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2026年調剤報酬改定の集中率計算を徹底解説!基本料維持の戦略とは?

執筆者・監修者:薬剤師

2026年調剤報酬改定では、調剤基本料の判定基準となる集中率や受付回数の算定ルールが厳格化され、多くの薬局で収益維持が課題となります。特に在宅処方箋の算入や医療モールの合算ルール導入は、これまでの経営戦略を根本から揺るがす変更点です。

現場では、以下のような不安を感じている経営者や薬剤師の方もいるでしょう。

「集中率の計算はどう変わる?」
「集中率が厳しくなるって本当?」
「基本料を維持するにはどうしたらよい?」

本記事では、2026年調剤報酬改定における集中率計算の変更点や、都市部に新設される600回基準の実態、具体的な集中率対策について解説します。最後まで読めば、改定後の基本料区分を正確に把握し、減算を回避して安定した薬局経営を継続するための戦略が明確になるでしょう。

 

1.2026年調剤報酬改定で変わる「集中率」と「処方箋受付回数」の計算基準

調剤報酬改定のたびに注目される処方箋の集中率や受付回数は、薬局の経営を左右する調剤基本料の判定に直結します。2026年の改定では、これまで除外されていた項目が算入対象へと変わるなど、計算基準に大きな変更が加えられました。

自局の基本料を維持するため、新しい判定基準を正確に理解し、現行制度との違いを確認しましょう。

集中率・処方箋受付回数の計算方法

2026年調剤報酬改定では、薬局の経営基盤となる調剤基本料の区分判定に欠かせない「集中率」と「受付回数」の算定ルールが見直されましたこれまで計算対象外だった在宅関連の処方箋が受付回数に含まれることになり、多くの薬局で母数が変動します。

算出基準の主な変更点を、以下にまとめました。

  • 集中率の計算:同一建物内及び同一敷地内の複数医療機関を1つの機関として合算して算出
  • 受付回数の定義:在宅患者訪問薬剤管理指導料等の算定分を受付回数に算入
  • 新たな基準:都市部における受付回数600回超・集中率85%超の新基準を適用

在宅業務への注力が基本料の区分変更を招くリスクもあるため、正確な月間平均枚数を算出する必要があります。経営の安定化に向けて、まずは自局の最新の数値を算定ルールに当てはめて確認しましょう。

集中率85%の壁|基本料2となるリスクと判定基準

2026年調剤報酬改定では、調剤基本料2の判定基準が拡大され、中規模薬局の収益維持が厳しくなりました。これまで調剤基本料1として45点を算定していた店舗でも、特定の医療機関への依存度が高い場合は調剤基本料2である30点へと区分変更を余儀なくされます。

現行ルールと改定後の変化を比較した内容は、以下のとおりです。

判定基準(調剤基本料2) 改定前(現行) 改定後
受付回数(月間) 2,000回超 1,800回超
集中率の基準値 85%超 85%超
在宅処方箋の扱い 原則として除外 すべて算入

基準回数の引き下げと在宅分の合算により、85%の壁に抵触するリスクは格段に高まります。経営体力の維持に向けて、自局の最新の処方箋内訳を早期に分析して広域応需の強化など具体的な備えを始めましょう。

在宅・施設調剤の処方箋が受付回数に算入される注意点

2026年調剤報酬改定では、在宅業務に関わる処方箋の扱いが変わり、施設調剤に注力する薬局も基本料2へ移行する可能性が生じます。従来は判定から除外されていた訪問薬剤管理指導等の実績が、今後は受付回数の母数に合算されるためです。

算定上の主な注意点を、以下にまとめました。

  • 受付回数への影響:居宅や施設を問わず在宅訪問分の処方箋をすべて枚数に加算
  • 集中率の計算ルール:介護施設等の入居者に係る処方箋は、分子(特定医療機関分)と分母(全受付回数)の双方から除外(単一建物診療患者が1人の場合を除く)
  • 基本料の判定リスク:在宅分を含めて月間1,800回を超えると85%超の判定対象に該当
  • 収益への波及効果:枚数増に伴い地域支援・医薬品供給対応体制加算の算定要件にも影響を及ぼす

施設入居者の処方箋は計算式から除外されるため、自局の集中率への影響の有無を確認することが重要です。分母の増加によって「受付回数の壁」を突破し、基本料の低い区分が適用されるリスクを考慮して経営体制を整えましょう。

2.医療モール合算と都市部600回基準による規制強化

2026年調剤報酬改定では、特定の立地条件や地域における薬局の評価が厳格化される方針が示されました。特に医療モール型の店舗や都市部で展開する薬局は、収益に直結する基本料区分の維持に向けて、新たな規制の詳細を把握する必要があります。

経営戦略を見直す判断材料として、主な変更点を順番に確認しましょう。

同一敷地内医療機関の「合算ルール」導入で集中率が急上昇

2026年調剤報酬改定により、医療モール型薬局の多くが調剤基本料の区分変更という深刻な収益低下リスクに直面します。同一敷地内にある複数の医療機関を、集中率の計算上では一つの機関として合算する新ルールが導入されるためです。

