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【ウェビナーレポート】なぜ患者さんは薬局を離脱するのか?〜アンケートから読み解く患者心理と定着戦略〜

患者さんはなぜ薬局を変えるのか?
薬局経営において、患者さんの「離脱」は大きな課題の一つです。
10,000人のアンケートデータをもとに、患者さんが薬局に求めるもの、そして不満に感じるポイントを徹底解説。薬局を選ぶ決め手は何か?待ち時間は何分が限界?欠品時、患者さんはどう感じるのか?など、患者さんの意識や行動パターンを詳しく掘り下げたウェビナーを2025年2月26日に開催しました。今回はその内容の一部をご紹介します。

スピーカー:
Cowellnex株式会社 premedi事業責任者 田中 吉隆 様
株式会社ファーマシフト 代表取締役社長 多湖 健太郎

司会:本日のテーマは「なぜ患者さんは薬局を離脱するのか」です。今回は、実際に一般の方にアンケートを取った結果を元にセミナーを進めてまいります。アンケートは30歳から79歳の男女1万人を対象に実施しました。幅広い年齢層の声を反映したデータとなっています。それでは始めてまいります。

1.薬の欠品問題は患者さんにどう影響するのか?

まず、「薬局に行った際、処方箋通りの種類や量の薬がその場ですぐにもらえなかったことがありますか?」という質問に対する結果です。44%の患者さんが、医薬品の欠品の経験があると回答しています。

田中様(以下、田中):現在の薬の供給の不安定さを考えると、薬剤師の視点では『思ったより少ない』と感じるかもしれません。薬剤師さんが1日で40枚の処方箋を扱う中で、例えばその内の1枚が欠品しますという話だと思うのですが、患者さんからすると月1,2回の利用換算では薬剤師の1日分が2年分とか3年分になりますから、そこは大きな差がありそうです。逆に、医薬品の欠品経験が1回ある患者さんが20%いて、患者さんにとってのその1回は大きなインパクトがあるのではないかと感じます。

2.患者さんの薬局の選び方

司会:「処方箋をもらった後、行く薬局はどう決めていますか?」という質問をしました。
立地は影響しつつも、「待ち時間の長さが短い」は無視できない数字ですよね。

多湖:第2位の「家の近くにある」が3割を超えているのは、思ったより多い印象です。門前の薬局だけではなく、家の近くにかかりつけを持っていらっしゃるか、生活導線の中で特定の薬局が決まってることが意外と多くあるのかなと。そこは嬉しいですし、これからも増えていくのだろうと思っています。待ち時間に関しては、我々の「つながる薬局」というサービスはLINEを使って処方箋の写真を撮り、それを自分が行きたい薬局に送っておけば薬局に自分がついた頃には待ち時間なく受け取れるサービスです。移動時間を待ち時間と感じさせないのがメリットになりますので、2番と3番において同時に恩恵を受けられるものです。
つながる薬局を初期から使いこなしていただいている江東区の地下鉄の駅前にある薬局さんでは、近くに大きな病院もありますし、マンション立ち並ぶ住宅街で、近隣の医療機関はもちろんですけど遠方の医療機関の処方箋もつながる薬局を利用して、家の近くで受け取ってもらうようになっており、このサービスの仕組みと立地の特性をうまく使っていらっしゃいます。

田中:おそらく、10年前ぐらいから比べると1位の割合がものすごく減ったのではないかと思います。これまで多くは処方箋をもらった病院の近くにいくのがあたり前だったのではないかと。その当たり前が変わっていませんか?

多湖:そうだと思います。「家の近く」が30%を超えたというのは本当にすごいと思いますし、これからオンライン診療連携サービス等のアプリなどもどんどん増えてくるので、この数字は今後も高まっていくんだろうなっていうのをすごく感じています。

田中:面処方が多くなっていく中で直面するのは在庫の問題です。弊社でも、地域体制加算の要件に1200品目以上という項目ができ、相談されることも多くなりました。私自身はそれが理にかなってるんじゃないかと考えます。新店で完全に面処方の形でスタートした薬局でも1200品目を揃えれば95%の処方箋が応需できましたというケースも我々のお客さんでいらっしゃいました。1200品目というのが割と面処方に対応しやすくなってくるのではないかと思っています。

3.患者さんが許容できる待ち時間

司会:許容できる薬局での待ち時間ってどれくらい?が次のテーマです。アンケート結果では15分未満ということでした。

多湖: 15分というのは目標値としては違和感のないところですが、実際に現場を想像すると決して簡単な数字ではない、とみなさん受け止めていらっしゃるかと思います。待ち時間と滞在時間は別物と考えていて、お薬を受け取るまでの15分の間、店舗で座ってじっと待っているか、それとも隣のコンビニで用事をすましている間に15分経っているということでは、患者さんの受け止め方は全然違います。ただ薬局で待っている15分じゃない形にしてあげることで、患者さんのストレスは大きく変えられるのじゃないかなというのが私の印象です。

田中:15分を許容できる人が全体の75%で、10分未満じゃないと許容できない人が45%いらっしゃると考えると、意外と15分以内という待ち時間を満たせてもまたさらに次の10分っていう壁を超えるべきなのか。無茶を言ってるように感じますが、10分っていうところはまた1つ大きな壁として超えるべきものでもあるというのはデータ上は出てますよね。

4.薬局に求めるもの(改善ポイント・嬉しいサービス)

司会:利用してる薬局で改善して欲しいポイントだったり、あると嬉しいサービスって何ですかという質問ですが、これ皆さんどうでしょう?私個人的には、後ろの方を待たせてしまうという感覚があり、支払いをスムーズに行いたいため、セルフレジやキャッシュレス決済が重要と考えています。

