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病院の処方箋FAXコーナー廃止は好機?処方箋事前送信ツール活用で新規獲得へ

執筆者・監修者:薬剤師

病院の処方箋FAXコーナーの廃止は、薬局にとってリスクである一方、新規患者獲得の好機にもなります。医療DXの進展により患者さんの行動が変わる中、対応次第で処方箋の流れは大きく左右されるでしょう。
しかし、次のような疑問を持つ方もいるのではないでしょうか。

「病院の処方箋FAXコーナーが廃止になるのはなぜ?」
「処方箋FAXコーナーが廃止されるとどうなる?」
「処方箋FAXコーナーが廃止されたらどうすればよい?」

当記事では、病院のFAXコーナー廃止の背景から薬局経営に生じる変化、処方箋事前送信ツールの役割や選び方、運用のポイントまで解説します。最後まで読めば、変化の時代に選ばれる薬局へ進むための具体策が把握できるでしょう。

 

1.各地の病院で処方箋FAXコーナー廃止が相次ぐ理由と背景

病院の処方箋FAXコーナーの廃止が全国で進んでいるのは、医療DX推進と業務負担軽減が主な要因です。従来は処方箋FAXコーナーを維持するため、対応する職員やFAX機器の管理といった人的・運用コストが負担としてかかり続けていました。

病院の処方箋FAXコーナーに関する主な負担は、以下のとおりです。

  • FAX操作の案内やトラブル対応
  • FAX機器の保守や回線管理
  • 個人情報を扱う場としての管理負担

実際、電子処方箋や処方箋事前送信ツールといった医療DX推進が進んでいるため、処方箋FAXコーナー自体の需要が減少しています。病院の処方箋FAXコーナーは、医療DXと業務効率化が進む中、今後も廃止される流れになるでしょう。

2.病院の処方箋FAXコーナー廃止で薬局経営に訪れるリスクと変化

病院で処方箋FAXコーナーの廃止が進むことで、薬局経営を取り巻く環境は確実に変化しています。従来の患者動線が見直される中、対応の遅れは機会損失につながるおそれも否定できません。変化を正しく捉え、想定される影響を整理することが重要です。

本章では、病院の処方箋FAXコーナー廃止で薬局経営に生じ得るリスクと変化について解説します。

FAXコーナーで行き先を決めていた患者が浮遊する可能性

病院の処方箋FAXコーナー廃止により、FAXコーナーで処方箋を持参する薬局を決めていた患者さんの処方箋が分散する可能性が高まります。院内で行き先を決める導線が失われ、患者さん自身が別手段で薬局を選択する状況へと変化しました。

具体的には、以下のように薬局が選択されるようになるでしょう。

  • 門前の薬局へ行く
  • 自宅近くで薬局を探す
  • デジタル対応薬局を選択する

結果として、従来FAXコーナー経由で処方箋を獲得していた薬局は、自然流入の減少という経営リスクを抱えることになるでしょう。

デジタル対応へ積極的に取り組む薬局へ流出する傾向

デジタル対応に消極的な薬局は、電子ツールに積極的に対応する薬局へ患者さんが流出するリスクを抱えます。処方箋FAXコーナーの廃止により、事前送信や待ち時間短縮といった利便性を重視していた患者さんは、代替手段となる電子ツールを使う可能性が高まるためです。

具体的には、以下の薬局が選ばれるようになるでしょう。

  • 処方箋事前送信に対応
  • スマートフォンでの受付完結(WEB問診など)
  • 受け取り時間の見える化

一方、紙運用中心の薬局は比較対象から外れやすく、意図せず処方箋枚数が減少する可能性があります。デジタル対応の遅れは、患者さんの流出を招く経営リスクといえるでしょう。

3.病院の処方箋FAXコーナー廃止を好機に変える「処方箋事前送信ツール」

病院の処方箋FAXコーナー廃止が進む中、薬局側には新たな患者さんとの接点を築く施策が求められます。待ち時間短縮や来局前の準備につながる仕組みを整えることで、変化を好機へ転換する余地があります。