モール内の主要な応需先を合算した際の影響を、以下にまとめました。

  • 集中率の急上昇:各診療科からの処方箋が統合され、容易に判定基準値を超過
  • 基本料の区分変更:合算の結果として集中率85%を超えるとかつ受付回数が月1,800回を超えると基本料1から2へ移行
  • 減算のリスク:新規開設等の場合、特定の建物に依存する体制が厳格に評価され1枚あたりの点数が減少

複数のクリニックが並ぶ立地では、1クリニックの集中率が低くても合算によって基本料維持が困難になるケースが目立ちます。経営への打撃を最小限に抑えるには、モール外の広域処方箋を獲得するなどの抜本的な対策が必要です。

都市部の新規開設を直撃する「600回基準」の実態と対象地域

都市部の新規開局において、従来の門前経営モデルは調剤基本料の引き下げリスクをより強く受ける仕組みへと変化しました。月間の処方箋受付回数が600回を超え、かつ集中率が85%を上回る場合に、点数の低い基本料2が適用される新基準が設けられたためです。

主な規制の実態と対象となる条件を、以下に整理しました。

  • 適用対象の地域:東京都23区や政令指定都市といった人口密集地が該当
  • 新たな判定基準:月間600回超という比較的少ない枚数でも基準抵触の可能性が浮上
  • 経営への影響:基本料1の維持が難しくなり初期の収益計画に大きな差が発生

特定の医療機関に依存する立地では、開局直後から低い基本料での運営を強いられる場面が増えるでしょう。立地選定や集患対策を見直し、基準に抵触しない広域応需体制を構築することが安定収益を確保するために不可欠です。

3.基本料を維持する経営戦略とは?面処方獲得とオンライン服薬指導の活用

2026年調剤報酬改定の厳格な算定基準を乗り越えるには、特定の医療機関に頼らない収益構造の構築が求められます。医科で新設された「遠隔電子処方箋活用加算」により、電子処方箋の普及や非対面での応需機会は今後さらに増加する見込みです。

デジタル技術を駆使した新しい仕組みが調剤基本料の維持にどのように寄与するのか、具体的な手法について詳しく見ていきましょう。

なお、薬局の集中率低下につながる施策に関して詳しく解説した記事もあるため、あわせてご覧ください。

薬局の集中率を下げる具体策5選!次期改定を見据えたDX活用で収益確保

オンライン服薬指導を活用した「集中率」の適正管理

オンライン服薬指導の積極的な導入は、調剤基本料の判定に影響を及ぼす集中率対策として有効です。算定ルール上、情報通信機器を用いた服薬指導による処方箋枚数は、集中率の計算から除外される仕組みになっています。

具体的な管理上のメリットを、以下に整理しました。

  • 集中率の直接的な抑制:主要な応需先からの処方箋をオンラインに切り替えて数値を低減
  • 基本料区分の維持:85%の壁を超えるリスクを回避し点数の高い区分での算定を継続
  • 患者利便性の向上:待ち時間の解消や来局負担の軽減により広域からの利用を促進

主要な処方元へ依存している店舗ほど、特定の医療機関による処方分をオンラインへ誘導する意義は大きくなります。対面と非対面を戦略的に使い分けて、無理のない範囲で集中率の適正化を図りましょう。特定の医療機関に依存しない体制を作るには、オンライン服薬指導の円滑な運用を支えるシステムの選定が不可欠です。

たとえば「つながる薬局」のようなLINE連携サービスを活用すれば、患者さんの負担を抑えつつ戦略的な集中率管理を実現できるため、ぜひご利用ください。

オンライン服薬指導や処方箋送信にも対応!LINEでできる「つながる薬局」

電子処方箋の普及による面処方の獲得

電子処方箋の本格的な普及は、特定の医療機関に依存しない「面」での処方箋獲得を加速させる手段です。デジタル化により患者さんが薬局を自由に選択しやすくなるため、立地条件に左右されず集中率を効果的に引き下げられます。

面処方を増やすための具体的なポイントを、以下にまとめました。

  • 受取場所の柔軟な提案:勤務先付近や自宅周辺など、患者さんの生活圏に合わせた応需を促進
  • リピート率の向上:電子処方箋の管理機能を活用し、継続的な健康相談による囲い込みを強化
  • 広域応需の効率化:FAXや手書きの手間を省き、遠方の医療機関からの処方をスムーズに受理

門前薬局という形態から脱却し、立地に縛られない「地域の健康拠点」への転換が経営安定化には不可欠です。システムを駆使して多様な処方箋を受け入れる体制を整え、基本料区分を維持できる堅実な収益構造を築き上げましょう。

4.まとめ

2026年調剤報酬改定では、在宅処方箋の算入や医療モールの合算ルール導入により、調剤基本料の判定基準が厳格化されました。特に都市部の新規開局に適用される「600回基準」は、従来の門前経営モデルに大きな転換を迫る内容です。基本料区分を維持するには、オンライン服薬指導や電子処方箋を戦略的に活用し、特定の医療機関に依存しない広域応需体制を早期に構築しなければなりません。本記事で解説した算定ルールや対策を自局の経営分析に役立て、減算を回避する堅実な収益構造を築き上げてください。

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