総合的に判断します。

症状を抑える「薬物療法」と根本治療の「舌下免疫療法」

ダニアレルギーの治療には、今出ている症状を抑える薬物治療と、体質改善を目指す舌下免疫療法(ぜっかめんえきりょうほう)があります。

くしゃみや鼻水などのアレルギー症状に対しては、抗ヒスタミン薬やステロイド点鼻薬などがよく用いられます。これらの薬剤は症状のコントロールには有効ですが、中止すると症状が再発しやすい点には注意が必要です。

一方、舌下免疫療法はダニアレルギーの根本的な改善を目指す治療法です。舌下免疫療法では、ダニのアレルゲンを少量ずつ舌の下から取り入れ、数年かけて体を慣らしていきます。

継続は必要なものの、アレルギー症状の根本的な改善が期待できる治療法といえます。

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まとめ

ダニアレルギーは、生きているダニではなく、ダニの死骸やフンを吸い込むことで起こる通年性のアレルギーです。くしゃみや鼻水、咳だけでなく、目や皮膚のかゆみなどさまざまな症状が現れます。

症状を改善するためには、寝具の高温洗浄や防ダニカバーの活用、湿度管理、正しい掃除など、自宅での環境対策を継続することが大切です。また、症状が続く場合は医療機関で検査を受け、必要に応じてお薬や舌下免疫療法などの治療を検討しましょう。

Rika

執筆者:Rika

資格:薬剤師

経歴:大学卒業後、調剤薬局勤務(7年)。現在は慢性期病院勤務。

5歳と0歳の男の子を育てているママ薬剤師です。一般の方にもわかりやすい記事の執筆を心がけています。精神科病院でのパート勤務のかたわら、東洋医学を学んで不妊治療を乗り越えた経験を生かして、妊娠に向けた体づくりや不妊治療についての情報発信にも取り組んでいます。

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