溶連菌感染症の症状と潜伏期間は?風邪との違いや薬を飲み切るべき理由を解説

健康・予防

執筆者・監修者:薬剤師

「溶連菌感染症とは?」
「かかった際の治療法は?」
「家庭内感染を防ぐには?」

溶連菌感染症について、上記のような疑問や不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。

溶連菌感染症は、適切な抗菌薬治療によって改善が期待できる一方、自己判断で服用を中断すると再発や合併症のリスクが高まります。

本記事では、溶連菌の感染経路や潜伏期間、初期症状、風邪との見分け方、抗生物質を飲み切る理由、登校・登園の目安、家庭内での二次感染予防策まで解説します。

最後まで読めば、溶連菌感染症への正しい対処法がわかり、受診や療養時に落ち着いて行動できるでしょう。

溶連菌感染症の基礎知識

溶連菌とは、主に喉へ感染し、発熱や強い咽頭痛などを引き起こす細菌の総称です。一般的な風邪と似た症状が現れる一方、舌や皮膚に特徴的な変化がみられる場合もあり、早めの受診と適切な治療が欠かせません。

本章では、溶連菌感染症の基礎知識について解説します。

溶連菌の感染経路と感染力

溶連菌感染症は、感染者の咳やくしゃみに含まれる飛沫を吸い込むことで、周囲の人へうつる感染症です。菌が付着した手で口や鼻に触れたり、タオルや食器を共用したりする接触感染でも広がります。

特に発症直後の急性期は感染力が強く、近い距離で接する機会が多い環境では注意が必要です。保育園や学校では、子ども同士の距離が近いため、短期間で感染者が増える場合があります。

家庭内や職場でも複数人へ感染が広がる可能性があり、生活や活動を共にする集団では感染リスクが高まるでしょう。

溶連菌の潜伏期間

溶連菌感染症の潜伏期間は、感染してから症状が現れるまで通常2〜5日程度です。発症時には、38℃前後の急な発熱や強い喉の痛みがみられる場合があります。

感染した当日に症状が出るとは限らず、数日間は普段と変わらず過ごす人も少なくありません。潜伏期間には個人差があるため、感染者と接触してから5日ほどは体調の変化に注意が必要です。

発熱や喉の痛みが急に現れた場合は、症状だけで風邪と判断せず、医療機関への相談を検討することが大切です。

溶連菌感染症の初期症状と風邪との見分け方

溶連菌感染症は風邪と似た体調不良から始まるため、症状だけでは判断に迷う場合があります。適切な受診につなげるには、現れやすい変化と見分けるポイントを知ることが大切です。

本章では、溶連菌感染症の初期症状と風邪との見分け方について解説します。

初期症状

溶連菌感染症の代表的な初期症状は、急な発熱と強い喉の痛みで、唾を飲み込むのがつらくなる場合もあります。扁桃には白い膿が付着し、舌の表面に赤いブツブツが目立つ「イチゴ舌」が現れることも特徴です。

主な症状を、以下にまとめました。

 38度以上の急な発熱と強い喉の痛み
 胸や腹部、手足に広がる細かな赤い発疹
 触れるとざらつく発疹とかゆみ

子どもでは発熱や発疹、腹痛、嘔吐などがみられやすい一方、大人は喉の痛みが中心で、典型的な症状がそろわない場合もあります。

風邪との見分け方

溶連菌感染症と一般的な風邪は症状が似ていますが、発症の仕方や咳・鼻水の有無に違いがみられます。主な見分け方は、以下のとおりです。

比較項目 溶連菌感染症 一般的な風邪
発熱 38度以上の高熱が突然出る場合がある 微熱から徐々に上がることが多い
喉の痛み 飲み込むのがつらいほど強くなりやすい 軽度から中等度の痛みが多い
咳・鼻水 あまりみられない傾向がある 咳や鼻水を伴いやすい
特徴的な症状 扁桃の白い膿や発疹、イチゴ舌が現れる場合がある 声のかすれや目の充血を伴うことがある

咳や鼻水が少ない一方で、高熱や激しい喉の痛みが急に現れた場合は、溶連菌感染症が疑われます。ただし、症状だけでは断定できないため、医療機関で迅速検査や培養検査を受けることが重要です。

溶連菌感染症の治療法

溶連菌感染症は、適切な対応によって症状の改善と周囲への感染拡大防止が期待できます。自己判断を避け、医師の指示に沿って療養することが重要です。

本章では、溶連菌感染症の治療法と療養中の注意点について解説します。

治療で使われる抗生物質と飲み切る理由

溶連菌感染症の治療では、原因菌を排除するために抗生物質を使用します。主に用いられるお薬は、以下のとおりです。

 第一選択となるペニシリン系のアモキシシリン製剤(サワシリンなど)
 ペニシリンアレルギーの種類に応じて検討される一部のセフェム系抗菌薬
 耐性菌の状況などを踏まえて選択されるクラリスロマイシンなどのマクロライド系抗菌薬