薬局経営の選択肢として注目される手法である「処方箋事前送信ツール」について、詳しく見ていきましょう。

処方箋事前送信ツールの機能

処方箋事前送信ツールは、患者さんがスマートフォンを使い、来局前に処方箋を薬局へ送信できる仕組みです。専用アプリやLINE連携を利用することで、処方箋をスマートフォンで撮影して送るだけで手続きが完了します。送信された情報は薬局側で事前に確認できるため、患者さんが薬局に来る前に調剤内容の把握やお薬の準備が可能です。結果として、受付後の待ち時間短縮や来局時の対応の円滑化につながるため、患者さん・薬局の双方にとって負担を軽減する機能として活用されています。

なお、患者さんの負担が少ない処方箋事前送信ツールを探しているなら、「つながる薬局」がおすすめです。「つながる薬局」であれば、患者さんはLINEの友だち登録のみで簡単に利用できるため、ぜひ導入を検討してください。

LINEの友だち登録だけで簡単に利用できる!「つながる薬局」

処方箋事前送信ツールのメリット

処方箋事前送信ツールは、患者さんと薬局の双方に明確なメリットをもたらします。来局前に処方箋情報が共有されることで、受け取りまでの流れが整理され、患者さんの体験価値と薬局の業務効率が同時に高まるためです。

まずは患者さん側の主なメリットを、以下にまとめました。

  • 待ち時間の短縮につながる
  • 来局時間を調整しやすくなる
  • 受付時の手続きなどの負担が軽減する

一方、薬局側の主なメリットは、以下のとおりです。

  • 事前確認により調剤準備を効率化できる
  • 来局集中の緩和による業務が平準化できる
  • デジタル対応により選ばれやすさが向上する
  • 在庫の有無や調整に関する連絡手段が増える

以上より、処方箋事前送信ツールは患者さん・薬局の双方に価値を生む有効な手段といえるでしょう。

4.病院の処方箋FAXコーナー廃止の時代に勝ち残るためのツール選定と運用

病院の処方箋FAXコーナーの廃止が進む中、薬局には変化へ適応する姿勢が欠かせません。導入した仕組みを活かせるかは、日常業務への定着度や患者さんの理解度の深さに左右されます。

本章では、薬局における競争環境が変わる中、今後薬局が勝ち残るためのツール選定と運用について解説します。

ポータル型・アプリ型・LINEなどツールの選び方

処方箋事前送信ツールは、薬局が重視する目的に応じて形式を選ぶことが重要です。処方箋事前送信ツールにはポータル型・アプリ型・LINE型などがあり、患者さんとの接点の作り方や継続利用のしやすさが異なるためです。

各ツールの特徴と適した活用シーンを、以下に整理しました。

  • ポータル型:複数薬局から選択でき、新たな患者さんとの接点を広げやすい
  • アプリ型:継続利用を前提とした設計で、来局頻度が高い患者さんとの関係構築に向く
  • LINE型:登録や操作が簡便で、日常的な連絡手段としても利用しやすい

処方箋事前送信ツールは、上記の特性を把握したうえで、薬局運営に合うツールを選ぶことが重要です。

運用のポイントは患者への周知徹底と対人業務の強化

処方箋事前送信ツールを活かすなら、患者さんへの周知と事前情報を用いた対人業務の工夫が重要です。患者さんへ利用方法が伝わらなければ処方箋事前送信は定着せず、薬局側で受け取った情報を活用できなければ利便性は実感されにくくなります。

処方箋事前送信ツールで共有される事前情報には、処方箋内容のほか、氏名や連絡先、来局予定時間、相談事項などが含まれます。

処方箋事前送信ツールを有効活用するため、以下のポイントを確認しておきましょう。

  • 来局前に処方内容を確認し、調剤準備や確認事項を整理する
  • 相談事項を踏まえ、患者の不安や疑問に沿った服薬指導をおこなう
  • 事前送信を薬局側でも活用した点を言葉で伝え、安心感を高める

事前共有された情報を対人業務に反映させることが、患者さんの満足度向上につながります。

5.まとめ

病院の処方箋FAXコーナーの廃止は、薬局経営に変化をもたらす一方、対応次第で新たな機会を生み出します。患者さんの動線の変化やデジタル化の進展により、従来の集客構造は見直しを迫られています。処方箋事前送信ツールを導入し、患者さんへの周知と薬局での対人業務を工夫することで、待ち時間短縮と満足度向上が期待できるでしょう。当記事を参考に、変化を前向きに捉え、選ばれる薬局づくりに役立ててください。

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