オンライン服薬指導がもたらす安心感と信頼。自宅で落ち着いて話せる環境が、患者さんの“話しやすさ”を引き出しています。

ネクサスグループは広島県を中心に27店舗を展開し、2022年より「つながる薬局」を導入しています。今回は、その中でオンライン服薬指導を積極的に実施しているキララ薬局 白島店の菊本様にインタビューをおこない、運用の工夫や患者さんの反応などについてお話を伺いました。

ネクサスグループ　株式会社ネクサス

キララ薬局 白島店
管理薬剤師　菊本 大輔 様

― まずは薬局の特徴について教えてください。

キララ薬局 白島店は、主に精神科・皮膚科の処方箋を応需しており、外来に加えて在宅医療にも力を入れています。10名のスタッフで運営し、患者層は20代〜50代が中心です。
2023年頃から「つながる薬局」を活用したオンライン服薬指導を本格的に開始し、外出が難しい患者さんを中心にご利用いただいています。

― オンライン服薬指導を始めたきっかけを教えてください。

きっかけは、コロナ禍で門前の精神科医師がオンライン診療を始めたことです。オンライン診療を受けた患者さんから「薬局もオンライン対応してくれると助かる」というご要望があり、「つながる薬局」を活用したオンライン服薬指導を開始しました。現在は病院側のオンライン診療は終了していますが、当薬局のオンライン服薬指導は継続してご利用いただいています。

― オンライン服薬指導を開始して、患者さんの反応はいかがでしたか？

オンライン服薬指導をご利用いただいているのは主に50代の方ですが、中には60代後半の患者さんもいらっしゃいます。デジタルツールの操作に慣れていらっしゃる方ばかりではないので、運用を開始した当初は接続方法に戸惑う患者さんも少なくありませんでした。電話でのサポートや自宅訪問による説明が必要なこともありましたが、一度慣れていただくと、その後はスムーズに利用していただけています。

初回のビデオ通話は緊張される方もいますが、慣れてくると「来局して話すよりもオンラインのほうが話しやすい」と感じる方が多いようです。待ち時間がなく、自宅というプライベートな環境で落ち着いて話せることが大きな理由のようです。また、薬局からの質問にも、対面時よりもひとつひとつ丁寧に答えてくださる傾向があります。薬の服用状況を確認する際も、自宅で保管状況をその場で確認していただけるため、正確な情報を得やすい点はオンラインならではのメリットだと感じています。

外来対応が忙しいときには、オンライン服薬指導の開始を知らせるアラーム通知が助かっています。現在は30分前の通知を設定していますが、今後は直前通知の機能も活用していきたいです。

― 「つながる薬局」導入後、患者さんの薬局利用に変化はありましたか？

広域処方の患者さんが、事前に処方箋を送信してから来局されるようになりました。

近隣にお住まいで広域の処方箋を持参される患者さんには、待ち時間削減と在庫確保のため、「つながる薬局」をご案内し、「診察後に処方箋の写真を撮って送ってください」と必ずお伝えしています。事前準備ができることで、業務効率化にもつながっています。

また、在宅の患者さんの場合、往診以外ではご家族やヘルパーさんの付き添いで大きな病院を受診されることがあります。最近は病院内のFAXコーナーが減っており、その代わりに「つながる薬局」を使ってLINEで処方箋を送れる点が非常に好評です。

― LINEでの服薬フォローも行っていると伺いました。

新しい薬が処方された方や、副作用について説明した患者さんには、体調変化や副作用の有無をメッセージで確認しています。返信がないことはほとんどなく、皆さん当日中に返してくださいます。

患者さんからも、副作用の相談や「次の受診までに薬がなくなりそう」といった困りごとを気軽にメッセージで相談してもらえるようになりました。特に精神科の患者さんは、電話よりもメッセージのほうが気楽だと感じる方が多い印象です。

― 今後、「つながる薬局」を活用して取り組みたいことはありますか？

オンライン診療は全国的に増加しており、当薬局でもオンライン診療の処方箋を応需する機会が増えています。薬局側もオンライン服薬指導をさらに強化することで、診療から薬の受け取りまでの流れをスムーズにし、立地に関係なく患者さんに選ばれる薬局になっていきたいと考えています。オンライン決済などの機能がさらに拡充されれば、より選ばれる薬局になっていけると思います。

また、将来的には在宅や精神科だけでなく、自由診療領域でのオンライン服薬指導にも対応していきたいと考えています。働く世代の方々に向けて、オンラインでスムーズに服薬指導と決済が完了し、自宅に薬が届く一連の流れの中で、薬局としてより積極的に関わりたいです。