服用期間はお薬の種類によって異なりますが、アモキシシリンでは一般に10日間の治療が推奨されています。症状が軽くなっても自己判断で中断すると、菌が十分に排除されず、再発や周囲への感染につながる恐れがあります。

急性リウマチ熱などの合併症を防ぐためにも、医師から指示された日数と回数を守り、処方されたお薬を最後まで飲み切ることが重要です。

学校や保育園の出席停止期間

溶連菌感染症では、適切な抗菌薬を飲み始めてから24〜48時間が経過するまで、登校や登園を控える必要があります。厚生労働省の保育所向けガイドラインでも、抗菌薬の服用後24〜48時間が登園の目安とされています。

時間が経過していても、熱が続いている場合や全身状態が回復していない段階での登校や登園は適切ではありません。熱が下がり食事や水分が取れて、普段どおりの活動ができるかを確認することが大切です。

施設ごとに登校・登園届や医師の意見書を求める場合もあるため、学校や保育園の規定を事前に確認しましょう。

溶連菌感染症の家庭内での二次感染予防対策

溶連菌感染症は家庭内で広がることがあり、同居する家族への配慮が欠かせません。感染経路を意識した行動を取り入れることで、二次感染のリスクを抑えやすくなります。

本章では、家庭内で実践したい溶連菌感染症の二次感染予防対策について解説します。

手洗いうがいの徹底とタオルの共有禁止

家庭内の接触感染を防ぐには、看病する家族が石けんと流水でこまめに手を洗うことが重要です。感染者の唾液や鼻水に触れた後は、自身の口や鼻へ触れる前に手指を清潔にします。

タオルやコップは共用せず、家族ごとに分けて使用しましょう。食器や箸は感染者専用に固定する必要はありませんが、使用後に洗剤で十分に洗浄してから再利用します。

うがいも口腔内を清潔に保つ習慣として取り入れつつ、手洗いと共有物の管理を優先することが家庭内感染の予防につながります。

マスク着用と咳エチケットの徹底

溶連菌感染症は飛沫によって広がるため、家庭内でも感染者が可能な範囲でマスクを着用することが大切です。特に咳やくしゃみが出る場合は、鼻と口を覆うように正しく装着します。

マスクを外している場面では、ティッシュや腕の内側で口と鼻を覆い、家族から顔をそらす咳エチケットを徹底しましょう。使用したティッシュはすぐに捨て、手に飛沫が付着した場合は速やかな手洗いが必要です。

食事や就寝時などマスクを着けにくい場面では、家族との距離を確保し、近距離での会話を減らすことで二次感染のリスクを抑えられます。

溶連菌感染症のお薬を受け取るなら「つながる薬局」がおすすめ

溶連菌感染症で発熱や強い喉の痛みがある場合、薬局内で長時間待つことが負担になりがちです。

LINE公式アカウント「つながる薬局」では、利用したい薬局を選び、スマートフォンで撮影した処方箋画像を事前に送信できます。薬局は受信した内容を確認してお薬の準備を進め、準備が整った段階で患者さんへ連絡する仕組みになっています。連絡を受けた後に薬局に向かえば、薬局での待ち時間を短縮でき、体調が優れない患者さんや付き添う家族の負担も抑えられるでしょう。

また、お好きな薬局をかかりつけ薬局として登録すれば、電子お薬手帳としても利用でき、薬局・薬剤師へLINEからの相談も可能になります。

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まとめ

溶連菌感染症は、急な発熱や強い喉の痛みが現れやすく、一般的な風邪とは異なる特徴があります。

治療では、医師から処方された抗菌薬を指示どおり飲み切り、登校や登園の再開時期も慎重に判断することが重要です。家庭内では、手洗いやタオルの使い分け、マスク着用などを徹底すると、二次感染のリスクを抑えやすくなります。

本記事を参考に、早めの受診と適切な治療、家庭内での感染対策に役立ててください。

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佐藤 恒一

執筆者:佐藤 恒一

資格:薬剤師

経歴:総合病院門前薬局、精神科クリニック門前薬局にて勤務。
調剤業務・服薬指導を経験後、薬局チェーン本部のDI(医薬情報)部門に所属し、医薬品情報提供や安全性対応に従事。

医療や健康に関する情報は専門家には当たり前でも、一般の方には難しい場面が多いと感じています。執筆では専門用語をできるだけかみ砕き、読者が理解しやすい内容にすることを心掛けています。最新の医薬品情報や薬物療法の動向にも関心があり、日々情報収集を続けています。

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