多湖:後ろの人を待たせているストレスは確かにあるかもしれないですね。普段の生活もどんどん便利になっています。スーパーのレジや、私がよく引き合いに出すのはタクシーのアプリです。降りる時にお金のやり取りが不要で、乗っている間にアプリで支払いを済ませられるあのサービスは、利用者のストレスを劇的に減らした素晴らしいものだと思っています。そうした世界が変わっていく中で薬局だけがどうして不便なの?という見え方にはなってしまいますよね。

田中:「クレジット/電子マネーの設備」が「薬剤師の雰囲気がいい」よりも上位となると、絶対取り入れた方が良いと思いますね。また、4位にある「待合室の心地が良い」でいくと、どんな薬局が心地が良いのかなと考えた時に、普通に綺麗というのはありますが、重要なのは他に待っている人がいないことだと感じています。普段、子供を連れて薬局にいく際に外側からどれくらい待ち時間ありそうかな、と見てしまいます。人が多いだけでどんなに綺麗な薬局であろうと心地が悪そうに見えるので、待ち時間の短さが「待合の心地がいい」と直結するのではないかと。西松屋さんでは、人気が出てきて混むようになってきたら近くにもう1店舗作るという話を聞いたことがあります。あえて混みすぎないようにガラガラになるようにしてるらしいんですよね。行きやすい、買い物がしやすい状況を作り出す戦略のようです。

5.お薬欠品時の薬局の対応と患者心理

司会:薬局で薬が欠品した場合、どのように対応しているか、またそれが患者さんにどのような印象を与えるかについてお話をうかがいます。

多湖:「郵送対応」が多いというのは納得の結果です。一方、「後日薬局に取りに行った」が一番多く、また来てくれるという意味では優しい患者さんが多いですよね。我々のサービスを利用する薬局さんの中には、当日のお届けを基本にしているところもあります。当日中に薬を渡すために直接患者さんの家まで届けたりすることもあり、時間もかかるし、非効率ではあるけれどもその姿勢を貫いていらっしゃいます。特に今のような医薬品供給の不安定な状況では、さらに負担が増しているのだろうなと感じています。プリメディさんのお客さんではいかがでしょうか。

田中:実際に「少しでも薬を渡せるだけでも助かる」という声はよく聞きます。特に1人薬剤師の体制だと、薬がない場合にその患者さんの対応が長引いてしまうことで、次の患者さんの待ち時間もどんどん増えてしまいます。1人の患者さんの対応が崩れてしまうと、薬局全体のオペレーションにも影響が出て、全員の待ち時間が延びてしまうことになりますよね。

司会:それでは、お薬がすぐ準備できず、「その場で待たされた」時の患者さんの気持ちについても深掘りしていきます。

田中:多くの薬局では、近隣の薬局に薬を分譲してもらうなどの労力をかけていますが、患者さんからするとそれが「待たされた」と感じられる。そうした苦労されている状況に対し、ネガティブな印象を持つ患者さんが41%と結構多くいて、悲しいですよね。一方で、ポジティブな意見をいう人もいるのは面白い結果です。説明の仕方やコミュニケーションで全然印象は変わってくるのだと思います。

多湖:受け止め方はガラっと変わるっていうのは本当にその通りだと思いますし、私が実際に体験したことなんですけど、「つながる薬局」で処方箋を薬局に送ったら自分が薬局に行く前に「ごめんなさい。今、在庫がないので少しお時間いただくかもしれません」というメッセージがきたんですよね。10分後に行こうと思っていた薬局から、1分後にそのメッセージが届き、さらにその後「手配がついたので、何分後以降に来ていただければご用意できます」というメッセージが追っかけできたんです。そうしたコミュニケーションができたことをすごくありがたく感じました。

6.まとめ

司会:本日のまとめです。「面処方の重要性」「欠品時のコミュニケーション」「待ち時間の短縮」がキーワードでしたね。

多湖: 「在庫ないです」「ごめんなさい、他に行ってください」という一方通行ではなく、「配送するといつ頃になります」「この場でお待ちいただくと○分ぐらいかかってしまいますけど、どうされますか?」、「ではお買い物してきてください。準備ができたら連絡しますね」といったようなコミュニケーションと、それにプラスして患者さんに選択肢をきちんと渡すことが非常に大事だと考えています。また、在庫を無限に持つことができれば欠品も避けられるかもしれませんが、それは現実的ではありませんので、面処方に向き合えるちょうど良い在庫の持ち方というところではプリメディさんのサービスは非常に良いものだと感じています。

田中: これまで門前の薬局を患者さんが利用する比率が8割-9割で選ばれていたはずが実は5割ちょっとぐらいだったというのは、面処方のポテンシャルがものすごく増えたということだと思いますし、ドラッグストアもある中で、益々競争は激しくなってくると感じています。待ち時間をいかに減らすか、コミュニケーションを丁寧にするといったところが勝負になってきます。一方で、オンラインショップのような業態と門前のように患者さんがたくさんいる薬局さんは同じ構造のように思います。オンラインショップで会員登録されている人にプラスオンしていくのと同様に、そうした多くの患者さんたちに声掛けをしたり、処方箋送信機能が使えますといったことがプラスオンされるだけで、プラス1枚の処方箋につながるのではないかと。そういったことからも、つながる薬局は絶対に使った方が良いと思いました。

司会: 本日は貴重なお話をありがとうございました。ぜひ、今日の内容を皆さんの薬局経営にお役立てください。

※2025年6月30日まで、本ウェビナーのオンデマンド動画を無料公開しております。以下よりぜひご覧ください。
【オンデマンド】なぜ患者さんは薬局を離脱するのか?〜アンケートから読み解く患者心理と定着戦略〜

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